スペインで盗難被害に会ったら< クレジットカードを盗まれたら、24時間以内にカード会社に自分の名前と、カード番号を連絡して、カードの失効手続きをする。だから、かーどを取られた時のために、カード会社の連絡さきを、控えておく。> トラベラーチェックの盗難も、すぐに発行元に連絡して、再発行する。とても面倒な時もある。> 旅券が盗まれたら(1)警察で盗難証明書をもらう。スペイン語ができないと、ちょっと面倒だが、申し込み用紙には、英語で説明してある。旅券などを盗まれる外国人旅行者が多いため。しばらく待つ時もある。(2、3時間?)盗難にあう外国人観光客の被害者が多いため!)(2) 写真やで旅券のための顔写真(3'5cm/4'5cm)2枚(3)手数料、10年用旅券は、€133'00、5年用旅券は、€92'00、大使館の会開館時間隊(MADRID、09:00ー14:00、15:30ー18:00、7月ー8月;08:30ー15:30、領事部、09:30ー13:30、15:30ー17:00、7月ー8月;09:00ー14:30に手続きする。(4) 盗まれた旅券のコピー:身元確認書類(5)申し込み書(6)大使館所定の盗難届け(7)申請日から、実働日2日後に受領できる。
Embajada del Japon
Calle Serrano 109
28006 Madrid
TEL 91-590-7614(領事部の直通)
09:30-13:30, 15:30-17:00
07月ー08月 09:00-14:30
Cosulado Genaral del Japon en Barcelona
Edificio Caja Madrid
Av. Diagonal, 640, 2-D,
08017 Barcelona
España
Tel 93-280-3433
09:00(09:30)-14:00(13:30), 15:30-17:00(18:00)
07月ー08月, (08:30)09:00-14:30(15:30)
Consulado
del Las Palmas de Gran Canaria
Calle Santiago Rusiñol, 12
35005 Las Palmas de Gran Canaria
España
TEL. 928-24-4012
電話受け付け時間. 08:30-16:30
07月ー08月 08:30-15:30
09:00-12:00, 14:00-16:00
マドリッド日本大使館や、バルセロナ領事館に、電話すると、"スペイン語"で答えるので、"領事部をお願いします"と"日本語"で言うと良い。スペイン語で答えられると、ちょっとドギマギするけれど。。。受け付けの人は、日本人だと思う。スペインだから、スペイン語で受け答えするのは、考えて見ると、あたりまえか?。
2011年7月20日水曜日
スペインの日本大使館の安全情報 ー主要な犯罪の手口と防犯対策
スペインの日本大使館の安全情報 ー主要な犯罪の手口と防犯対策
スペインでは、失業率が20ー25%の400万0000人から、500万0000人位にせまり、外国人移民労働者も、400万0000人を超え、それに伴い犯罪も急増している。 とくに、外国人観光客を狙ったスリが非常に多い。特に高価なカメラと多額の現金を持ち歩いている日本人旅行者は、泥棒たちから、特に狙われているので、非常に注意して欲しい。安全ボケの日本人は、スリの格好の"餌食"になるのです。カメラは、服の内側にいれて 隠した方が良い。せめて、見せびらかすようなことは、止めてくれ! 背袋のカバンは、前がけに、(背袋のハンドバックは、肩に回して タスキがけにして、いつも、がま口に手をかけている。(スペインの地元の女性の様子を観察していれば、分かるはず。)女の人は特に、ひったくりに会わないように、常に 歩いている後ろを気をつける。(忍者のよう?!) 夜の独り歩きは、特に女性は避ける。不振な男たちが近づいて来たら、さけて、道の反対側や、別方向へ向かう。 旅券や、財布などは、小さなバッグに入れて旅行すると便利だけど、ひったくられたり、スリに盗まれると、旅行の続きが難しいので、めんどくさいけど、せめて、旅券(ぱすぽーと)と航空券などは、ズボンの内側に袋を縫いつけて、腹に常に巻いていると良い。貴重品は、1個所にまとめて持ち歩かず、あちこち分散する。外出の際は、できれば、旅券(パスポート)や航空券や、多額の現金は、もしそのホテル(宿)が信用できるならば、受け付けに預かってもらうと良い。 バルセロナの公園などでは、ルーマニア人の女性が、事前団体の寄付の著名を求めて、そのすきに財布をするのが多い。相手にしないのが良い。置引も多くて、レストランや、ファーストフード店、ホテルの受け付け、空港、バスの駅(ターミナル)や停留所、鉄道駅ど、で、気を取られているうちに、物を盗まれることがおおい。話しかけてきて、気を取られているうちに、バッグやカバンなどを盗む。日本人は人が良くて、話しかけられると、相手にしてしまうが、大都市では、話しかけられてきたら、無視するのが良い。話しかけてくるのは、大部分が泥棒だと思って差し支えない。こちらから、必要なら、こちらから話しかけれは良い。田舎では、別だと思うけれど。 私服の偽警官の詐欺スリ事件も多い。警察手帳を、ほんのちょっとシカ見せずに、パキスタン系の人物で、旅券(ぱすぽーと)ではなく、財布の提示を求める。近頃は、サクラを使って、サクラがあなたに話しかけてきて、そのうち、偽警官がそのサクラに旅券(身分証明書)や財布の提示を求めてから、あなたの"財布"も提示をもとめる。?相手にしないか、無視するか、制服の警官を呼ぶか、偽警官の写真を撮るとか ?? 本物の私服の警官の場合もあるので、困ったもんだ。あんまりないけど。。。パキスタン系の2人組が近づいてきたら、方向転換して、避ける? 相手にしないのが一番良い。本物だったら、もめたら、本所にしょっぴいていかれるだけだから、心配ない!? 向こうも犯罪の多いのを知っているから、ひどいことは?しない。 睡眠薬のスリも結構ある。ひとなつっこく話しかけてきて、そのうち、栓の開いた睡眠薬の入ったカンビールや、ジュースなどを勧めて、眠っている間に、旅券や財布を盗む。俺の住んでる観光地でもやっているので、栓の開いたジュースやビールは、勧められても飲むな! スペインの新聞で、時々 観光客を対象にした犯罪の新聞記事が出ているので、読んでください。スペイン語の分からないひとは、ゴーグルの自動翻訳で、スペイン語から、イギリス語か、日本語に翻訳して読むと良い。スリは、スペイン語では、CARTERISTA(カルテリスタ)といい、泥棒は、LADRON(ラドロン)と言う。検索でCARTERISTAとか、LADRONをスペインの新聞で探すとよい。 なんせ、不況で、失業が非常に多くて、法律も甘いので、(厳しくすると刑務所がパンクする?)現在も刑務所は超過状態!盗難額が€300'00(やく40000円以下)以上でないと、犯罪にならない。スピード"違反"と同じ。だから、スリ泥棒は、捕まっても€300'00いかなら、無罪放免 !それで、何回もスリ仕事を続けていく。 大都市と観光地を避ければいい旅ができるのですが。スペイン人は、人懐(なつ)っこいので、社交的だけど。できれば、スペイン語を勉強しておくと、いい旅ができるかも。
スペインの日本大使館の安全情報 ー主要な犯罪の手口と防犯対策
http://www.es.emb-japan.go.jp/japones/anzen_shuyonahanzai.htm
安全情報 - 主要な犯罪の手口及び防犯対策
1.スリ 駅のエスカレーター、地下鉄やバス内、観光名所、路上などにおいて、小銭やクレジットカードをばら撒き、又は話しかけたりして、歩行者の注意をそらし、ショルダーバッグやバッグ等から財布を抜き取る被害が多くなっています。 外出の際は、旅券や多額の現金、カード類、航空券等の貴重品は極力持ち歩かないよう心掛けてください。また、やむを得ず持ち歩く場合には、貴重品などを一か所にまとめず、小分けして分散して身に着けるなどの注意が必要です。
(1)目隠しスリ 犯人は、地下鉄などで新聞を読みながら近づき、その新聞で被害者のカバンやポケットを隠しながら財布などを盗むものです。 不審人物が接近して来る場合には、直ちにその場を離れることを心掛けてください。また、人込みですれ違う場合には、荷物に注意を払ってください。
(2)エスカレータースリ エスカレーター及び階段において、歩行者の前後を犯人が2~3人で取り囲み、前方の人物が、小銭やクレジットカード等を突然落として、落とした物を拾い集めようとします。そして、歩行者が拾うのを手伝っている、あるいは気を取られている間に、他の仲間が、歩行者のカバンやポケットから財布などを盗むものです。 犯人に取り囲まれそうになったら、直ちにその場を離れるようにします。また、犯人が小銭等を落とした場合でも、手伝うことをせずに見過ごした方が無難です。
(3)ケチャップスリ 犯人がケチャップやアイスクリームなどを意図的に歩行者の衣服に付けて、歩行者に汚れがついていると指摘して気付かせ、犯人が汚れを拭き取るのを手伝っていると見せかけて、歩行者のカバンやポケットから財布を盗むものです。 衣服に汚れなどが付着していることを指摘されても、その場で衣服を脱いで汚れを拭き取ることをせず、また、親切に拭き取る手伝いをする人物がいても応じないことが肝要です。
(4)物売りスリ 歩行者に花束や絵はがきを売りつける素振りで身体に押しつけている隙に、犯人がカバンやポケットから財布を盗むものです。 商品を売りつけるような物売りに遭遇した場合には、直ちにその場を離れてください。
(5)切り裂きスリ カッターなどでバッグを切り裂いて、財布などを盗むものです。 カバンなどは肩に掛けずに抱えるように持ち、また、周囲の人物には接触しないように心掛けてください。
2.置き引き 犯人はレストラン、ファーストフード店、ホテルのロビー、空港、駅、バスのターミナル等において、小銭やクレジットカードをばら撒き、又は話しかけたりして(大声を出して)被害者の注意をそらして、反対側にいる犯人の仲間が被害者の足下や反対側のイスに置いてあるバッグ等を置き引きするという被害が多くなっています。 ビュッフェ形式の食事の際には、常に荷物を身に着けることを心掛けてください。また、荷物を足下に置いたり、椅子に置く場合であっても、常に荷物に注意を払うよう心掛けてください。
3.ひったくり 犯人が裏通りや物陰を利用して待ち伏せし、通りかかった人のショルダーバックなどを奪い取るものです。 ショルダーバッグなどは、車道と反対側に抱えて持つとともに、人通りの少ない道は利用しないよう心掛けてください。
4.首絞め強盗 犯人が人通りの少ない路上や、オスタル(安価で宿泊できるホテル)などの入口において、背後から突然首を絞めて、被害者が気絶している間に、所持品を強奪するもので、被害は、特に土日及び祝日の14時~16時の昼食時間帯に多発しています。 昼食時間帯に人通りの少ない道へ外出する際は、常に周囲に注意を払って行動し、不審者の存在を確認した場合には、直ちに、近くの商店などに避難して、回避に努めるように心掛けてください。
5.睡眠薬強盗 マドリード市内では、プラド美術館、アトーチャ駅、プエルタ・デル・ソル、マヨール広場近郊において自称フランス人「ディビッド」あるいは「ミッシェル」と名乗る男性が近寄ってきて昼食を一緒にしようとパンとチキンを買って公園等で飲食していると、まもなく気を失い所持品全てを奪われる被害が毎年数件発生しています。 見知らぬ人から飲み物や食べ物を勧められたり、貰ったりしたものを安易に口にしないよう心掛けてください。
6.ニセ警官 警察手帳の見本はこちら 警察官と名乗る男、あるいは車に乗った二人組みの男が所持品検査を求め、財布から紙幣等を抜き取るものです。 ニセ警官被害は、ヌエボス・ミニステリオス駅やサンチアゴ・ベルナベウ・サッカー場付近で多く発生しています。 他方、ブランド店が並ぶグラン・ビア通りやセラーノ通りでは、詐欺事件の防犯の観点から私服警官が巡回していますが、日本人旅行者が私服警官をニセ警官と思いこみ、公務執行妨害で一時拘束されるケースも起きていますので、職務質問された場合には、ニセ警官か否か見分けることも必要です。 ニセ警官の特徴や見分け方は、
○警察手帳を一瞬しか見せない。○インド系、あるいはパキスタン系と思われる人物で、スペイン語が流暢でない。○財布の提示を要求する(私服警察官の場合、パスポートの提示を求めることはあっても財布の提示を求めることはありません。) これらの特徴を参考にしてニセ警察官と思われる者に声をかけられた場合には、近くの制服警察官等に助けを求めたり、車両ナンバーや犯人の特徴をメモすると防犯に役に立ちます。
7.宝くじ当選を装う詐欺事件 スペインを始め、ヨーロッパや北米等の在住者宛に「貴殿は○○(架空の)主催の宝くじに当選しました。賞金を受け取るためには○○宛に保証金、手数料として所定の前金を支払う必要があります。」旨の内容の手紙、ファクシミリ、電子メールなどが送られてきます。そして、受領者がその指示通りの金額を送金しても、賞金に関する連絡が無く、そこで騙されたことに気づくというものです。 本人が応募もしていないのに宝くじの当選通知が来るということ自体不自然であり、上記連絡があっても、詐欺の可能性を考慮し、安易に信用して送金しないよう心掛けてください。 なお、類似の詐欺事件としては、遺産相続型、高額取引や大型プロジェクト等の勧誘を装った貿易取引型、マネーロンダリング型、入札型、紙幣消印型等のパターンがあります。
8.その他
(1)物乞い盗 数人の子供が物乞いする振りをして近づいてきて被害者の注意をそらし、テーブルの上の携帯電話や椅子の背もたれにかけたカバンなどを盗むものです。 物乞いを相手にせずに、所持品から手を離さないよう心掛けてください。
(2)車の窓ふき盗 信号で止まった車の窓を拭いてチップを要求し、運転者の気をそらしている隙に、ドアを開けて車内に放置してある物を盗む。又は運転者が窓を開けた際に車内の物を盗むものです。 「窓拭きの必要はない」ことを告げ、相手にしないようにしてください。また、窓やドアを開けないようにしてください。
(3)パンク盗 高速道路などで、タイヤがパンクしていることを指摘し、車両を停止させます。そして、タイヤの確認や、修理をしている隙に、車内の物や、車両自体を盗むものです。 「タイヤがパンクしている」と指摘されても、その場で停止して確認や修理を行うことをせず、取り敢えず安全な場所まで走行させてください。また、確認や修理のために車外に出る時には、必ずドアをロックするよう心掛けてください。
スペインでは、失業率が20ー25%の400万0000人から、500万0000人位にせまり、外国人移民労働者も、400万0000人を超え、それに伴い犯罪も急増している。 とくに、外国人観光客を狙ったスリが非常に多い。特に高価なカメラと多額の現金を持ち歩いている日本人旅行者は、泥棒たちから、特に狙われているので、非常に注意して欲しい。安全ボケの日本人は、スリの格好の"餌食"になるのです。カメラは、服の内側にいれて 隠した方が良い。せめて、見せびらかすようなことは、止めてくれ! 背袋のカバンは、前がけに、(背袋のハンドバックは、肩に回して タスキがけにして、いつも、がま口に手をかけている。(スペインの地元の女性の様子を観察していれば、分かるはず。)女の人は特に、ひったくりに会わないように、常に 歩いている後ろを気をつける。(忍者のよう?!) 夜の独り歩きは、特に女性は避ける。不振な男たちが近づいて来たら、さけて、道の反対側や、別方向へ向かう。 旅券や、財布などは、小さなバッグに入れて旅行すると便利だけど、ひったくられたり、スリに盗まれると、旅行の続きが難しいので、めんどくさいけど、せめて、旅券(ぱすぽーと)と航空券などは、ズボンの内側に袋を縫いつけて、腹に常に巻いていると良い。貴重品は、1個所にまとめて持ち歩かず、あちこち分散する。外出の際は、できれば、旅券(パスポート)や航空券や、多額の現金は、もしそのホテル(宿)が信用できるならば、受け付けに預かってもらうと良い。 バルセロナの公園などでは、ルーマニア人の女性が、事前団体の寄付の著名を求めて、そのすきに財布をするのが多い。相手にしないのが良い。置引も多くて、レストランや、ファーストフード店、ホテルの受け付け、空港、バスの駅(ターミナル)や停留所、鉄道駅ど、で、気を取られているうちに、物を盗まれることがおおい。話しかけてきて、気を取られているうちに、バッグやカバンなどを盗む。日本人は人が良くて、話しかけられると、相手にしてしまうが、大都市では、話しかけられてきたら、無視するのが良い。話しかけてくるのは、大部分が泥棒だと思って差し支えない。こちらから、必要なら、こちらから話しかけれは良い。田舎では、別だと思うけれど。 私服の偽警官の詐欺スリ事件も多い。警察手帳を、ほんのちょっとシカ見せずに、パキスタン系の人物で、旅券(ぱすぽーと)ではなく、財布の提示を求める。近頃は、サクラを使って、サクラがあなたに話しかけてきて、そのうち、偽警官がそのサクラに旅券(身分証明書)や財布の提示を求めてから、あなたの"財布"も提示をもとめる。?相手にしないか、無視するか、制服の警官を呼ぶか、偽警官の写真を撮るとか ?? 本物の私服の警官の場合もあるので、困ったもんだ。あんまりないけど。。。パキスタン系の2人組が近づいてきたら、方向転換して、避ける? 相手にしないのが一番良い。本物だったら、もめたら、本所にしょっぴいていかれるだけだから、心配ない!? 向こうも犯罪の多いのを知っているから、ひどいことは?しない。 睡眠薬のスリも結構ある。ひとなつっこく話しかけてきて、そのうち、栓の開いた睡眠薬の入ったカンビールや、ジュースなどを勧めて、眠っている間に、旅券や財布を盗む。俺の住んでる観光地でもやっているので、栓の開いたジュースやビールは、勧められても飲むな! スペインの新聞で、時々 観光客を対象にした犯罪の新聞記事が出ているので、読んでください。スペイン語の分からないひとは、ゴーグルの自動翻訳で、スペイン語から、イギリス語か、日本語に翻訳して読むと良い。スリは、スペイン語では、CARTERISTA(カルテリスタ)といい、泥棒は、LADRON(ラドロン)と言う。検索でCARTERISTAとか、LADRONをスペインの新聞で探すとよい。 なんせ、不況で、失業が非常に多くて、法律も甘いので、(厳しくすると刑務所がパンクする?)現在も刑務所は超過状態!盗難額が€300'00(やく40000円以下)以上でないと、犯罪にならない。スピード"違反"と同じ。だから、スリ泥棒は、捕まっても€300'00いかなら、無罪放免 !それで、何回もスリ仕事を続けていく。 大都市と観光地を避ければいい旅ができるのですが。スペイン人は、人懐(なつ)っこいので、社交的だけど。できれば、スペイン語を勉強しておくと、いい旅ができるかも。
スペインの日本大使館の安全情報 ー主要な犯罪の手口と防犯対策
http://www.es.emb-japan.go.jp/japones/anzen_shuyonahanzai.htm
安全情報 - 主要な犯罪の手口及び防犯対策
1.スリ 駅のエスカレーター、地下鉄やバス内、観光名所、路上などにおいて、小銭やクレジットカードをばら撒き、又は話しかけたりして、歩行者の注意をそらし、ショルダーバッグやバッグ等から財布を抜き取る被害が多くなっています。 外出の際は、旅券や多額の現金、カード類、航空券等の貴重品は極力持ち歩かないよう心掛けてください。また、やむを得ず持ち歩く場合には、貴重品などを一か所にまとめず、小分けして分散して身に着けるなどの注意が必要です。
(1)目隠しスリ 犯人は、地下鉄などで新聞を読みながら近づき、その新聞で被害者のカバンやポケットを隠しながら財布などを盗むものです。 不審人物が接近して来る場合には、直ちにその場を離れることを心掛けてください。また、人込みですれ違う場合には、荷物に注意を払ってください。
(2)エスカレータースリ エスカレーター及び階段において、歩行者の前後を犯人が2~3人で取り囲み、前方の人物が、小銭やクレジットカード等を突然落として、落とした物を拾い集めようとします。そして、歩行者が拾うのを手伝っている、あるいは気を取られている間に、他の仲間が、歩行者のカバンやポケットから財布などを盗むものです。 犯人に取り囲まれそうになったら、直ちにその場を離れるようにします。また、犯人が小銭等を落とした場合でも、手伝うことをせずに見過ごした方が無難です。
(3)ケチャップスリ 犯人がケチャップやアイスクリームなどを意図的に歩行者の衣服に付けて、歩行者に汚れがついていると指摘して気付かせ、犯人が汚れを拭き取るのを手伝っていると見せかけて、歩行者のカバンやポケットから財布を盗むものです。 衣服に汚れなどが付着していることを指摘されても、その場で衣服を脱いで汚れを拭き取ることをせず、また、親切に拭き取る手伝いをする人物がいても応じないことが肝要です。
(4)物売りスリ 歩行者に花束や絵はがきを売りつける素振りで身体に押しつけている隙に、犯人がカバンやポケットから財布を盗むものです。 商品を売りつけるような物売りに遭遇した場合には、直ちにその場を離れてください。
(5)切り裂きスリ カッターなどでバッグを切り裂いて、財布などを盗むものです。 カバンなどは肩に掛けずに抱えるように持ち、また、周囲の人物には接触しないように心掛けてください。
2.置き引き 犯人はレストラン、ファーストフード店、ホテルのロビー、空港、駅、バスのターミナル等において、小銭やクレジットカードをばら撒き、又は話しかけたりして(大声を出して)被害者の注意をそらして、反対側にいる犯人の仲間が被害者の足下や反対側のイスに置いてあるバッグ等を置き引きするという被害が多くなっています。 ビュッフェ形式の食事の際には、常に荷物を身に着けることを心掛けてください。また、荷物を足下に置いたり、椅子に置く場合であっても、常に荷物に注意を払うよう心掛けてください。
3.ひったくり 犯人が裏通りや物陰を利用して待ち伏せし、通りかかった人のショルダーバックなどを奪い取るものです。 ショルダーバッグなどは、車道と反対側に抱えて持つとともに、人通りの少ない道は利用しないよう心掛けてください。
4.首絞め強盗 犯人が人通りの少ない路上や、オスタル(安価で宿泊できるホテル)などの入口において、背後から突然首を絞めて、被害者が気絶している間に、所持品を強奪するもので、被害は、特に土日及び祝日の14時~16時の昼食時間帯に多発しています。 昼食時間帯に人通りの少ない道へ外出する際は、常に周囲に注意を払って行動し、不審者の存在を確認した場合には、直ちに、近くの商店などに避難して、回避に努めるように心掛けてください。
5.睡眠薬強盗 マドリード市内では、プラド美術館、アトーチャ駅、プエルタ・デル・ソル、マヨール広場近郊において自称フランス人「ディビッド」あるいは「ミッシェル」と名乗る男性が近寄ってきて昼食を一緒にしようとパンとチキンを買って公園等で飲食していると、まもなく気を失い所持品全てを奪われる被害が毎年数件発生しています。 見知らぬ人から飲み物や食べ物を勧められたり、貰ったりしたものを安易に口にしないよう心掛けてください。
6.ニセ警官 警察手帳の見本はこちら 警察官と名乗る男、あるいは車に乗った二人組みの男が所持品検査を求め、財布から紙幣等を抜き取るものです。 ニセ警官被害は、ヌエボス・ミニステリオス駅やサンチアゴ・ベルナベウ・サッカー場付近で多く発生しています。 他方、ブランド店が並ぶグラン・ビア通りやセラーノ通りでは、詐欺事件の防犯の観点から私服警官が巡回していますが、日本人旅行者が私服警官をニセ警官と思いこみ、公務執行妨害で一時拘束されるケースも起きていますので、職務質問された場合には、ニセ警官か否か見分けることも必要です。 ニセ警官の特徴や見分け方は、
○警察手帳を一瞬しか見せない。○インド系、あるいはパキスタン系と思われる人物で、スペイン語が流暢でない。○財布の提示を要求する(私服警察官の場合、パスポートの提示を求めることはあっても財布の提示を求めることはありません。) これらの特徴を参考にしてニセ警察官と思われる者に声をかけられた場合には、近くの制服警察官等に助けを求めたり、車両ナンバーや犯人の特徴をメモすると防犯に役に立ちます。
7.宝くじ当選を装う詐欺事件 スペインを始め、ヨーロッパや北米等の在住者宛に「貴殿は○○(架空の)主催の宝くじに当選しました。賞金を受け取るためには○○宛に保証金、手数料として所定の前金を支払う必要があります。」旨の内容の手紙、ファクシミリ、電子メールなどが送られてきます。そして、受領者がその指示通りの金額を送金しても、賞金に関する連絡が無く、そこで騙されたことに気づくというものです。 本人が応募もしていないのに宝くじの当選通知が来るということ自体不自然であり、上記連絡があっても、詐欺の可能性を考慮し、安易に信用して送金しないよう心掛けてください。 なお、類似の詐欺事件としては、遺産相続型、高額取引や大型プロジェクト等の勧誘を装った貿易取引型、マネーロンダリング型、入札型、紙幣消印型等のパターンがあります。
8.その他
(1)物乞い盗 数人の子供が物乞いする振りをして近づいてきて被害者の注意をそらし、テーブルの上の携帯電話や椅子の背もたれにかけたカバンなどを盗むものです。 物乞いを相手にせずに、所持品から手を離さないよう心掛けてください。
(2)車の窓ふき盗 信号で止まった車の窓を拭いてチップを要求し、運転者の気をそらしている隙に、ドアを開けて車内に放置してある物を盗む。又は運転者が窓を開けた際に車内の物を盗むものです。 「窓拭きの必要はない」ことを告げ、相手にしないようにしてください。また、窓やドアを開けないようにしてください。
(3)パンク盗 高速道路などで、タイヤがパンクしていることを指摘し、車両を停止させます。そして、タイヤの確認や、修理をしている隙に、車内の物や、車両自体を盗むものです。 「タイヤがパンクしている」と指摘されても、その場で停止して確認や修理を行うことをせず、取り敢えず安全な場所まで走行させてください。また、確認や修理のために車外に出る時には、必ずドアをロックするよう心掛けてください。
スペインでの日本人旅行者の盗難被害の多発に注意!
スペインでの日本人旅行者の盗難被害の多発に注意!スペインで日本人旅行者が盗難に会う機会が多いようだ。バルセロナの地下鉄では、確認されているだけで、やく30組の150人あまりの集団スリ団が、特に外国人観光客を狙って活動しているので、十分に注意して欲しい。バルセロナを訪れた日本人の個人旅行者のやく3割くらいが、地下鉄車内での、おもにルーマニア人を主にした集団スリの窃盗被害に遭っているらしい。偽警官事件(警官を装って、旅券などを調べる振りをして、クレジットカードや金銭を抜き取り、盗む。)もまだまだ 被害にあっているようだ。 スペインを訪れた日本人旅行者の盗難事例や、注意は、在スペイン日本大使館の日本語のページに出ているので、スペインを訪れようとする日本人旅行者は、是非 読んでください。
Embajada del Japon en Espanya
http://www.es.emb-japan.go.jp/japones/index.htm
安全情報
·治安関連情報
安全情報·
治安関連情報
2011年07月19日発表 過去1ヶ月間の主要な邦人被害例を更新しました。
http://www.es.emb-japan.go.jp/japones/anzen_kako_2011.htm
過去1ヶ月間の主要な邦人被害例 (2011年)...水平線
1月の主要な邦人被害例
地域名
日付
被害内容
日付
被害内容
日付
被害内容
-->
6月の邦人被害
当館及び在ラスパルマス駐管轄区域内で確認された6月の邦人被害は次のとおりです。類似の被害に遭わないよう、引き続き十分な注意をお願いいたします。
マドリード
6月8日(水):スリ
午前11時頃、邦人女性旅行者が、地下鉄オペラ駅からソル駅に移動中、気付かない間に鞄から旅券を抜き取られた。
6月15日(木):スリ
午後8時半頃、邦人男性旅行者が、アトーチャ通りのレストラン前でメニューを見ている間に、ショルダーバッグから旅券等が入った財布を抜き取られた。
6月29日(水):スリ
午後2時頃、邦人男性旅行者が、マジョール広場とソル広場の間の路上で、気付かない間にショルダーバッグのファスナを開けられ、財布を抜き取られた。
6月30日(木):スリ
午前11時頃、邦人女性旅行者が、マジョール通りを歩行中、気付かない間に鞄から財布を抜き取られた。
セビリア
6月18日(土):スリ
午後12時半頃、邦人男性旅行者が、大聖堂内で、気付かない間に、上着のポケットから現金等を抜き取られた。
6月22日(水):スリ
午後2時頃、邦人女性旅行者が、服飾店店内で、気付かない間に鞄のファスナーを開けられ、旅券等が入った財布を抜き取られた。
ビルバオ
6月18日(土):スリ
午後10時半頃、邦人男性旅行者が、市内バルで飲食中、気付かない間に上着の内ポケットから旅券を抜き取られた。
5月の邦人被害
マドリード
5月6日(金):スリ
午後8時頃、邦人男性旅行者が、気付かないうちにバックパックから旅券等が入った貴重品袋を抜き取られた。
5月19日(木):スリ
午後4時頃、邦人男性旅行者が、地下鉄5号線車内で、気付かないうちにズボンの前ポケットから旅券等を抜き取られた。
5月27日(金):首絞め強盗
午後5時45分頃、在留邦人女性が、リベラ・デ・クルティドーレス通りを地下鉄アカシアス駅に向かって歩いていたところ、突然後ろから首を絞められ、気を失っている間に、財布やカメラ等が入ったショルダーバッグ及び手提げ鞄を盗まれた。
セビリア
5月5日(木):スリ
午後10時半頃、邦人男性旅行者が、人通りが多い通りを歩行中、気付かないうちにショルダーバッグのチャックを開けられ、中から旅券を抜き取られた。
4月の邦人被害
マドリード
4月5日(火):置き引き
午後9時頃、在留邦人男性が、セラーノ通りにあるレストランのテラスにおいて複数名で食事中、足下に置いていた財布等が入った鞄を置き引きされた。
4月6日(水):置き引き
午前8時半頃、邦人男性旅行者が、地下鉄サン・ベルナルド駅付近のホテル前で喫煙中、傍に置いていた旅券等が入った鞄を置き引きされた。
4月12日(火):置き引き
午前7時半頃、邦人女性旅行者が、バラハス空港付近のホテル内レストランで朝食中、席を離れている間に、置いておいた鞄を置き引きされた。
4月28日(木):スリ
午後1時頃、邦人男性旅行者が、デポット神殿付近の路上で、身体障害者のための募金を募る振りをして近づいてきた3人組の女に、身分証明書を提示することを求められ、応じている間に財布から旅券等を抜き取られた。
4月28日(木):置き引き
午後2時頃、邦人男性旅行者が、バラハス空港第2ターミナル出国ゲート付近でメールを打っている間に、横に置いておいたポケットに旅券等が入ったジャケットを盗まれた。
4月29日(金):スリ
午後10時頃、邦人男性旅行者が、地下鉄ソル駅とサン・ベルナルド駅間の車内で、男女数名に囲まれ、鞄から旅券等を抜き取られた。
セビリア
4月20日(水):スリ
正午頃、邦人女性旅行者が、大聖堂付近の路上で、気付かない間に鞄から財布を抜き取られた。
ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ
4月27日(水):ひったくり
午後2時半頃、邦人女性旅行者が、市内路上で、前方からバイクに乗って近づいてきた男に旅券等が入った鞄をひったくられた。
3月の邦人被害
マドリード
3月11日(金):スリ
午後6時頃、在留邦人男性が、地下鉄グスマン・エル・ブエノ駅での乗り換え時、気付かない間に鞄から財布をすられた。
3月13日(日):置き引き
午前2時頃、邦人男性旅行者が、チュエカ駅付近のバルで飲食中、気付かない間に足下に置いておいた旅券等が入った鞄を置き引きされた。
3月16日(水):置き引き
午後2時頃、邦人女性旅行者が、スペイン広場のカフェで食事中、気付かない間に置いておいた鞄から旅券や貴金属が入った小物入れを盗まれた。
3月18日(金):スリ
午後10時頃、邦人女性旅行者が、バラハス空港ターミナルビルから外に出てバスに乗るまでの間に、旅券をすられた。
3月18日(金):置き引き
午後10時半頃、邦人男性旅行者が、市内レストランで食事中、気付かない間に旅券等が入った鞄をとられた。
セビリア市内
3月16日(水):置き引き
午後3時半頃、邦人女性旅行者が、市内のカフェで飲食中、気付かない間に椅子の背もたれにかけておいた旅券等が入った鞄を置き引きされた。
2月の邦人被害
マドリード市内
2月1日(火):スリ
午後1時半頃、邦人女性旅行者が、バラハス空港から地下鉄に乗り、ソル駅に到着するまでの間に、鞄から旅券をすられた。
2月4日(金):ひったくり
午後9時半頃、邦人女性旅行者が、トレド通りにあるレストラン前路上でバスに乗ろうとした際、後ろから近づいてきた男に、たすき掛けにしていた鞄をひったくられそうになり抵抗したところ、男は取り出したナイフで鞄のベルトを切り、鞄を奪い取り走りさった。
2月8日(火):置き引き
午後4時頃、邦人女性旅行者が、レティーロ公園の芝生に寝転がっていた際、横に置いた旅券等が入った鞄から目を離した隙に置き引きされた。
2月10日(木):スリ
午前10時半頃、邦人女性旅行者が、地下鉄アントン・マルティン駅にてリュックが開いていることに気付き、中を確認したところ、旅券等が入ったポーチがなくなっていた。
2月11日(金):置き引き
午前7時半頃、邦人旅行者夫婦が、バラハス空港付近のホテル内レストランで食事中、席に旅券等が入った鞄を置き、席を外している間に置き引きされた。
2月12日(土):偽警官
午前11時頃、邦人男性旅行者が、ドクトル・エスケルド通りにあるホテルから出て歩いていたところ、後ろから近づいてきた車に乗っていた2人組の男に警察手帳のようなものを提示され、麻薬と偽札の検査と称して財布を見せるように言われて、応じたところ、気付かない間に現金500ユーロを抜き取られた。
2月14日(月):置き引き
午前11時半頃、邦人女性旅行者が、コルテス広場にあるカフェで食事中、足下に置いた荷物から目を離した隙に置き引きされた。
2月14日(月):置き引き
午後8時半頃、邦人女性旅行者が、フアン・ペレス通りにあるホテル内レストランで食事中、気付かない間に、椅子にかけていた旅券等が入った鞄を置き引きされた。
2月27日(日):スリ
午後2時頃、邦人男性旅行者が、ルチャーナ通りにあるレストランから通りに出た際、3人組の男と軽くぶつかった際に、ウエストポーチに入れていた旅券をすられた。
1月の邦人被害
マドリード市内
1月5日(木):スリ未遂
午後、在留邦人女性が、フエンカラル通り周辺で買い物中、気付かない間にショルダーバッグの側面後ろ部分を刃物で切断されたが、内容物は取られなかった。
1月13日(木):スリ
午前7時半頃、在留邦人女性が、地下鉄8番線ヌエボス・ミニステリオス駅で乗り換えした際に鞄から旅券等が入った財布をすられたことに気付いた。
1月13日(木):置き引き
午後19時45分頃、邦人女性旅行者が、カピタン・アヤ通りにあるレストランで食事中、隣の席に置いた荷物から目を離した隙に置き引きされた。
1月18日(火):偽警官
午後4時頃、邦人女性旅行者が、ショッピング・センター「ラス・ロサス・ビレッジ」で、警察官を名乗る男性(警察手帳のようなものを提示)に、荷物検査と称して鞄の中を見られ、財布から現金をすられた。
マラガ
1月18日(月):スリ
正午頃、在留邦人女性が、エステポナ・レアル通りの衣料品店内で、気付かない間に鞄を開けられ財布を盗まれた。
ビルバオ市内
1月21日(金):置き引き
午後7時半頃、邦人男性旅行者が市内ホテルのレセプションにて同僚と打ち合わせ中、隣に置いた荷物から目を離した隙に置き引きされた。
ムルシア市内
1月28日(金):置き引き
午後4時頃、邦人女性旅行者が市内レストランで食事中、隣の席に置いておいた旅券等が入った鞄から目を離した隙に置き引きされた。
2010年の邦人被害例2009年の邦人被害例2008年の邦人被害例2007年の邦人被害例2006年の邦人被害例2005年の邦人被害例
このページのトップへ戻る
安全の手引き(2011年版)
http://www.es.emb-japan.go.jp/download/anzennotebiki2011.pdf
4.邦人被害状況
2009年における在スペイン日本国大使館及び在バルセロナ総領事館が把握している邦人被害件数は509件であり、前年の457件と比べ若干減少していますが、邦人旅行者の増加に伴い、被害件数は中長期的には依然増加傾向にあります。
- 5 -
犯罪の内訳は、スリ及び置き引きによる被害が圧倒的に多く、全体の約75%を占めており、続いて首絞め強盗(特にマドリードで発生)、ひったくり等の強盗が約7%となっています。また、バルセロナ及びマドリードにおいて偽警官による事件が増加傾向にあり十分な注意が必要です(バルセロナでは昨年1年間で30件以上の発生が確認されています)。近年、特に被害の増加が顕著である犯罪は置き引き及びスリです。
また、一時期、「スペイン=危険」というイメージをもたらした首絞め強盗ですが、2010年においては14件(マドリード:12件、バルセロナ:2件)と、発生件数が非常に多かった2000年の353件と比べ、大幅に減少しています。これは、スペイン政府が、日本人観光客の被害者を減らすために非常に協力的に取り組んだ結果です。
当館におきましては、首絞め強盗が発生する度に発生状況等を警察に通報し、これに対し警察では、首絞め強盗が多発している場所の警備やパトロールを強化し、警察当局自らが作成した日本語の安全パンフレットを主要なホテルや駅、バスターミナルに置いて注意喚起を行っています。この他、マドリード市では夏のバカンスシーズンや年末年始には、外国人観光客のための移動交番を設置しています。また、外務省ホームページによって注意喚起し、あるいは日本の旅行業界や旅行出版会社のご理解・ご協力を得て、旅行ガイドブックには、スペインでの犯罪予防のためにかなりのページを割いて頂いた結果だと思います。
しかしながら、首絞め強盗の件数は、2009年の6件と比較すると倍増しており、今後とも十分な注意が必要です。
このように凶悪な犯罪は減少傾向にありますが、未だ年間500件以上の邦人被害が確認されています。中には被害者の不注意に起因すると思われる被害も多く見受けられます。被害に遭ってはせっかくの旅行が台無しになってしまいます。隙があれば襲われる可能性が高くなるという心構えを常に持ち、服装に気をつけ、人通りの少ない道を避け、団体行動を心掛けるようお願いいたします。特に被害の多い置き引きやスリへの対策としては、常に自分の荷物に注意を払うよう心掛けるとともに、自分の周囲にて気を引くようなことが起きた場合、まず持ち物をしっかりと確認することが肝要です。
また、具体的な邦人被害例につきましては、毎月、在スペイン日本国大使館ホームページ「治安情報」の中の「邦人被害例」に掲載していますので、ご参照ください。
◇ 2010年における事件別邦人被害件数(スペイン全土)
置き引き:スリ:250件、131件、ニセ警官:34件、ひったくり:23件、車上狙い:22件、首絞め強盗:14件、その他(侵入盗、詐欺等)35件、計:509件
2000年以降の被害件数の推移(括弧内は首絞め強盗の被害件数)
2010年:509件(14件)
2009年:457件(6件)
2008年:461件(10件)
- 6 -
2007年:545件(21件)
2006年:416件(31件)
2005年:392件(49件)
2004年:397件(67件)
2003年:429年(112件)
2002年:465件(149件)
2001年:587件(290件)
2000年:652件(353件)
(1)被害発生場所
(イ)マドリード
地下鉄車内及び駅構内(特に空港と市内を結ぶ8番線(ピンク色の路線))、スペイン広場、マヨール広場、プエルタ・デル・ソル、王宮、サンティアゴ・ベルナベウ・サッカー場付近、プラド美術館周辺、レイナ・ソフィア美術館周辺、グラン・ビア通り付近、空港、駅、バスターミナル、ホテル内ロビー及びレストラン等観光客の多く集まる場所において、スリや置き引きが多発しています。
また、グラン・ビア通りなどの大通りやラストロ(蚤の市)から一本外れた人通りの少ない道において、首絞め強盗やひったくりが発生しています。
昨今、ファーストフード店、洋服店、百貨店等、店内での接到事件が多発していますので、屋内であっても十分な注意が必要です。
また、市内各所の路上において私服警官を装った偽警官による詐欺事件の発生も確認されています。
(ロ)バルセロナ
サンツ駅及びカタルーニャ駅などの地下鉄駅構内及び車内、北バスターミナル、ランブラス通り、カタルーニャ広場周辺、プラット空港、ホテルロビー、サグラダファミリアやグエル公園等の観光地、カテドラルを中心としたゴシック地区、カンプ・ノウ・スタジアム周辺、モンジェイックの丘等外国人旅行者が多く集まる場所で被害(主にスリ及び置き引き)が多発しています。また、市内各所(前記観光地等の他、グエル別邸、ディアゴナル通り周辺、グエル公園、サン・パウ病院、フランサ駅等)において私服警官を装った偽警官による詐欺事件が発生しています。
(ハ)コルドバ
花の小道、メスキータ付近、ユダヤ人街等の観光地においてスリや置き引きが発生しています。
(ニ)グラナダ
サンニコラス教会付近、アルバイシン地区においてひったくりや首絞め強盗が発生しています。
(ホ)グラン・カナリア島
ラスパルマス港周辺全地域、サンタ・カタリーナ公園周辺、フェルナンド・グアナルテメ周辺、シウダ・アルタ周辺の商店街地域(ラス・チュンベーラス地区、
- 7 -
チャマン地区、ヒナマル地区)、サラテ地区、フェリア・デル・アトランティコ地区、島南部観光地(プラジャ・デル・イングレス)。
(ヘ)テネリフェ島
レイナ・ソフィア国際空港、ラス・アメリカス海岸周辺、ラス・テレシータス海岸、テイデ国立公園。
(2)被害発生時間帯
夜間の他、12時から18時までの時間帯に被害が多く発生しています。これは、この時間帯がスペインの昼食時にあたり、人通りが比較的少なくなるためと考えられます。なお、同時間帯における犯罪被害は228件、全体の約45%となっています。
(3)年代・性別
20代から30代の被害者が最も多く、全体の約57%を占めています。性別では、男性の被害者が若干多いものの、大きな差は見られません。
5.主要な犯罪
(1)スリ
駅のエスカレーター、地下鉄やバス内、観光名所、路上などにおいて、小銭等をばら撒き、又は話しかけたりして、歩行者の注意をそらし、ショルダーバッグやバッグ等から財布を抜き取る(グループが取り囲んで犯行に及ぶケースもあります)。また、地下鉄車内等で、腕にかけた上着等で鞄を覆って犯行に及ぶケースも多く確認されています。
対策:外出の際は、パスポートや多額の現金、カード類、航空券等の貴重品は極力持ち歩かないよう心掛ける。
なお、やむを得ず持ち歩く場合には、貴重品等を一か所にまとめず、小分けして分散して身に着けるなどの注意が必要。
周囲で注意を引くこと(前を歩いている人が小銭を落とす、突然話しかけられる等)が発生した場合は、まず、自分の手荷物に注意を払い、周囲に不振人物がいないか確認してください。
○目隠しスリ
犯人は、地下鉄などで新聞を読みながら近づき、その新聞で被害者のカバンやポケットを隠しながら財布などを盗む。
対策:不審人物が接近して来る場合には、直ちにその場を離れることを心掛ける。また、人込みですれ違う場合には、荷物に注意を払うよう心掛ける。
○エスカレータースリ
エスカレーター及び階段において、歩行者の前後を犯人が2~3人で取り囲み、前方の人物が、物を突然落として、落とした物を探し始める。歩行者が探すこと
- 8 -
を手伝っている隙に、他の仲間が、歩行者のカバンやポケットから財布などを盗む。
対策:犯人に取り囲まれそうになったら、直ちにその場を離れるようにする。犯人が物を落とした場合でも、手伝うことをせずに見過ごすよう心掛ける。
○ケチャップスリ
犯人がケチャップやマスタード等を意図的に歩行者の衣服に付けて、歩行者が指摘されるなどして気付き、自身で衣服の汚れを拭き取ろうとする際、犯人は拭き取る手伝いをすると見せかけて、歩行者のカバンやポケットから財布を盗む。
対策:衣服に汚れなどが付着していることを指摘されても、その場で衣服を脱いで汚れを拭き取ることをせず、また、親切に拭き取る手伝いをする人物がいても応じないことが肝要。
○物売りスリ
歩行者に花束や絵はがきを売りつける素振りで身体に押しつけている隙に、犯人はカバンやポケットから財布を盗む。
対策:商品を売りつけるような物売りに遭遇した場合には、直ちにその場を離れることを心掛ける。
○切り裂きスリ
カッターなどでバッグを切り裂いて、財布などを盗むもの。地下鉄車内で発生。
対策:カバンなどは肩に掛けずに抱えるように持ち、また、周囲の人物には接触しないよう心掛ける。
(2)置き引き
犯人は地下鉄駅構内、レストラン、ファーストフード店、ホテルのロビーやレストラン、空港、バスターミナル等において、小銭等を故意に落としたり、落とし物を拾うなどして話しかけ、被害者の注意をそらして、足下や隣の座席に置いてあるバッグ等を盗む。
対策:ビュッフェ形式の食事の際には、常に荷物を身に着けることを心掛ける。また、荷物を足下に置いたり、椅子に置く場合であっても、常に荷物に注意を払うよう心掛ける。特に自分の周りで気を引くようなことが起きたら、まず持ち物をしっかりと確認する。
(3)ひったくり
犯人は裏通りや物陰を利用して待ち伏せし、通りかかった人のショルダーバックなどを奪い取る。前方の路上で待機する仲間とバイクで逃走することもある。
対策:道を歩くときは車道側を避け、荷物は車道側の手に持たず、しっかりと身体の前方におく。
- 9 -
(4)首絞め強盗
犯人は人通りの少ない路上や、オスタル(安価で宿泊できるホテル)の入口において、背後から突然首を絞めて、被害者が気絶している隙に、所持品を盗む。薬品のような物を嗅がせ、昏睡状態に陥っている間に犯行に及ぶ例もある。
対策:被害は、特に土日及び祝日の14時~16時の昼食時間帯に多発しています。昼食時間帯に人通りの少ない道を歩く際は、常に周囲に注意を払って行動し、不審者の存在を確認した場合には、直ちに、近くの商店などに避難して、回避に努めるよう心掛ける。
(5)睡眠薬強盗
見知らぬ男が親しげに近寄ってきて、被害者に「昼食を一緒にしよう」と持ちかけ、睡眠薬入りの食べ物(パンや鶏肉など)を提供し、被害者が気絶している間に所持品を盗む。
対策:見知らぬ人物から勧められた食べ物、飲み物は、絶対に口にしないようにする。
(6)偽警官
警察を名乗る私服の男数人が、警察手帳らしき物を見せて信用させた上で、所持品検査と偽り、財布などを取り上げ、財布からお金やクレジットカードを抜き取る。
(これまでに確認されている事例では、全て偽私服警官によるもので、偽制服警官によるものは報告されていません。)
対策:最寄りの警察署等に行き、制服警察官の立会いを求める。また、クレジットカードの暗証番号を尋ねられても、絶対に教えないことが大切(以下、「偽警官の主な特徴」を参照)。
なお、ブランド店が並ぶマドリード市内のセラーノ通りでは、詐欺事件の防犯の観点から、また、空港や駅では密入国者摘発等のため私服警官が巡回しています。これらの場所では、日本人旅行者が私服警官を偽警官と思いこみ、公務執行妨害の容疑で一時拘束されるケースも起きていますので、職務質問をされた場合には、偽警官か否かを見分けることも重要です(偽警官と思しき人物の特徴や、その車両ナンバーをメモするなどして、直ちに警察に通報されることも良いでしょう)。
<偽警官の主な特徴>
○警察手帳らしき偽物の手帳やバッジを一瞬しか見せない。
○財布の提示を要求する(※警察官からパスポートの提示を求められることはありますが、財布の提示を求められることはありません)。
○インド系、東欧系或いはパキスタン系と思しき人物で、スペイン語が流暢ではなく、英語で話し掛けてくる場合もある。
- 10 -
(7)宝くじ当選を装う詐欺事件
スペインを始め、ヨーロッパ等から「貴殿は(架空の)主催の宝くじに当選しました。賞金を受け取るためには○○○宛に保証金、手数料として所定の前金を支払う必要があります。」旨の内容が、手紙、FAX、電子メールなどで送付され、受領者がその指示通りの金額を送金しても、賞金に関する連絡が無く、そこで騙されたことに気づくというもの。
対策:本人が応募もしていないのに宝くじの当選通知が来るということ自体不自然であり、上記連絡があっても、詐欺の可能性を考慮し、安易に信用して送金しないよう心掛ける。
(8)その他
○物乞い盗
数人の子供が物乞いする振りをして近づいてきて被害者の注意をそらし、テーブルの上の携帯電話や椅子の背もたれにかけたカバンなどを盗む。
対策:物乞いを相手にせずに、直ちに放置してある所持品を持つことを心掛ける。
○車の窓ふき盗
信号で止まった車の窓を拭いてチップを要求し、運転者の気をそらしている隙に、ドアを開けて車内に放置してある物を盗む。又は運転者が窓を開けた際に車内の物を盗む。
対策:「窓拭きの必要はない」ことを示し、相手にしないようにする(窓やドアを開けないようにする)。
○パンク盗
高速道路などで、タイヤがパンクしていることを指摘し、車両を停止させる。タイヤの確認や、修理をしている隙に、車内の物や、車両自体を盗む。
対策:「タイヤがパンクしている」と指摘されても、その場で停止して確認や修理を行うことをせず、取り敢えず安全な場所まで走行させる。確認や修理のために車外に出る時には、必ずドアロックをするよう心掛ける。
Embajada del Japon en Espanya
http://www.es.emb-japan.go.jp/japones/index.htm
安全情報
·治安関連情報
安全情報·
治安関連情報
2011年07月19日発表 過去1ヶ月間の主要な邦人被害例を更新しました。
http://www.es.emb-japan.go.jp/japones/anzen_kako_2011.htm
過去1ヶ月間の主要な邦人被害例 (2011年)...水平線
1月の主要な邦人被害例
地域名
日付
被害内容
日付
被害内容
日付
被害内容
-->
6月の邦人被害
当館及び在ラスパルマス駐管轄区域内で確認された6月の邦人被害は次のとおりです。類似の被害に遭わないよう、引き続き十分な注意をお願いいたします。
マドリード
6月8日(水):スリ
午前11時頃、邦人女性旅行者が、地下鉄オペラ駅からソル駅に移動中、気付かない間に鞄から旅券を抜き取られた。
6月15日(木):スリ
午後8時半頃、邦人男性旅行者が、アトーチャ通りのレストラン前でメニューを見ている間に、ショルダーバッグから旅券等が入った財布を抜き取られた。
6月29日(水):スリ
午後2時頃、邦人男性旅行者が、マジョール広場とソル広場の間の路上で、気付かない間にショルダーバッグのファスナを開けられ、財布を抜き取られた。
6月30日(木):スリ
午前11時頃、邦人女性旅行者が、マジョール通りを歩行中、気付かない間に鞄から財布を抜き取られた。
セビリア
6月18日(土):スリ
午後12時半頃、邦人男性旅行者が、大聖堂内で、気付かない間に、上着のポケットから現金等を抜き取られた。
6月22日(水):スリ
午後2時頃、邦人女性旅行者が、服飾店店内で、気付かない間に鞄のファスナーを開けられ、旅券等が入った財布を抜き取られた。
ビルバオ
6月18日(土):スリ
午後10時半頃、邦人男性旅行者が、市内バルで飲食中、気付かない間に上着の内ポケットから旅券を抜き取られた。
5月の邦人被害
マドリード
5月6日(金):スリ
午後8時頃、邦人男性旅行者が、気付かないうちにバックパックから旅券等が入った貴重品袋を抜き取られた。
5月19日(木):スリ
午後4時頃、邦人男性旅行者が、地下鉄5号線車内で、気付かないうちにズボンの前ポケットから旅券等を抜き取られた。
5月27日(金):首絞め強盗
午後5時45分頃、在留邦人女性が、リベラ・デ・クルティドーレス通りを地下鉄アカシアス駅に向かって歩いていたところ、突然後ろから首を絞められ、気を失っている間に、財布やカメラ等が入ったショルダーバッグ及び手提げ鞄を盗まれた。
セビリア
5月5日(木):スリ
午後10時半頃、邦人男性旅行者が、人通りが多い通りを歩行中、気付かないうちにショルダーバッグのチャックを開けられ、中から旅券を抜き取られた。
4月の邦人被害
マドリード
4月5日(火):置き引き
午後9時頃、在留邦人男性が、セラーノ通りにあるレストランのテラスにおいて複数名で食事中、足下に置いていた財布等が入った鞄を置き引きされた。
4月6日(水):置き引き
午前8時半頃、邦人男性旅行者が、地下鉄サン・ベルナルド駅付近のホテル前で喫煙中、傍に置いていた旅券等が入った鞄を置き引きされた。
4月12日(火):置き引き
午前7時半頃、邦人女性旅行者が、バラハス空港付近のホテル内レストランで朝食中、席を離れている間に、置いておいた鞄を置き引きされた。
4月28日(木):スリ
午後1時頃、邦人男性旅行者が、デポット神殿付近の路上で、身体障害者のための募金を募る振りをして近づいてきた3人組の女に、身分証明書を提示することを求められ、応じている間に財布から旅券等を抜き取られた。
4月28日(木):置き引き
午後2時頃、邦人男性旅行者が、バラハス空港第2ターミナル出国ゲート付近でメールを打っている間に、横に置いておいたポケットに旅券等が入ったジャケットを盗まれた。
4月29日(金):スリ
午後10時頃、邦人男性旅行者が、地下鉄ソル駅とサン・ベルナルド駅間の車内で、男女数名に囲まれ、鞄から旅券等を抜き取られた。
セビリア
4月20日(水):スリ
正午頃、邦人女性旅行者が、大聖堂付近の路上で、気付かない間に鞄から財布を抜き取られた。
ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ
4月27日(水):ひったくり
午後2時半頃、邦人女性旅行者が、市内路上で、前方からバイクに乗って近づいてきた男に旅券等が入った鞄をひったくられた。
3月の邦人被害
マドリード
3月11日(金):スリ
午後6時頃、在留邦人男性が、地下鉄グスマン・エル・ブエノ駅での乗り換え時、気付かない間に鞄から財布をすられた。
3月13日(日):置き引き
午前2時頃、邦人男性旅行者が、チュエカ駅付近のバルで飲食中、気付かない間に足下に置いておいた旅券等が入った鞄を置き引きされた。
3月16日(水):置き引き
午後2時頃、邦人女性旅行者が、スペイン広場のカフェで食事中、気付かない間に置いておいた鞄から旅券や貴金属が入った小物入れを盗まれた。
3月18日(金):スリ
午後10時頃、邦人女性旅行者が、バラハス空港ターミナルビルから外に出てバスに乗るまでの間に、旅券をすられた。
3月18日(金):置き引き
午後10時半頃、邦人男性旅行者が、市内レストランで食事中、気付かない間に旅券等が入った鞄をとられた。
セビリア市内
3月16日(水):置き引き
午後3時半頃、邦人女性旅行者が、市内のカフェで飲食中、気付かない間に椅子の背もたれにかけておいた旅券等が入った鞄を置き引きされた。
2月の邦人被害
マドリード市内
2月1日(火):スリ
午後1時半頃、邦人女性旅行者が、バラハス空港から地下鉄に乗り、ソル駅に到着するまでの間に、鞄から旅券をすられた。
2月4日(金):ひったくり
午後9時半頃、邦人女性旅行者が、トレド通りにあるレストラン前路上でバスに乗ろうとした際、後ろから近づいてきた男に、たすき掛けにしていた鞄をひったくられそうになり抵抗したところ、男は取り出したナイフで鞄のベルトを切り、鞄を奪い取り走りさった。
2月8日(火):置き引き
午後4時頃、邦人女性旅行者が、レティーロ公園の芝生に寝転がっていた際、横に置いた旅券等が入った鞄から目を離した隙に置き引きされた。
2月10日(木):スリ
午前10時半頃、邦人女性旅行者が、地下鉄アントン・マルティン駅にてリュックが開いていることに気付き、中を確認したところ、旅券等が入ったポーチがなくなっていた。
2月11日(金):置き引き
午前7時半頃、邦人旅行者夫婦が、バラハス空港付近のホテル内レストランで食事中、席に旅券等が入った鞄を置き、席を外している間に置き引きされた。
2月12日(土):偽警官
午前11時頃、邦人男性旅行者が、ドクトル・エスケルド通りにあるホテルから出て歩いていたところ、後ろから近づいてきた車に乗っていた2人組の男に警察手帳のようなものを提示され、麻薬と偽札の検査と称して財布を見せるように言われて、応じたところ、気付かない間に現金500ユーロを抜き取られた。
2月14日(月):置き引き
午前11時半頃、邦人女性旅行者が、コルテス広場にあるカフェで食事中、足下に置いた荷物から目を離した隙に置き引きされた。
2月14日(月):置き引き
午後8時半頃、邦人女性旅行者が、フアン・ペレス通りにあるホテル内レストランで食事中、気付かない間に、椅子にかけていた旅券等が入った鞄を置き引きされた。
2月27日(日):スリ
午後2時頃、邦人男性旅行者が、ルチャーナ通りにあるレストランから通りに出た際、3人組の男と軽くぶつかった際に、ウエストポーチに入れていた旅券をすられた。
1月の邦人被害
マドリード市内
1月5日(木):スリ未遂
午後、在留邦人女性が、フエンカラル通り周辺で買い物中、気付かない間にショルダーバッグの側面後ろ部分を刃物で切断されたが、内容物は取られなかった。
1月13日(木):スリ
午前7時半頃、在留邦人女性が、地下鉄8番線ヌエボス・ミニステリオス駅で乗り換えした際に鞄から旅券等が入った財布をすられたことに気付いた。
1月13日(木):置き引き
午後19時45分頃、邦人女性旅行者が、カピタン・アヤ通りにあるレストランで食事中、隣の席に置いた荷物から目を離した隙に置き引きされた。
1月18日(火):偽警官
午後4時頃、邦人女性旅行者が、ショッピング・センター「ラス・ロサス・ビレッジ」で、警察官を名乗る男性(警察手帳のようなものを提示)に、荷物検査と称して鞄の中を見られ、財布から現金をすられた。
マラガ
1月18日(月):スリ
正午頃、在留邦人女性が、エステポナ・レアル通りの衣料品店内で、気付かない間に鞄を開けられ財布を盗まれた。
ビルバオ市内
1月21日(金):置き引き
午後7時半頃、邦人男性旅行者が市内ホテルのレセプションにて同僚と打ち合わせ中、隣に置いた荷物から目を離した隙に置き引きされた。
ムルシア市内
1月28日(金):置き引き
午後4時頃、邦人女性旅行者が市内レストランで食事中、隣の席に置いておいた旅券等が入った鞄から目を離した隙に置き引きされた。
2010年の邦人被害例2009年の邦人被害例2008年の邦人被害例2007年の邦人被害例2006年の邦人被害例2005年の邦人被害例
このページのトップへ戻る
安全の手引き(2011年版)
http://www.es.emb-japan.go.jp/download/anzennotebiki2011.pdf
4.邦人被害状況
2009年における在スペイン日本国大使館及び在バルセロナ総領事館が把握している邦人被害件数は509件であり、前年の457件と比べ若干減少していますが、邦人旅行者の増加に伴い、被害件数は中長期的には依然増加傾向にあります。
- 5 -
犯罪の内訳は、スリ及び置き引きによる被害が圧倒的に多く、全体の約75%を占めており、続いて首絞め強盗(特にマドリードで発生)、ひったくり等の強盗が約7%となっています。また、バルセロナ及びマドリードにおいて偽警官による事件が増加傾向にあり十分な注意が必要です(バルセロナでは昨年1年間で30件以上の発生が確認されています)。近年、特に被害の増加が顕著である犯罪は置き引き及びスリです。
また、一時期、「スペイン=危険」というイメージをもたらした首絞め強盗ですが、2010年においては14件(マドリード:12件、バルセロナ:2件)と、発生件数が非常に多かった2000年の353件と比べ、大幅に減少しています。これは、スペイン政府が、日本人観光客の被害者を減らすために非常に協力的に取り組んだ結果です。
当館におきましては、首絞め強盗が発生する度に発生状況等を警察に通報し、これに対し警察では、首絞め強盗が多発している場所の警備やパトロールを強化し、警察当局自らが作成した日本語の安全パンフレットを主要なホテルや駅、バスターミナルに置いて注意喚起を行っています。この他、マドリード市では夏のバカンスシーズンや年末年始には、外国人観光客のための移動交番を設置しています。また、外務省ホームページによって注意喚起し、あるいは日本の旅行業界や旅行出版会社のご理解・ご協力を得て、旅行ガイドブックには、スペインでの犯罪予防のためにかなりのページを割いて頂いた結果だと思います。
しかしながら、首絞め強盗の件数は、2009年の6件と比較すると倍増しており、今後とも十分な注意が必要です。
このように凶悪な犯罪は減少傾向にありますが、未だ年間500件以上の邦人被害が確認されています。中には被害者の不注意に起因すると思われる被害も多く見受けられます。被害に遭ってはせっかくの旅行が台無しになってしまいます。隙があれば襲われる可能性が高くなるという心構えを常に持ち、服装に気をつけ、人通りの少ない道を避け、団体行動を心掛けるようお願いいたします。特に被害の多い置き引きやスリへの対策としては、常に自分の荷物に注意を払うよう心掛けるとともに、自分の周囲にて気を引くようなことが起きた場合、まず持ち物をしっかりと確認することが肝要です。
また、具体的な邦人被害例につきましては、毎月、在スペイン日本国大使館ホームページ「治安情報」の中の「邦人被害例」に掲載していますので、ご参照ください。
◇ 2010年における事件別邦人被害件数(スペイン全土)
置き引き:スリ:250件、131件、ニセ警官:34件、ひったくり:23件、車上狙い:22件、首絞め強盗:14件、その他(侵入盗、詐欺等)35件、計:509件
2000年以降の被害件数の推移(括弧内は首絞め強盗の被害件数)
2010年:509件(14件)
2009年:457件(6件)
2008年:461件(10件)
- 6 -
2007年:545件(21件)
2006年:416件(31件)
2005年:392件(49件)
2004年:397件(67件)
2003年:429年(112件)
2002年:465件(149件)
2001年:587件(290件)
2000年:652件(353件)
(1)被害発生場所
(イ)マドリード
地下鉄車内及び駅構内(特に空港と市内を結ぶ8番線(ピンク色の路線))、スペイン広場、マヨール広場、プエルタ・デル・ソル、王宮、サンティアゴ・ベルナベウ・サッカー場付近、プラド美術館周辺、レイナ・ソフィア美術館周辺、グラン・ビア通り付近、空港、駅、バスターミナル、ホテル内ロビー及びレストラン等観光客の多く集まる場所において、スリや置き引きが多発しています。
また、グラン・ビア通りなどの大通りやラストロ(蚤の市)から一本外れた人通りの少ない道において、首絞め強盗やひったくりが発生しています。
昨今、ファーストフード店、洋服店、百貨店等、店内での接到事件が多発していますので、屋内であっても十分な注意が必要です。
また、市内各所の路上において私服警官を装った偽警官による詐欺事件の発生も確認されています。
(ロ)バルセロナ
サンツ駅及びカタルーニャ駅などの地下鉄駅構内及び車内、北バスターミナル、ランブラス通り、カタルーニャ広場周辺、プラット空港、ホテルロビー、サグラダファミリアやグエル公園等の観光地、カテドラルを中心としたゴシック地区、カンプ・ノウ・スタジアム周辺、モンジェイックの丘等外国人旅行者が多く集まる場所で被害(主にスリ及び置き引き)が多発しています。また、市内各所(前記観光地等の他、グエル別邸、ディアゴナル通り周辺、グエル公園、サン・パウ病院、フランサ駅等)において私服警官を装った偽警官による詐欺事件が発生しています。
(ハ)コルドバ
花の小道、メスキータ付近、ユダヤ人街等の観光地においてスリや置き引きが発生しています。
(ニ)グラナダ
サンニコラス教会付近、アルバイシン地区においてひったくりや首絞め強盗が発生しています。
(ホ)グラン・カナリア島
ラスパルマス港周辺全地域、サンタ・カタリーナ公園周辺、フェルナンド・グアナルテメ周辺、シウダ・アルタ周辺の商店街地域(ラス・チュンベーラス地区、
- 7 -
チャマン地区、ヒナマル地区)、サラテ地区、フェリア・デル・アトランティコ地区、島南部観光地(プラジャ・デル・イングレス)。
(ヘ)テネリフェ島
レイナ・ソフィア国際空港、ラス・アメリカス海岸周辺、ラス・テレシータス海岸、テイデ国立公園。
(2)被害発生時間帯
夜間の他、12時から18時までの時間帯に被害が多く発生しています。これは、この時間帯がスペインの昼食時にあたり、人通りが比較的少なくなるためと考えられます。なお、同時間帯における犯罪被害は228件、全体の約45%となっています。
(3)年代・性別
20代から30代の被害者が最も多く、全体の約57%を占めています。性別では、男性の被害者が若干多いものの、大きな差は見られません。
5.主要な犯罪
(1)スリ
駅のエスカレーター、地下鉄やバス内、観光名所、路上などにおいて、小銭等をばら撒き、又は話しかけたりして、歩行者の注意をそらし、ショルダーバッグやバッグ等から財布を抜き取る(グループが取り囲んで犯行に及ぶケースもあります)。また、地下鉄車内等で、腕にかけた上着等で鞄を覆って犯行に及ぶケースも多く確認されています。
対策:外出の際は、パスポートや多額の現金、カード類、航空券等の貴重品は極力持ち歩かないよう心掛ける。
なお、やむを得ず持ち歩く場合には、貴重品等を一か所にまとめず、小分けして分散して身に着けるなどの注意が必要。
周囲で注意を引くこと(前を歩いている人が小銭を落とす、突然話しかけられる等)が発生した場合は、まず、自分の手荷物に注意を払い、周囲に不振人物がいないか確認してください。
○目隠しスリ
犯人は、地下鉄などで新聞を読みながら近づき、その新聞で被害者のカバンやポケットを隠しながら財布などを盗む。
対策:不審人物が接近して来る場合には、直ちにその場を離れることを心掛ける。また、人込みですれ違う場合には、荷物に注意を払うよう心掛ける。
○エスカレータースリ
エスカレーター及び階段において、歩行者の前後を犯人が2~3人で取り囲み、前方の人物が、物を突然落として、落とした物を探し始める。歩行者が探すこと
- 8 -
を手伝っている隙に、他の仲間が、歩行者のカバンやポケットから財布などを盗む。
対策:犯人に取り囲まれそうになったら、直ちにその場を離れるようにする。犯人が物を落とした場合でも、手伝うことをせずに見過ごすよう心掛ける。
○ケチャップスリ
犯人がケチャップやマスタード等を意図的に歩行者の衣服に付けて、歩行者が指摘されるなどして気付き、自身で衣服の汚れを拭き取ろうとする際、犯人は拭き取る手伝いをすると見せかけて、歩行者のカバンやポケットから財布を盗む。
対策:衣服に汚れなどが付着していることを指摘されても、その場で衣服を脱いで汚れを拭き取ることをせず、また、親切に拭き取る手伝いをする人物がいても応じないことが肝要。
○物売りスリ
歩行者に花束や絵はがきを売りつける素振りで身体に押しつけている隙に、犯人はカバンやポケットから財布を盗む。
対策:商品を売りつけるような物売りに遭遇した場合には、直ちにその場を離れることを心掛ける。
○切り裂きスリ
カッターなどでバッグを切り裂いて、財布などを盗むもの。地下鉄車内で発生。
対策:カバンなどは肩に掛けずに抱えるように持ち、また、周囲の人物には接触しないよう心掛ける。
(2)置き引き
犯人は地下鉄駅構内、レストラン、ファーストフード店、ホテルのロビーやレストラン、空港、バスターミナル等において、小銭等を故意に落としたり、落とし物を拾うなどして話しかけ、被害者の注意をそらして、足下や隣の座席に置いてあるバッグ等を盗む。
対策:ビュッフェ形式の食事の際には、常に荷物を身に着けることを心掛ける。また、荷物を足下に置いたり、椅子に置く場合であっても、常に荷物に注意を払うよう心掛ける。特に自分の周りで気を引くようなことが起きたら、まず持ち物をしっかりと確認する。
(3)ひったくり
犯人は裏通りや物陰を利用して待ち伏せし、通りかかった人のショルダーバックなどを奪い取る。前方の路上で待機する仲間とバイクで逃走することもある。
対策:道を歩くときは車道側を避け、荷物は車道側の手に持たず、しっかりと身体の前方におく。
- 9 -
(4)首絞め強盗
犯人は人通りの少ない路上や、オスタル(安価で宿泊できるホテル)の入口において、背後から突然首を絞めて、被害者が気絶している隙に、所持品を盗む。薬品のような物を嗅がせ、昏睡状態に陥っている間に犯行に及ぶ例もある。
対策:被害は、特に土日及び祝日の14時~16時の昼食時間帯に多発しています。昼食時間帯に人通りの少ない道を歩く際は、常に周囲に注意を払って行動し、不審者の存在を確認した場合には、直ちに、近くの商店などに避難して、回避に努めるよう心掛ける。
(5)睡眠薬強盗
見知らぬ男が親しげに近寄ってきて、被害者に「昼食を一緒にしよう」と持ちかけ、睡眠薬入りの食べ物(パンや鶏肉など)を提供し、被害者が気絶している間に所持品を盗む。
対策:見知らぬ人物から勧められた食べ物、飲み物は、絶対に口にしないようにする。
(6)偽警官
警察を名乗る私服の男数人が、警察手帳らしき物を見せて信用させた上で、所持品検査と偽り、財布などを取り上げ、財布からお金やクレジットカードを抜き取る。
(これまでに確認されている事例では、全て偽私服警官によるもので、偽制服警官によるものは報告されていません。)
対策:最寄りの警察署等に行き、制服警察官の立会いを求める。また、クレジットカードの暗証番号を尋ねられても、絶対に教えないことが大切(以下、「偽警官の主な特徴」を参照)。
なお、ブランド店が並ぶマドリード市内のセラーノ通りでは、詐欺事件の防犯の観点から、また、空港や駅では密入国者摘発等のため私服警官が巡回しています。これらの場所では、日本人旅行者が私服警官を偽警官と思いこみ、公務執行妨害の容疑で一時拘束されるケースも起きていますので、職務質問をされた場合には、偽警官か否かを見分けることも重要です(偽警官と思しき人物の特徴や、その車両ナンバーをメモするなどして、直ちに警察に通報されることも良いでしょう)。
<偽警官の主な特徴>
○警察手帳らしき偽物の手帳やバッジを一瞬しか見せない。
○財布の提示を要求する(※警察官からパスポートの提示を求められることはありますが、財布の提示を求められることはありません)。
○インド系、東欧系或いはパキスタン系と思しき人物で、スペイン語が流暢ではなく、英語で話し掛けてくる場合もある。
- 10 -
(7)宝くじ当選を装う詐欺事件
スペインを始め、ヨーロッパ等から「貴殿は(架空の)主催の宝くじに当選しました。賞金を受け取るためには○○○宛に保証金、手数料として所定の前金を支払う必要があります。」旨の内容が、手紙、FAX、電子メールなどで送付され、受領者がその指示通りの金額を送金しても、賞金に関する連絡が無く、そこで騙されたことに気づくというもの。
対策:本人が応募もしていないのに宝くじの当選通知が来るということ自体不自然であり、上記連絡があっても、詐欺の可能性を考慮し、安易に信用して送金しないよう心掛ける。
(8)その他
○物乞い盗
数人の子供が物乞いする振りをして近づいてきて被害者の注意をそらし、テーブルの上の携帯電話や椅子の背もたれにかけたカバンなどを盗む。
対策:物乞いを相手にせずに、直ちに放置してある所持品を持つことを心掛ける。
○車の窓ふき盗
信号で止まった車の窓を拭いてチップを要求し、運転者の気をそらしている隙に、ドアを開けて車内に放置してある物を盗む。又は運転者が窓を開けた際に車内の物を盗む。
対策:「窓拭きの必要はない」ことを示し、相手にしないようにする(窓やドアを開けないようにする)。
○パンク盗
高速道路などで、タイヤがパンクしていることを指摘し、車両を停止させる。タイヤの確認や、修理をしている隙に、車内の物や、車両自体を盗む。
対策:「タイヤがパンクしている」と指摘されても、その場で停止して確認や修理を行うことをせず、取り敢えず安全な場所まで走行させる。確認や修理のために車外に出る時には、必ずドアロックをするよう心掛ける。
2011年07月19日火曜日にTARRAGONA県のLA=RIBAまち付近で森林火災が発生し、300HAを焼失し、一時高速鉄道(AVE)を含む鉄道と道路が遮断された、現在は鉄道運転は再開
2011年07月19日火曜日にTARRAGONA県のLA=RIBAまち付近で森林火災が発生し、300HAを焼失し、一時高速鉄道(AVE)を含む鉄道と道路が遮断された、現在は鉄道運転は再開
2011年07月20日水曜日09:40 晴れ 最低気温;15ー16ºC 最高気温;5ー26ºC BARCELONA県から
2011年07月19日火曜日の14:00頃に TARRAGONA県のLA RIBA街あたりで森林火災が発生して、やく300HAを焼失して、一時 LLEIDA駅と EL CAMP DE TARRAGONA駅の間で不通になっていた高速鉄道(AVE)や、MONTBLANC駅とLA PLANA駅の間の普通鉄道の運転を再開した。
El incendio de La Riba esta ya en fase de control
> Unos 300 bomberos siguen trabajando en la zona, donde ya se han quemado 410 hectares de vegetacion.
> El servicio del AVE entre Barcelona, Lleida y Tarragona vuelve a funcionar con normalidad.
el Periodeico.com Miercoles, 20 de julio del 2011
http://www.elperiodico.com/es/noticias/sociedad/incendio-riba-esta-controlado-1086426
ON THE ALERT INFOCAT The fire in La Riba is already under controlUnos 300 firefighters are working in the area, which already has burned 410 hectares of vegetation The AVE service between Barcelona, Lleida and Tarragona back to normal Wednesday, July 20, 2011 - 9:37 pm AGENCIES / La Riba Votes: +0 -0 Comments (1) The fire on Tuesday affected the municipality of La Riba (Alt Camp) has entered the early hours of Wednesday in control phase, as reported by the Fire Department of the Generalitat, however, have warned that the fire is not can still fully controlled because there are still hot spots. Yes it has ensured that the perimeter of the fire will not go. Civil Protection has been disabled and the contingency plan for chemical risk, the Plaseqcat after considering that there is no danger to the neighboring municipality of industry Alcover. Still active alert phase in the emergency plan for forest fires, Infocat. Fire in the municipality of La Riba (Alt Camp) ACN About 80 crews with 300 ground troops are still working to extinguish the fire and cool the area. This morning has been added to the 5 / 2 fire-fighting aircraft. Firefighters estimate that burned about 410 hectares of vegetation, of which about 240 belong to the mountains of Prades. In communes, the flames have burned 275.77 hectares of La Riba, 134.04 Alcover and 0.32 Valls. After being off the alert chemistry, pre-emptively evicted Tuesday from the industrial estate have been able to resume his Alcover normal activity. Specifically these are the employees of companies Alcover Química SA and Newhart and two bins Picamoixons. About 15 people in the urbanization Mas Gasol spent the night in houses of their relatives, and 15 others have done in the hotel Alcover. Thus, the flag of Alcover the council had not qualified to do one eventually stayed. Evacuees in shelters and Els Els Almogàvers Massets have spent the night in Farena. Transport affected About 08.38 hours, Renfe has restored the movement of trains between Barcelona AVE, Tarragona and Lleida, after receiving authorization from Civil Protection. The high-speed line was disrupted on Tuesday due to fire. Now the trains circulate normally, although in the early hours of Wednesday, Renfe has offered travelers an alternative service road. On Tuesday, the incidence affected about 5,000 users AVE. With regard to conventional train service between Montblanc i la Plana, this is interrupted between the flat, Reus, after restored circulation between Montblanc and La Plana. Trains on the line R-13 circulating normally, while the services of the R-14 circulate deflected by Valls. Travelers from the section La Plana-Reus and Tarragona will be transferred by road. As for road traffic, roads are cut three Montblanc, La Riba Picamoixons. The routes affected are the C-14 on the stretch of Alcover a Montblanc in both directions of travel, the TV-7044 Road, Riba Tarragona in both directions, and the T-743 road from Picamoixons Riba also in both directions of travel.
La Vangurdia.com
El AVE Barcelona-Madrid emprede el servicio de este miercoles por carretera
· Proteccion Civil mantiene el corte aunque los Bomberos han conseguido que se ewstablezca parte de la linea
La Vangurdia.com Vida 20/07/2011
http://www.lavanguardia.com/vida/20110720/54188809137/el-ave-barcelona-madrid-emprende-el-servicio-de-este-miercoles-por-carretera.html
From 05:50 am ET to begin serving AVE Barcelona-Madrid, Renfe provides the service road from Barcelona to Lleida by the fire that ignites from Tuesday in La Riba (Tarragona) and has forced to interrupt the high-speed rail service.According to sources Renfe until 08:30, Civil Protection had not yet communicated to Adif permission to restore the service despite the fact that firefighters working to extinguish the fire would have restored the circulation of the AVE between between Lleida and Camp Tarragona, as well as conventional line service between Montblanc and La Plana.According to Renfe, the programmed device has 130 buses, which is 6500 seats to transport the affected passengers, and travelers are offered three choices: change their ticket to another date, return the full amount or use alternative transportation plan provided by the operator. Also, Renfe has ordered a device supplies to travelers.During the day yesterday, some 5,000 travelers were affected by this issue
El incendio de La Riba, en fase de control
· Cerca de 90 dotaciones de Bomberos han trabajando durante toda la noche para acortar la zona de peligro.
· Se ha restablecido la circulacion de AVE.
La Vangurdia.com Sucesos : 20/07/2011
http://www.lavanguardia.com/sucesos/20110720/54188797010/el-incendio-de-la-riba-en-fase-de-control.html
The fire in La Riba, phase control About 90 fire crews have worked overnight to limit the danger zone circulation was reset AVE Events 20/07/2011 - 07:43 h 0 Comments 1088 views Notify errorTengo more amigoImprimirReducir informationSend a body of letter body letraAmpliar 0 MORE Puig called "work hard" tonight to control the fire Big lines at the Lleida railway station to board the buses The fire burns La Riba uncontrollably burning 300 acres The Barcelona-Madrid AVE is the alternative road service Tarragona. (EP) .- The fire has burned over 300 hectares of vegetation in La Riba (Tarragona) is under control, as reported by the Fire Department of the Generalitat. About 90 fire crews have worked overnight to limit the fire area. The heat vacate two warehouses of a bin Picamoixons the company and developments Newhart and More Gassons Vermelles Roques, plus about 75 people from two holiday homes. The Civil Protection Directorate General (DGPC) of the Generalitat off at 0710 hours, the alert phase of Plaseqcat (Pla d'Emergències Exterior Chemical Sector of Catalonia), since the forest fire is in La Riba control stage and Alcover Química SA company is secure. Firefighters have been restored yesterday AVE circulation was stopped indefinitely between between Lleida and Tarragona Camp and service the conventional line between Montblanc and La Plana, so it launched an alternative transportation service . The fire, which was the first warning at 14.03 am on Tuesday, began at kilometer 2.5 of the TV-7044 Road, and has also forced to cut this route and C-14 between Alcover and Vilaverd .
La Vangurdia.comç
Puig llama a "trabajar intensamente" esta noche para controlar el incendio
· Existe preocupacion ante la prevision de que los vientos soplaran fuerte esta noche
19/07/2011
http://www.lavanguardia.com/20110719/54188727479/puig-llama-a-trabajar-intensamente-esta-noche-para-controlar-el-incendio.html
Puig called "work hard" tonight to control the fire There is concern about the expectation that strong winds tonight 19/07/2011 - 23:17 h 0 Comments 168 views Notify errorTengo more amigoImprimirReducir informationSend a body of letter body letraAmpliar 0 Tarragona. (Europa Press) .- The Minister of Interior of the Generalitat, Felip Puig, has called for "working hard with effort" over-night in the fire that has burned more than 300 hectares of vegetation in La Riba ( Tarragona), with the expectation that the winds still blowing hard over night. In attention to the media in the area, the Minister has asked to take precautions so that the fire "not exceed" the areas enclosed by the nearly 90 land crews working in the area, with the aim of limiting the fire and work in their complete extinction. Puig has been throughout the day on the phone with the Department's headquarters in Barcelona, where he met the 19 hours from the Monitoring Committee Infocat Pla risk, which has been representing Fire, Autonomous' Police, Rural Agents, Red Cross, Civil Protection, Meteocat and Renfe. The minister has moved to the fire area after opening the new firehouse Calaf (Barcelona), an installation from which have left also six effective firefighting La Riba, and has received an investment 2.5 million euros by the Generalitat. Emergency Medical System (EMS) has moved preemptively to 18 hours at the fire scene for an ambulance and a command vehicle, although at that time consisted not injured
La Vangurdia.com
Grandes colas en la estacion del AVE de Lleida para subir a los autocares
· Renfe ha activado un plan de transporte alnatativo para garantizar el viaje a los pasajeros por el incendio de La Riba
Lleida, 19/07/2011
http://www.lavanguardia.com/local/lleida/20110719/54188712722/grandes-colas-en-la-estacion-del-ave-de-lleida-para-subir-a-los-autocares.html
Big lines at the Lleida railway station to board the buses Renfe has activated a plan to ensure alternative transport to travel to the passengers affected by the fire in La Riba Lleida 19/07/2011 - 21:31 h 0 Comments 1402 views Notify errorTengo more amigoImprimirReducir informationSend a body of letter body letraAmpliar 0 Lleida. (EFE) .- Dozens of people have had to keep long lines at the Lleida railway station to board the coach has enabled Renfe to cover the journey to Tarragona, cut from early this afternoon because of a wildfire in the municipality of La Riba (Tarragona). In the vast esplanade in front of the station have been seen Lleida throughout the afternoon very long queues of passengers were forced to travel in buses to reach their destinations. According to Renfe, more than 4,500 passengers have been affected by the fire of La Riba, which has burned about 300 acres and forced to cut the rail service of high speed between Lleida and Tarragona and the conventional line between Montblanc and La Plana. More than 1,700 travelers have been affected in transit and another 3,000 had bought a ticket for today AVE, so that the number of affected passengers may rise to nearly 5,000, according to the railway. Renfe has launched an alternative transportation plan to ensure the movement of these travelers and has mobilized a quarantine of 2,000 places for buses to run between Tarragona and Lleida.
LaVangurdia.com Sucesos
Un incendio forestal en La Riba obliga a desaloja a 75 personas
· Se ha declarado una alerta por riesgo quimico.
El incendio corta las lineas de tren y ya ha quemado 300 hectareas.
Las dotaciones de Bomberos desplazadas a la zona aumentaran 88
Sucesos 19/07/2011
http://www.lavanguardia.com/sucesos/20110719/54188658113/un-incendio-forestal-en-la-riba-obliga-a-desalojar-a-75-personas.html
A forest fire in La Riba forced to evict 75 people It has declared a chemical hazard alert The fire cut the rail lines and has burned 300 hectares fire crews moved to the area increases to 88 Events 19/07/2011 - 16:34 h 19/07/2011 - 17:28 h 7 Comments 8682 views Notify errorTengo more amigoImprimirReducir informationSend a body of letter body letraAmpliar 0 MORE Puig called "work hard" tonight to control the fire The delegate of the Government commends firefighters for saving homes Tarragona. (EFE) .- The wildfire La Riba (Tarragona), the most important summer in Catalonia, burns out of control and has destroyed some 300 hectares of bush and pine, which has forced to evacuate hundreds of people and 4500 rail passengers suffering cuts and AVE. The magnitude of the flames forced the evacuation of hundreds of people-a lack of confirmation of accurate data, shelters, residential and industrial area and the cutting of two roads, TV-7044 and C- 14, and rail traffic and the AVE between Lleida and Tarragona. The fire originated about 14 hours with TV-7044 Road, about 2 kilometer point, and has progressed in a southeasterly direction taken by the mistral wind. At this time, a total of 88 ground crews of firefighters from the Generalitat and 14 aerial resources in the area have worked to try to control the perimeter of the fire is uncontrolled, as it has only been able to stop the advance down the left flank . The whole operation is moving from the Fire Command Center of the Generalitat is installed in the courtyard of the green point Vilaverd waste collection (Tarragona), which also moved the Minister of Interior, Felip Puig, and the mobile unit of the Directorate General of Civil Protection. The main concern of firefighters are wind gusts of 30 to 60 km / h are recorded in the area. This wind is complicating the work of teams fighting to control the flames and prevent attack surveillance planes and assist in the firefighting. However, during the day if they have been working ten helicopter gunships, a control, another aerial firefighters coordination of the Government and two seaplanes of the Ministry of Rural and Marine Environment from Zaragoza, who have retired to fall night. The fire also caused serious problems in the transport network from early in the afternoon, especially in the Renfe railway line which has been forced to cut the flow of high-speed trains between Lleida and Tarragona conventional line between Montblanc and La Plana. More than 4,500 travelers have been affected by this cut, 1771 of them were already in transit, so Renfe has launched an alternative transportation device with a fleet of 40 buses with 2,000 seats that cover the route between Lleida and Tarragona. The fire spread throughout the afternoon has forced the crews of firefighters to evacuate several hundred people in the area. Early in the afternoon, 75 people have evacuated to shelters and youth Els Els Massets Almogavers afternoon while firefighters also had to leave the estates and More Gassons Roges Roques and two units of Bin Picamoixions and the company Newhart. Meanwhile, Civil Protection has activated the alert phase Infocat Plan (Emergency Plan for forest fires in Catalonia) at 15.40. In addition, the proximity of the flames at a chemical industry in the municipality of Tarragona Alcover preemptively turned off the Plaseqcat (external emergency plan in the chemical industry of Catalonia). The area, which is difficult to access, and suffered fires in 1986, 1994 and 2004.
L Vangurdia.com
El AVE Barcelna-Madrid emprende al servicio de este miercoles por carretera
· Proteccion Civil mantiene el corte aunque los Bomberos han conseguido que se restablezaca parte de la linea
Vida : 20/07/2011
http://www.lavanguardia.com/vida/20110720/54188809137/el-ave-barcelona-madrid-emprende-el-servicio-de-este-miercoles-por-carretera.html
The Barcelona-Madrid AVE undertakes the service road on Wednesday Civil Protection maintains the court even if firefighters have managed to restore part of the line Life 20/07/2011 - 08:38 h Luis B. Garcia Barcelona 0 Comments 1088 views Notify errorTengo more amigoImprimirReducir informationSend a body of letter body letraAmpliar 0 MORE A fault disrupts rail traffic between Sitges and Sant Vicenç de Calders The fire in La Riba, phase control from 05:50 am ET to begin serving AVE Barcelona-Madrid, Renfe provides the service road from Barcelona to Lleida by the fire that ignites from Tuesday La Riba (Tarragona) and has to interrupt the high-speed rail service. According to sources Renfe until 08:30, Civil Protection had not yet communicated to Adif permission to restore the service despite the fact that firefighters working to extinguish the fire would have restored the circulation of the AVE between between Lleida and Camp Tarragona and the conventional line service between Montblanc and La Plana. According to Renfe, the programmed device has 130 buses, which is 6500 seats to transport the affected passengers, and travelers are offered three choices: change their ticket to another date, return the full amount or use alternative transportation plan provided by the operator. Also, Renfe has ordered a device supplies to travelers. During the day yesterday, some 5,000 travelers were affected by this issue.
LaVangurdia.com Sucesos
El delegado del Govern destaca se han podid salvar las casas de La Riba
· El incendio ha quemado hasta el momento 200 hectareas de vegetacion, y ha obligado a cortar dos carreteras y la circulacion ferrovaria y del AVE
Sucesos : 19/07/2011
http://www.lavanguardia.com/sucesos/20110719/54187803602/el-delegado-del-govern-destaca-se-han-podido-salvar-las-casas-de-la-riba.html
The delegate of the Government notes have been saved the houses of La Riba The fire has burned so far 200 hectares of vegetation, and forced to cut two highways and rail traffic and the AVE Events 19/07/2011 - 18:02 h 0 Comments 803 views Notify errorTengo more amigoImprimirReducir informationSend a body of letter body letraAmpliar 0 MORE The fire burns La Riba burning out of control and 300 hectares La Riba (Tarragona). (EFE) .- The delegate of the Government in the Camp de Tarragona, Joaquim Nin, stressed that the work of firefighters allowed to "save" the houses in the municipality of La Riba, who were threatened by forest fires reported to the 14.00 pm this afternoon. The fire has burned so far 200 hectares of vegetation, and forced to cut two highways and rail traffic and the AVE and the evacuation of 75 people. According to Nin, the first priority of firefighters, the fire of the proximity of the houses in La Riba, was "to save them, what has been achieved." The fire is now tending Alcover, pushed by strong winds blowing in the Camp de Tarragona, so the action of the Fire focuses "on how to control surround him as soon as possible," added Quim Nin. The fire crews work 56 land and 15 aircraft and, because of the flames, has cut the flow of traffic on the road C-14 at mile 28, between and Vilaverd Alcover, and maintaining the local road cut TV-7044, in La Riba.
2011年07月20日水曜日09:40 晴れ 最低気温;15ー16ºC 最高気温;5ー26ºC BARCELONA県から
2011年07月19日火曜日の14:00頃に TARRAGONA県のLA RIBA街あたりで森林火災が発生して、やく300HAを焼失して、一時 LLEIDA駅と EL CAMP DE TARRAGONA駅の間で不通になっていた高速鉄道(AVE)や、MONTBLANC駅とLA PLANA駅の間の普通鉄道の運転を再開した。
El incendio de La Riba esta ya en fase de control
> Unos 300 bomberos siguen trabajando en la zona, donde ya se han quemado 410 hectares de vegetacion.
> El servicio del AVE entre Barcelona, Lleida y Tarragona vuelve a funcionar con normalidad.
el Periodeico.com Miercoles, 20 de julio del 2011
http://www.elperiodico.com/es/noticias/sociedad/incendio-riba-esta-controlado-1086426
ON THE ALERT INFOCAT The fire in La Riba is already under controlUnos 300 firefighters are working in the area, which already has burned 410 hectares of vegetation The AVE service between Barcelona, Lleida and Tarragona back to normal Wednesday, July 20, 2011 - 9:37 pm AGENCIES / La Riba Votes: +0 -0 Comments (1) The fire on Tuesday affected the municipality of La Riba (Alt Camp) has entered the early hours of Wednesday in control phase, as reported by the Fire Department of the Generalitat, however, have warned that the fire is not can still fully controlled because there are still hot spots. Yes it has ensured that the perimeter of the fire will not go. Civil Protection has been disabled and the contingency plan for chemical risk, the Plaseqcat after considering that there is no danger to the neighboring municipality of industry Alcover. Still active alert phase in the emergency plan for forest fires, Infocat. Fire in the municipality of La Riba (Alt Camp) ACN About 80 crews with 300 ground troops are still working to extinguish the fire and cool the area. This morning has been added to the 5 / 2 fire-fighting aircraft. Firefighters estimate that burned about 410 hectares of vegetation, of which about 240 belong to the mountains of Prades. In communes, the flames have burned 275.77 hectares of La Riba, 134.04 Alcover and 0.32 Valls. After being off the alert chemistry, pre-emptively evicted Tuesday from the industrial estate have been able to resume his Alcover normal activity. Specifically these are the employees of companies Alcover Química SA and Newhart and two bins Picamoixons. About 15 people in the urbanization Mas Gasol spent the night in houses of their relatives, and 15 others have done in the hotel Alcover. Thus, the flag of Alcover the council had not qualified to do one eventually stayed. Evacuees in shelters and Els Els Almogàvers Massets have spent the night in Farena. Transport affected About 08.38 hours, Renfe has restored the movement of trains between Barcelona AVE, Tarragona and Lleida, after receiving authorization from Civil Protection. The high-speed line was disrupted on Tuesday due to fire. Now the trains circulate normally, although in the early hours of Wednesday, Renfe has offered travelers an alternative service road. On Tuesday, the incidence affected about 5,000 users AVE. With regard to conventional train service between Montblanc i la Plana, this is interrupted between the flat, Reus, after restored circulation between Montblanc and La Plana. Trains on the line R-13 circulating normally, while the services of the R-14 circulate deflected by Valls. Travelers from the section La Plana-Reus and Tarragona will be transferred by road. As for road traffic, roads are cut three Montblanc, La Riba Picamoixons. The routes affected are the C-14 on the stretch of Alcover a Montblanc in both directions of travel, the TV-7044 Road, Riba Tarragona in both directions, and the T-743 road from Picamoixons Riba also in both directions of travel.
La Vangurdia.com
El AVE Barcelona-Madrid emprede el servicio de este miercoles por carretera
· Proteccion Civil mantiene el corte aunque los Bomberos han conseguido que se ewstablezca parte de la linea
La Vangurdia.com Vida 20/07/2011
http://www.lavanguardia.com/vida/20110720/54188809137/el-ave-barcelona-madrid-emprende-el-servicio-de-este-miercoles-por-carretera.html
From 05:50 am ET to begin serving AVE Barcelona-Madrid, Renfe provides the service road from Barcelona to Lleida by the fire that ignites from Tuesday in La Riba (Tarragona) and has forced to interrupt the high-speed rail service.According to sources Renfe until 08:30, Civil Protection had not yet communicated to Adif permission to restore the service despite the fact that firefighters working to extinguish the fire would have restored the circulation of the AVE between between Lleida and Camp Tarragona, as well as conventional line service between Montblanc and La Plana.According to Renfe, the programmed device has 130 buses, which is 6500 seats to transport the affected passengers, and travelers are offered three choices: change their ticket to another date, return the full amount or use alternative transportation plan provided by the operator. Also, Renfe has ordered a device supplies to travelers.During the day yesterday, some 5,000 travelers were affected by this issue
El incendio de La Riba, en fase de control
· Cerca de 90 dotaciones de Bomberos han trabajando durante toda la noche para acortar la zona de peligro.
· Se ha restablecido la circulacion de AVE.
La Vangurdia.com Sucesos : 20/07/2011
http://www.lavanguardia.com/sucesos/20110720/54188797010/el-incendio-de-la-riba-en-fase-de-control.html
The fire in La Riba, phase control About 90 fire crews have worked overnight to limit the danger zone circulation was reset AVE Events 20/07/2011 - 07:43 h 0 Comments 1088 views Notify errorTengo more amigoImprimirReducir informationSend a body of letter body letraAmpliar 0 MORE Puig called "work hard" tonight to control the fire Big lines at the Lleida railway station to board the buses The fire burns La Riba uncontrollably burning 300 acres The Barcelona-Madrid AVE is the alternative road service Tarragona. (EP) .- The fire has burned over 300 hectares of vegetation in La Riba (Tarragona) is under control, as reported by the Fire Department of the Generalitat. About 90 fire crews have worked overnight to limit the fire area. The heat vacate two warehouses of a bin Picamoixons the company and developments Newhart and More Gassons Vermelles Roques, plus about 75 people from two holiday homes. The Civil Protection Directorate General (DGPC) of the Generalitat off at 0710 hours, the alert phase of Plaseqcat (Pla d'Emergències Exterior Chemical Sector of Catalonia), since the forest fire is in La Riba control stage and Alcover Química SA company is secure. Firefighters have been restored yesterday AVE circulation was stopped indefinitely between between Lleida and Tarragona Camp and service the conventional line between Montblanc and La Plana, so it launched an alternative transportation service . The fire, which was the first warning at 14.03 am on Tuesday, began at kilometer 2.5 of the TV-7044 Road, and has also forced to cut this route and C-14 between Alcover and Vilaverd .
La Vangurdia.comç
Puig llama a "trabajar intensamente" esta noche para controlar el incendio
· Existe preocupacion ante la prevision de que los vientos soplaran fuerte esta noche
19/07/2011
http://www.lavanguardia.com/20110719/54188727479/puig-llama-a-trabajar-intensamente-esta-noche-para-controlar-el-incendio.html
Puig called "work hard" tonight to control the fire There is concern about the expectation that strong winds tonight 19/07/2011 - 23:17 h 0 Comments 168 views Notify errorTengo more amigoImprimirReducir informationSend a body of letter body letraAmpliar 0 Tarragona. (Europa Press) .- The Minister of Interior of the Generalitat, Felip Puig, has called for "working hard with effort" over-night in the fire that has burned more than 300 hectares of vegetation in La Riba ( Tarragona), with the expectation that the winds still blowing hard over night. In attention to the media in the area, the Minister has asked to take precautions so that the fire "not exceed" the areas enclosed by the nearly 90 land crews working in the area, with the aim of limiting the fire and work in their complete extinction. Puig has been throughout the day on the phone with the Department's headquarters in Barcelona, where he met the 19 hours from the Monitoring Committee Infocat Pla risk, which has been representing Fire, Autonomous' Police, Rural Agents, Red Cross, Civil Protection, Meteocat and Renfe. The minister has moved to the fire area after opening the new firehouse Calaf (Barcelona), an installation from which have left also six effective firefighting La Riba, and has received an investment 2.5 million euros by the Generalitat. Emergency Medical System (EMS) has moved preemptively to 18 hours at the fire scene for an ambulance and a command vehicle, although at that time consisted not injured
La Vangurdia.com
Grandes colas en la estacion del AVE de Lleida para subir a los autocares
· Renfe ha activado un plan de transporte alnatativo para garantizar el viaje a los pasajeros por el incendio de La Riba
Lleida, 19/07/2011
http://www.lavanguardia.com/local/lleida/20110719/54188712722/grandes-colas-en-la-estacion-del-ave-de-lleida-para-subir-a-los-autocares.html
Big lines at the Lleida railway station to board the buses Renfe has activated a plan to ensure alternative transport to travel to the passengers affected by the fire in La Riba Lleida 19/07/2011 - 21:31 h 0 Comments 1402 views Notify errorTengo more amigoImprimirReducir informationSend a body of letter body letraAmpliar 0 Lleida. (EFE) .- Dozens of people have had to keep long lines at the Lleida railway station to board the coach has enabled Renfe to cover the journey to Tarragona, cut from early this afternoon because of a wildfire in the municipality of La Riba (Tarragona). In the vast esplanade in front of the station have been seen Lleida throughout the afternoon very long queues of passengers were forced to travel in buses to reach their destinations. According to Renfe, more than 4,500 passengers have been affected by the fire of La Riba, which has burned about 300 acres and forced to cut the rail service of high speed between Lleida and Tarragona and the conventional line between Montblanc and La Plana. More than 1,700 travelers have been affected in transit and another 3,000 had bought a ticket for today AVE, so that the number of affected passengers may rise to nearly 5,000, according to the railway. Renfe has launched an alternative transportation plan to ensure the movement of these travelers and has mobilized a quarantine of 2,000 places for buses to run between Tarragona and Lleida.
LaVangurdia.com Sucesos
Un incendio forestal en La Riba obliga a desaloja a 75 personas
· Se ha declarado una alerta por riesgo quimico.
El incendio corta las lineas de tren y ya ha quemado 300 hectareas.
Las dotaciones de Bomberos desplazadas a la zona aumentaran 88
Sucesos 19/07/2011
http://www.lavanguardia.com/sucesos/20110719/54188658113/un-incendio-forestal-en-la-riba-obliga-a-desalojar-a-75-personas.html
A forest fire in La Riba forced to evict 75 people It has declared a chemical hazard alert The fire cut the rail lines and has burned 300 hectares fire crews moved to the area increases to 88 Events 19/07/2011 - 16:34 h 19/07/2011 - 17:28 h 7 Comments 8682 views Notify errorTengo more amigoImprimirReducir informationSend a body of letter body letraAmpliar 0 MORE Puig called "work hard" tonight to control the fire The delegate of the Government commends firefighters for saving homes Tarragona. (EFE) .- The wildfire La Riba (Tarragona), the most important summer in Catalonia, burns out of control and has destroyed some 300 hectares of bush and pine, which has forced to evacuate hundreds of people and 4500 rail passengers suffering cuts and AVE. The magnitude of the flames forced the evacuation of hundreds of people-a lack of confirmation of accurate data, shelters, residential and industrial area and the cutting of two roads, TV-7044 and C- 14, and rail traffic and the AVE between Lleida and Tarragona. The fire originated about 14 hours with TV-7044 Road, about 2 kilometer point, and has progressed in a southeasterly direction taken by the mistral wind. At this time, a total of 88 ground crews of firefighters from the Generalitat and 14 aerial resources in the area have worked to try to control the perimeter of the fire is uncontrolled, as it has only been able to stop the advance down the left flank . The whole operation is moving from the Fire Command Center of the Generalitat is installed in the courtyard of the green point Vilaverd waste collection (Tarragona), which also moved the Minister of Interior, Felip Puig, and the mobile unit of the Directorate General of Civil Protection. The main concern of firefighters are wind gusts of 30 to 60 km / h are recorded in the area. This wind is complicating the work of teams fighting to control the flames and prevent attack surveillance planes and assist in the firefighting. However, during the day if they have been working ten helicopter gunships, a control, another aerial firefighters coordination of the Government and two seaplanes of the Ministry of Rural and Marine Environment from Zaragoza, who have retired to fall night. The fire also caused serious problems in the transport network from early in the afternoon, especially in the Renfe railway line which has been forced to cut the flow of high-speed trains between Lleida and Tarragona conventional line between Montblanc and La Plana. More than 4,500 travelers have been affected by this cut, 1771 of them were already in transit, so Renfe has launched an alternative transportation device with a fleet of 40 buses with 2,000 seats that cover the route between Lleida and Tarragona. The fire spread throughout the afternoon has forced the crews of firefighters to evacuate several hundred people in the area. Early in the afternoon, 75 people have evacuated to shelters and youth Els Els Massets Almogavers afternoon while firefighters also had to leave the estates and More Gassons Roges Roques and two units of Bin Picamoixions and the company Newhart. Meanwhile, Civil Protection has activated the alert phase Infocat Plan (Emergency Plan for forest fires in Catalonia) at 15.40. In addition, the proximity of the flames at a chemical industry in the municipality of Tarragona Alcover preemptively turned off the Plaseqcat (external emergency plan in the chemical industry of Catalonia). The area, which is difficult to access, and suffered fires in 1986, 1994 and 2004.
L Vangurdia.com
El AVE Barcelna-Madrid emprende al servicio de este miercoles por carretera
· Proteccion Civil mantiene el corte aunque los Bomberos han conseguido que se restablezaca parte de la linea
Vida : 20/07/2011
http://www.lavanguardia.com/vida/20110720/54188809137/el-ave-barcelona-madrid-emprende-el-servicio-de-este-miercoles-por-carretera.html
The Barcelona-Madrid AVE undertakes the service road on Wednesday Civil Protection maintains the court even if firefighters have managed to restore part of the line Life 20/07/2011 - 08:38 h Luis B. Garcia Barcelona 0 Comments 1088 views Notify errorTengo more amigoImprimirReducir informationSend a body of letter body letraAmpliar 0 MORE A fault disrupts rail traffic between Sitges and Sant Vicenç de Calders The fire in La Riba, phase control from 05:50 am ET to begin serving AVE Barcelona-Madrid, Renfe provides the service road from Barcelona to Lleida by the fire that ignites from Tuesday La Riba (Tarragona) and has to interrupt the high-speed rail service. According to sources Renfe until 08:30, Civil Protection had not yet communicated to Adif permission to restore the service despite the fact that firefighters working to extinguish the fire would have restored the circulation of the AVE between between Lleida and Camp Tarragona and the conventional line service between Montblanc and La Plana. According to Renfe, the programmed device has 130 buses, which is 6500 seats to transport the affected passengers, and travelers are offered three choices: change their ticket to another date, return the full amount or use alternative transportation plan provided by the operator. Also, Renfe has ordered a device supplies to travelers. During the day yesterday, some 5,000 travelers were affected by this issue.
LaVangurdia.com Sucesos
El delegado del Govern destaca se han podid salvar las casas de La Riba
· El incendio ha quemado hasta el momento 200 hectareas de vegetacion, y ha obligado a cortar dos carreteras y la circulacion ferrovaria y del AVE
Sucesos : 19/07/2011
http://www.lavanguardia.com/sucesos/20110719/54187803602/el-delegado-del-govern-destaca-se-han-podido-salvar-las-casas-de-la-riba.html
The delegate of the Government notes have been saved the houses of La Riba The fire has burned so far 200 hectares of vegetation, and forced to cut two highways and rail traffic and the AVE Events 19/07/2011 - 18:02 h 0 Comments 803 views Notify errorTengo more amigoImprimirReducir informationSend a body of letter body letraAmpliar 0 MORE The fire burns La Riba burning out of control and 300 hectares La Riba (Tarragona). (EFE) .- The delegate of the Government in the Camp de Tarragona, Joaquim Nin, stressed that the work of firefighters allowed to "save" the houses in the municipality of La Riba, who were threatened by forest fires reported to the 14.00 pm this afternoon. The fire has burned so far 200 hectares of vegetation, and forced to cut two highways and rail traffic and the AVE and the evacuation of 75 people. According to Nin, the first priority of firefighters, the fire of the proximity of the houses in La Riba, was "to save them, what has been achieved." The fire is now tending Alcover, pushed by strong winds blowing in the Camp de Tarragona, so the action of the Fire focuses "on how to control surround him as soon as possible," added Quim Nin. The fire crews work 56 land and 15 aircraft and, because of the flames, has cut the flow of traffic on the road C-14 at mile 28, between and Vilaverd Alcover, and maintaining the local road cut TV-7044, in La Riba.
2011年6月29日水曜日
参議院行政監視委員会での孫正義の太陽光発電の提言
参議院行政監視委員会での孫正義の太陽光発電の提言
ソフトバンク株式会社代表取締役社長、孫正義。「電田プロジェクト」を提唱。休耕田で太陽光発電を行う仕組みを説明しました。
※孫正義氏の発言は、以下のリンクから、文字おこしと画像で読めます。
孫正義参考人の「電田プロジェクト」含む今後のエネルギー政策の提言(文字おこし)
動画は2つに分割されています。
2011年5月23日参議院行政監視委員会における孫正義参考人の意見の文字おこしです。委員会での発言です。今後のエネルギー政策を、電田プロジェクトと名づけて説明。田んぼの休耕田などにソーラーパネルを設置する発想です。やはり孫正義氏らしく、プレゼンにグラフを用いて、わかり易い言葉で説明しています。
ソフトバンク株式会社代表取締役社長、孫正義。「電田プロジェクト」を提唱。休耕田で太陽光発電を行う仕組みを説明しました。
※孫正義氏の発言は、以下のリンクから、文字おこしと画像で読めます。
孫正義参考人の「電田プロジェクト」含む今後のエネルギー政策の提言(文字おこし)
動画は2つに分割されています。
2011年5月23日参議院行政監視委員会における孫正義参考人の意見の文字おこしです。委員会での発言です。今後のエネルギー政策を、電田プロジェクトと名づけて説明。田んぼの休耕田などにソーラーパネルを設置する発想です。やはり孫正義氏らしく、プレゼンにグラフを用いて、わかり易い言葉で説明しています。
(動画57:40から文字おこし、はじめ)
はいよろしくお願いします。今先生方からお話がありましたように、原発の大いなる恐ろしさ、問題点、国民が十分知っておるとおりでございます。
ではさて、原発への依存度をこれから徐々に下げていかざるをえない。できるだけ速く下げていかなければいけない。いう中で、代わりに何のエネルギーでこの国民生活を維持していくことができるのか。あるいは産業を維持することができるのか。いうことで、私なりに、拙い知恵を少し絞ってみました。
今までは、事故前で原発による電気の供給ってのは約30%。ま、水をいれた、水力を入れた自然エネルギーが、10%、その他は火力ということですが。10年後のイメージとしてみると、原発への依存度は、事故後の現在の、まあ半分近くくらいまでは少なくとも下げていかざるをえないだろうと。40年以上を過ぎた原発は使うわけにはいかないね。地震の真上とかヒビの入ってるもの、これも減らさなきゃ、止めなきゃいけないね、というふうに、当然安全運転を強いられると。
え、それをじゃあ何で賄うのかと。CO2を増やすわけにもいかない。従って省エネと自然エネルギー、ここしか、結局答えはないのだろうと。省エネももちろん限界がありますので、エネルギーを供給するという意味で行くと、自然エネルギーしか答えはないのだろうと。言う風に思います。
そこで現在、水力を含めて約10%として、これをえー、20、いや10年後には例えば、20%くらい増加で自然エネルギーの構成比をあげると。いうミックスにならざるをえないでしょう。もし20%増加で増やすとしたら、何の自然エネルギーで賄うのかと。
例えばの例として、太陽光を7割、風力を2割、その他を1割だと。この10年間でですね。増加させるものとして。このように仮置きでおいてみました。
で、10年後にはヨーロッパではもう30%、40%、にするという国がゾクゾクと出てきておりますが、日本も、30%ぐらいにまでにはもっていくと。仮にこうするとするならば、あー、どういうことが自然エネルギーを普及させるために必要か。
いうことで、考えました。
7ページ目が例えばでございますけれども。ドイツは、固定買取制度全量買い取り制度がちょうど10年前、2000年に始まりまして、61円。その後もっと加速しなければいけない、ということで、改定されて、1キロワットあたり、65円で全量買取と。そこから急激にドイツでは太陽光発電ブームが起きました。
えーこのように、1回ドンドン拍車がかかってきますと、自然とその産業界のエコシステムが回るようになる、いう例でございます。
従って、日本でもできるだけ早くできることであれば、あと送りすることなく、今国会で、ヨーロッパ並みの全量買い取り制度の法律を是非決めていただきたい。この時においては党派を超えてですね、国難における日本の政治の決断として、是非、今国会で決めていただきたいなという風に思いますが。当然、送電網への電力会社による接続義務、あるいは用地の規制緩和、というものがございます。
この全量買取の制度に今現在の素案では、住宅用は入らないと言う事になっていることですが、ヨーロッパなどでは住宅用も、この枠に確か入っているというように、僕は記憶してますが。この事業用の多目的発電。メガソーラーに加えて、住宅用もこういうもので促進してはどうか、いう風に思います。
で、送電網への接続義務。結局いくら太陽光、あるいは風で発電してもですね。電力会社が送電網につながないと意味が無いので。これを、下半分のところに、ただし、電気の円滑な供給に支障が生ずるおそれのある時を除く、とこういう但し書きがいつもですね、クセモノでありまして。
私どもは、電気通信で、この但し書きでいつもやられてまいりましたので。是非こういう但し書きをやたら連発せずに、ちゃんと発電したらちゃんとつながると言う事を是非きっちりと担保していただきたい。
そこで今日新たにですね、奇妙な名前のプロジェクトを提案します。
電田プロジェクト。第二電電ではございません。電田プロジェクト。電気の田んぼという意味であります。
どうしてかといいいますと、太陽光発電をしますのに膨大な土地がいります。日本に膨大な土地はあんまり甘っておりません。しかし休耕田、それから耕作放棄地、これが合わせて50万ヘクタール以上あると。いうことでございます。
もしここに、太陽光発電のパネルを敷き詰めるとどのくらいの発電ができるか。全部に敷き詰めてそのうちの2割、だけがもし、全部じゃなくて2割だけ、ここに敷き詰めたとすると、50ギガワットの発電能力があります。これはピーク時間における原発50基分と。
現在、日本では20基の原発が動いておりますので、大体昼間のピーク時間に一番電気がくうと。ピークマネジメントが大切なわけですけれども、そのくらい威力がある太陽光発電が、場合に拠ってはできると。もちろん夜とか雨の日は使えませんけれども、少なくともピーク対策に大いに役立つだろうと。いうことでございます。
で、しかしですね、今までですと、この農地には、農地以外のことをやっちゃいけないと言う日本のルールがります。原則ふきょきゃと、不許可という風になっておりますが(笑)。しかし公益性の高い事業に使用する場合には可と。いうふうになっております。
今、国難の時で、電気が足りないという国難ですから、まさに公益性の高い発電と言うものはこの農地であったとしてもですね、仮設置することができるという法解釈をぜひ、すべきではないかと。法は人を守るためにあると。人が国難で一番今苦しんでる時に、人を守るための法解釈として、今の法を変えることなく、単にその法をしっかりと解釈することによって、この国難がもしかしたら救われるかもしれないとということでございます。
つまり、農地は農地のままで、農地の上に仮設置として、ボルトで止めたこの斜めに、えー、置いただけの太陽光パネルというのは、ここに人が住むわけではない、工場建てるわけでもない。従って、いざ、日本の農業の自給率の問題で、その農地が足りないというときにはいつでもこれを取り外して、また耕すことが出来るという意味で、畑の上にビニールハウスを建てたりするくらいですから。仮設置のものは、これは農地のまま立てても良いと、電気の田んぼと。どちらも太陽の恵みで成り立ってると。
いうことで、電田プロジェクトという風に勝手に名づけましたが。一時的設置のものは認めるというふうにすべきだと思います。
2番目が屋根。これは既に総理を中心にえー、真剣に検討しておられるようでございますので、是非、頑張っていただきたい。
ということで、屋根で例えば10年間で20ギガワット。電田プロジェクトで50ギガワット。その他で30。合計100ギガワットの太陽熱発電、これを実施したと仮に仮定します。
えーこれはピーク時間における原発100基分に相当しますけれども。もちろん夜とか雨の日は使えるわけではないので、えー、ならして考えると、もちろん、それよりは低いわけですが。
けれども、その太陽に加えて、風邪、地熱、その他で50ギガワット。合計150ギガワットの発電容量をもったとすると、おー、自然エネルギーだけで日本の昼も夜も雨の日も含めた、オールトータルの年間の発電量の約20%賄うことができる。
つまり自然エネルギーは必要だけれども、力弱しと、頼るに足らずと、言うのが今までのイメージですが、20%やるんだという覚悟を持って、そういうビジョンをもってすれば、そこから逆算すれば実は日本には使われていない休耕田だとかその他が沢山あると。言うことでございます。使われてない土地を国難の時に生かしましょう、言うことでございます。
えーこれを、先ほど言いましたように、2009年度の年間の雨の日も夜の日も含めたトータルの発電量、1112テラワットアワーということですけれども、それの約20%を今申し上げた太陽風力地熱その他で賄うことができると、言う事でございます。
諦めるのはまだ早いと。国難において建設的な、あー、プロダクティブな建設的な代替案、というものを是非ですね、あと送りすることなく、しかも柔軟な発想でやってみてはいかがと。言うことでございます。
つまり従来のエネルギーの基本計画は2030年までに原子力発電を50%以上にすると。今思うと、恐ろしい計画をしていたことになりますが、少なくともこれをそのまま突き進むべきだ、いう日本人はあまりいないのではないか、ということでございます。
これを白紙から見直すということですが、見直すのであれば是非ですね、あとで後悔しないで済むような見直し方、しかも大きく対局からものを見て、まず大掛かりな、大くくりのビジョンをもって、そしてそれを着実に実現するための知恵を出してはどうか。
子供たちに安全な未来を提供するために。
言うことでございます。以上です。ありがとうございました。
(文字おこし、ここまで)
(参考エントリー)
【速報・動画まとめ】原発事故の現状を整理できる!小出裕章、後藤政志、石橋克彦、孫正義が参考人の参議院行政監視委員会
小出裕章氏のプルサーマル発電批判がわかりやすすぎる
はいよろしくお願いします。今先生方からお話がありましたように、原発の大いなる恐ろしさ、問題点、国民が十分知っておるとおりでございます。
ではさて、原発への依存度をこれから徐々に下げていかざるをえない。できるだけ速く下げていかなければいけない。いう中で、代わりに何のエネルギーでこの国民生活を維持していくことができるのか。あるいは産業を維持することができるのか。いうことで、私なりに、拙い知恵を少し絞ってみました。
今までは、事故前で原発による電気の供給ってのは約30%。ま、水をいれた、水力を入れた自然エネルギーが、10%、その他は火力ということですが。10年後のイメージとしてみると、原発への依存度は、事故後の現在の、まあ半分近くくらいまでは少なくとも下げていかざるをえないだろうと。40年以上を過ぎた原発は使うわけにはいかないね。地震の真上とかヒビの入ってるもの、これも減らさなきゃ、止めなきゃいけないね、というふうに、当然安全運転を強いられると。
え、それをじゃあ何で賄うのかと。CO2を増やすわけにもいかない。従って省エネと自然エネルギー、ここしか、結局答えはないのだろうと。省エネももちろん限界がありますので、エネルギーを供給するという意味で行くと、自然エネルギーしか答えはないのだろうと。言う風に思います。
そこで現在、水力を含めて約10%として、これをえー、20、いや10年後には例えば、20%くらい増加で自然エネルギーの構成比をあげると。いうミックスにならざるをえないでしょう。もし20%増加で増やすとしたら、何の自然エネルギーで賄うのかと。
例えばの例として、太陽光を7割、風力を2割、その他を1割だと。この10年間でですね。増加させるものとして。このように仮置きでおいてみました。
で、10年後にはヨーロッパではもう30%、40%、にするという国がゾクゾクと出てきておりますが、日本も、30%ぐらいにまでにはもっていくと。仮にこうするとするならば、あー、どういうことが自然エネルギーを普及させるために必要か。
いうことで、考えました。
7ページ目が例えばでございますけれども。ドイツは、固定買取制度全量買い取り制度がちょうど10年前、2000年に始まりまして、61円。その後もっと加速しなければいけない、ということで、改定されて、1キロワットあたり、65円で全量買取と。そこから急激にドイツでは太陽光発電ブームが起きました。
えーこのように、1回ドンドン拍車がかかってきますと、自然とその産業界のエコシステムが回るようになる、いう例でございます。
従って、日本でもできるだけ早くできることであれば、あと送りすることなく、今国会で、ヨーロッパ並みの全量買い取り制度の法律を是非決めていただきたい。この時においては党派を超えてですね、国難における日本の政治の決断として、是非、今国会で決めていただきたいなという風に思いますが。当然、送電網への電力会社による接続義務、あるいは用地の規制緩和、というものがございます。
この全量買取の制度に今現在の素案では、住宅用は入らないと言う事になっていることですが、ヨーロッパなどでは住宅用も、この枠に確か入っているというように、僕は記憶してますが。この事業用の多目的発電。メガソーラーに加えて、住宅用もこういうもので促進してはどうか、いう風に思います。
で、送電網への接続義務。結局いくら太陽光、あるいは風で発電してもですね。電力会社が送電網につながないと意味が無いので。これを、下半分のところに、ただし、電気の円滑な供給に支障が生ずるおそれのある時を除く、とこういう但し書きがいつもですね、クセモノでありまして。
私どもは、電気通信で、この但し書きでいつもやられてまいりましたので。是非こういう但し書きをやたら連発せずに、ちゃんと発電したらちゃんとつながると言う事を是非きっちりと担保していただきたい。
そこで今日新たにですね、奇妙な名前のプロジェクトを提案します。
電田プロジェクト。第二電電ではございません。電田プロジェクト。電気の田んぼという意味であります。
どうしてかといいいますと、太陽光発電をしますのに膨大な土地がいります。日本に膨大な土地はあんまり甘っておりません。しかし休耕田、それから耕作放棄地、これが合わせて50万ヘクタール以上あると。いうことでございます。
もしここに、太陽光発電のパネルを敷き詰めるとどのくらいの発電ができるか。全部に敷き詰めてそのうちの2割、だけがもし、全部じゃなくて2割だけ、ここに敷き詰めたとすると、50ギガワットの発電能力があります。これはピーク時間における原発50基分と。
現在、日本では20基の原発が動いておりますので、大体昼間のピーク時間に一番電気がくうと。ピークマネジメントが大切なわけですけれども、そのくらい威力がある太陽光発電が、場合に拠ってはできると。もちろん夜とか雨の日は使えませんけれども、少なくともピーク対策に大いに役立つだろうと。いうことでございます。
で、しかしですね、今までですと、この農地には、農地以外のことをやっちゃいけないと言う日本のルールがります。原則ふきょきゃと、不許可という風になっておりますが(笑)。しかし公益性の高い事業に使用する場合には可と。いうふうになっております。
今、国難の時で、電気が足りないという国難ですから、まさに公益性の高い発電と言うものはこの農地であったとしてもですね、仮設置することができるという法解釈をぜひ、すべきではないかと。法は人を守るためにあると。人が国難で一番今苦しんでる時に、人を守るための法解釈として、今の法を変えることなく、単にその法をしっかりと解釈することによって、この国難がもしかしたら救われるかもしれないとということでございます。
つまり、農地は農地のままで、農地の上に仮設置として、ボルトで止めたこの斜めに、えー、置いただけの太陽光パネルというのは、ここに人が住むわけではない、工場建てるわけでもない。従って、いざ、日本の農業の自給率の問題で、その農地が足りないというときにはいつでもこれを取り外して、また耕すことが出来るという意味で、畑の上にビニールハウスを建てたりするくらいですから。仮設置のものは、これは農地のまま立てても良いと、電気の田んぼと。どちらも太陽の恵みで成り立ってると。
いうことで、電田プロジェクトという風に勝手に名づけましたが。一時的設置のものは認めるというふうにすべきだと思います。
2番目が屋根。これは既に総理を中心にえー、真剣に検討しておられるようでございますので、是非、頑張っていただきたい。
ということで、屋根で例えば10年間で20ギガワット。電田プロジェクトで50ギガワット。その他で30。合計100ギガワットの太陽熱発電、これを実施したと仮に仮定します。
えーこれはピーク時間における原発100基分に相当しますけれども。もちろん夜とか雨の日は使えるわけではないので、えー、ならして考えると、もちろん、それよりは低いわけですが。
けれども、その太陽に加えて、風邪、地熱、その他で50ギガワット。合計150ギガワットの発電容量をもったとすると、おー、自然エネルギーだけで日本の昼も夜も雨の日も含めた、オールトータルの年間の発電量の約20%賄うことができる。
つまり自然エネルギーは必要だけれども、力弱しと、頼るに足らずと、言うのが今までのイメージですが、20%やるんだという覚悟を持って、そういうビジョンをもってすれば、そこから逆算すれば実は日本には使われていない休耕田だとかその他が沢山あると。言うことでございます。使われてない土地を国難の時に生かしましょう、言うことでございます。
えーこれを、先ほど言いましたように、2009年度の年間の雨の日も夜の日も含めたトータルの発電量、1112テラワットアワーということですけれども、それの約20%を今申し上げた太陽風力地熱その他で賄うことができると、言う事でございます。
諦めるのはまだ早いと。国難において建設的な、あー、プロダクティブな建設的な代替案、というものを是非ですね、あと送りすることなく、しかも柔軟な発想でやってみてはいかがと。言うことでございます。
つまり従来のエネルギーの基本計画は2030年までに原子力発電を50%以上にすると。今思うと、恐ろしい計画をしていたことになりますが、少なくともこれをそのまま突き進むべきだ、いう日本人はあまりいないのではないか、ということでございます。
これを白紙から見直すということですが、見直すのであれば是非ですね、あとで後悔しないで済むような見直し方、しかも大きく対局からものを見て、まず大掛かりな、大くくりのビジョンをもって、そしてそれを着実に実現するための知恵を出してはどうか。
子供たちに安全な未来を提供するために。
言うことでございます。以上です。ありがとうございました。
(文字おこし、ここまで)
(参考エントリー)
【速報・動画まとめ】原発事故の現状を整理できる!小出裕章、後藤政志、石橋克彦、孫正義が参考人の参議院行政監視委員会
小出裕章氏のプルサーマル発電批判がわかりやすすぎる
参議院行政監視委員会での4人の参考人の石橋克彦の意見
参議院行政監視委員会での4人の参考人の石橋克彦の意見
神戸大学名誉教授、石橋克彦。かつて国会にて浜岡原発を始め原発の危険性を述べたこともあります。地震を自然活動の1つと捉え、大きな視野で原発の危険性を説明しました。センセーショナルな「地震付き原発」という言葉で議員に強く訴えました。また、次に危険な地域は、若狭湾だと発言しました。今後国会につくる第3の監視機関に外国人識者を登用するという話に怒りを表明し、国内の優れた識者を用いるべきだと激しく主張しました。
※石橋克彦氏の発言は、以下のリンクから、文字おこしと画像で読めます。
石橋克彦参考人(地震学者)特殊な地震国日本の原発に対し重大な5つの警告(文字おこし)
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65737490.html
参議院行政監視委員会での4人の参考人の地震学者の石橋克彦の意見、特殊な地震国日本の原発に対し 重大な5つの警告
※5月27日、石橋氏が資料として提出したマンガを加筆した。
2011年5月23日参議院行政監視委員会における石橋克彦氏の発言の文字おこしです。石橋氏は大震災の数年前に国会で地震がもたらす原発災害に警鐘を鳴らしており、今回、再び、強く警鐘を鳴らしている。地震学者の見地から、原発政策を否定。福島原発の損傷が、津波ではなく地震によっておきたことを強調。また過去に国が行い「安全」と認めた耐震チェックに誤りがあったことを示唆。また震災後に全原発を検査したことに対し、そもそも国が定めた原発指針に反していると指摘。など、多くの重要な事項を述べている。地震特にの付き合い方を考える際の手本となるだろう。難しい言葉もあるが、ゆっくり読んでいただければ幸い。
(動画34:13から、文字おこし、始め)
「石橋です。どうぞよろしくお願いします。っと、わたくし目の手術をしてから日があまりたってないものですから、ちょっとまだ見るのが不自由でもたもたして、ちょっと時間をオーバーするかもしれません。あらかじめおゆるしください。」
「でえー、であのー、インターネット中継にはこういうスクリーンのほうが良かったのかもしれませんけど、委員会の審議は基本的に紙ベースだとうかがっておりましたので、わたくしの資料は紙だけです。えーお手元にありますダブルクリップでとめたものです。で、えーと、資料1から7までと、それから追加が2点とじてあると思いますけど。時間が限られてると思いますのでこの1枚目のですね、A4のカッコ要点と書いてあるレジュメに沿ってご説明します。それで細かいところは、ご関心があればまたあとで質問していただければと思います。」
「で、えっとまずゼロと書いてあります、あ、すいません……(※メガネをかける)。」
「えっと6年前ですね、2005年の2月の23日の第162回国会の衆議院の予算委員会の公聴会にわたくし出席しまして、原発震災という話もいたしまして警鐘を鳴らしたつもりだったんですけれども、残念ながらこの国会の中ではそれが響かないで、役に立たなかったようで、大変残念に思っております。ということを最初にちょっと言わせていただきます。で今日のわたくしのあの、意見が多少なりともお役に立てばいいと願っております。」
「で、次に1ポツでありますけれども、あの福島第一原発の大事故はですね、その、大津波によって非常用ディーゼル発電機が全部死んでしまった。で、全電源喪失がおこって冷却ができなくなったからである、と言われておりますけれども、実は地震、津波の前にですね地震の揺れ、そのもので重大事故が発生した可能性がかなり大きいと思います。でこれは非常に重要なことなんですけれども、あのー、ことさらなにか、それに触れないように社会の中にはされている感がありますので、ここで強調しておきたいと思います。」
「あの田中三彦さんという方が、すでに4月のはじめに発売されました岩波書店の「世界」の中に書いていらっしゃいます。し、それが4月の末に発売された「科学」の中でも書いていらっしゃいますけれども。要するに、1号機、地震の激しい揺れによってですね、まず1号機では配管の破損がどこかで生じたであろうと。それによって冷却材の喪失がおこった。つまり、冷やすという機能が喪失した。でこれがまあメルトダウンにつながった、という推定です。で田中さんの議論は、あの東京電力から公開されておりますデータ、格納、いや圧力容器の中の水位、圧力、それから格納容器の中の圧力、そういうデーターを詳細に点検されての議論であります。」
「であの2号機ではですね、地震の激しい揺れによって、圧力抑制室に損傷が生じた可能性が大きい。でこれは、閉じ込める機能が喪失されたわけです。でこれでまあ放射能も露出しますし水素が漏れ出て、それが2号機の水素爆発につながったのであろうと、そういうことを田中さんは主張しておられます。」
「でこれはわたくしは地震学が専門でありますけれども、地震学的にも十分ありうることです。で、東京電力から発表、いや公表されております、原子炉建屋の一番下の基礎盤というところの揺れがですね、耐震設計で想定している揺れより、2号機、3号機、5号機、の東西方向の揺れでは、あのそれをオーバーしております。あと確か16日に他の地震のデーターも公表されましたけれども、地下の記録なんかでもですね、耐震設計の基準とする地震動をこれは今後更に分析してみなければ正確なところわかりませんけれども、オーバーしていた可能性があります。」
「で、ただその、想定より超えた度合いはですね、2007年の柏崎刈羽の時と比べると、それほど甚だしくはないんですけれども、超えていること自体、非常に重要です、し、」
「今回地震学的に大変注目すべきことは振動の時間が非常に長かったわけです。M9.0という、えー、地下で地震波を出している時間自体がべらぼうに長くて3分ほど出していたんですけれども、それをうけた福島第一原発の揺れも、あの非常ーーに長時間続いたために、長時間の繰り返しですね、繰返し荷重というものによって損傷を起こしたことは十分考えられるわけです。」
「で一方、非常に重要なことは、5つ目の黒ポツに書いてありますけれども、福島第一原発は、2009年に安全保安院と原子力安全委員会によってですね、耐震安全性が、えー確認されています。つまりえー、止める・冷やす・閉じ込める、という機能が、あのー、ちゃんと備わっていると、そういうふうに、認められたわけです。」
「ですけれども、今回、それは、誤りであった可能性が大きい。これはまだ断定出来ませんけれども、この問題は非常に重要ですから、あのー、厳重に、議論する必要がある。ところが今のところはそこをなんとなく避けているようです。」
「で、なにか訊くところに寄りますと本日東京電力からなんか発表があるみたいで。えー、っとその津波が来るまでは配管の破損なんか生じなかったんだという発表があるようなことをチラッと聞きましたけれども、とにかくこれはもう……こ、公開の場でですね厳重に議論されなければなりません。」
「で、その想定の揺れを既に超えている事自体、改定……2006年に改定された耐震設計審査指針に問題があるということを意味していますし、それからあの、もし重大事故が地震の揺れで起こったとすれば、尚更のことですね、あの全国の原発の耐震バックチェックというのが、2006年以降2007年行なわれておりますけども、それの審議のプロセス及びその結果、それが、の信頼性が失われるわけで、これ全部やり直す必要が出てまいります。」
「それから2番目ですけれども、2ポツ。3月30日に原子力安全保安院が電力会社に指示を出しまして全国の原発について、あの、津波の緊急対策をするように、という指示を出しました。でこれはあの、全国の原発が福島第一原発のような大津波を被って、全電源喪失、全交流電源喪失というような事態になっても大丈夫なように、緊急安全対策をしなさい、ということで。で、全部の電力会社がですね。電源車を用意したり、それから高いところに、応急的な貯水槽を設けたりホースをたくさん用意したり、でまあそれを捜査する訓練をしたり、そういう事をやっていまして。でこれでその安全性がまた格段に上がったということが言われていますけれども。」
「この一連の事態は非常に大きな問題を含んでいます。」
「まず2つ有りまして、1つは先ほど言いました第1点の問題を無視していることです。で津波対策だけすれば大丈夫だなんてことはないわけで、耐震設計審査指針を見なおしてバックチェックもやり直さなければ安心とは言えません。」
「それから2つ目の問題としてはですね、その保安院自らが全国の原発で大津波と全電源喪失ということを想定しなさいといったわけですけども。そういう事を想定すること自体が、原子炉立地審査指針というものに反しています。」
「でこの原子炉立地審査指針というのが資料3に1枚紙でついておりますけれども、えーこれはあの、一連の安全審査指針類の一番元に来るものでありまして。昭和39年に原子力委員会が決定したものです。」
「で、えー、この1枚紙あの、以下を略してあるのですけれども、この最初のところだけが書いてあります。」
「であの原子炉立地審査指針の基本的な考え方として、原則的立地条件としてですね、あのーその、1.1の3行目、2行目の終わりから、万一の事故に備え公衆の安全を確保するためには原則的に次のような立地条件が必要である。でそのカッコ1ですね。大きな事故の誘引となるような事象が過去においてなかったことはもちろんであるが、将来においてあるとは考えられないこと、また災害を拡大するような事象も少ないこと、こう言うことが原則的に立地条件として必要であると謳っているわけです。」
「ところがですね、その大津波、とそれによって全電源喪失というその大きな事故ですね、これをその全国の原発で想定しましょう、というわけですから、あのこれは、驚くべきことです。そんなものはその立地の条件に反しているわけです。」
「で、そもそもこの、人間の良識というか常識から考えてですね、大津波をかぶるようなおそれのある場所で原発を運転するということ事態、わたくしは正気の沙汰ではないと思います。」
「えーこれはあたかも、真冬にですね暴風雪警報が出ている北アルプスで、67年、60歳70歳代の熟年ツアー登山をやろうと行ってるようなもので、えー、と、とてもおかしい。」
「で原発、たかが原発です。たかが発電所なわけです。えーその、例えば、遭難した漁船を救うための巡視船なんてのはどんな荒波でも公開しなきゃなんないでしょうけれども、発電するためになにも、こんな危ないものをですね、その大津波のあるところで頑張って運転することはないとわたくしは思います。」
「それから3番目。原子力安全保安院と原子力安全委員会というものが、現状では、残念ながら、これは原発擁護機関になっています。で、えー、福島第一原発の事故3.11以降を見ていてもそうですけれども、これまで、お二人の参考人からもそういう話有りましたけれども。」
「わたくしが直接関わった例としてはですね、2007年柏崎刈羽原発が新潟県中越沖地震で被害を受けて全7基が止まったということがありまして。その時、ですね、わたくしは新潟県のあの、非常任?委員会の委員として議論に加わっていたんですけれども。あの、運転再開に向けてですね、何人かの研究者から存在が指摘されている柏崎刈羽原発の沖合の海底活断層、あの非常に長大な海底活断層。これを無視しました。」
「で、あの、東京電力は長さ36キロの断層だけ、一部分だけを取り上げてそこにM7.0の地震を想定したんですけれども。可能性としてはもっと長大な60キロくらいの長いものがある可能性がある。で、そういうものはですね、原発の場合は安全サイドに立って当然考慮しなくてはいけないんですけれども、それを無視しました。でこれは、ある意味、もう原発耐震偽装と言ってもいいことでありまして、これは詳細は資料4に書いてあります。で、そういう事を保安院、安全委員会も率先してというか、組織的に行なったわけです。」
「で、これに関しては資料4の補足という、資料、資料4の追加という別の後ろのところにあると思いますけれども。まあわたくしはそのことを、この資料4のように岩波の科学という雑誌に書いたんですけれども、さらに、毎日新聞に一般向けに投稿しました。」
「でところが、それに対して原子力安全委員会は、毎日新聞社にですね、わたくしが書いたその発言責という原稿、だから書いた責任は私にあるわけですけれども、毎日新聞社に、わたくしには何も言ってこないで、毎日新聞社にあの記事はおかしいから訂正しろ、なんか取り消せなんかいうことを言っていった。そういう事までありまして、非常に問題であると思います。」
「で、えー、実はこういう原発を擁護する、についてはですね、あのー非常に多くの地震地質の専門家、ま、研究者ですね、それがあの、加担しています。そのー、改訂活断層を無視する、ことに加担している。えーー、これは日本活断層研究会という学会のシンポジウムの時の議論なんかでもあからさまにそういうことが出てまいりました。ちょっと詳細は省略しますけれども。でこれは、こういう、状況はですね、研究者の倫理ということもありますけども。あのー、もっと根深くはですね、政府系の研究機関あるいは国立大、有名旧国立大学そういうところの研究者が加担せざるを得ないような構造的な問題があります。でそのー、反対意見があっても、良心的な人はせめて黙ってるくらい、のことしかできないという構造があります。これは国民にとって非常な不幸であります。」
「それから4番目。でそもそも日本列島は地球上が最も原発建設に適さない場所です。えーと資料5というのに1枚紙で地図がありますけれども。これは世界中の地震をプロットしますと、まあ地球上では地震というのは線上またはベルト上に起こっているわけですけども。非常に活発な地震活動のベルトの中に日本列島は全域がすっぽりはいってしまう、わけです。えーこれが面積でいいますと、日本の国土とそれから領海と排他的経済水域の一部、合計した場合、地球の総面積の0.3パーセント弱ですけれども、その範囲内にですね。実に地球の地震、全地震の約10%が集中しています。で、こういう所にはそもそも原発はつくるべきではないのです。」
「でそれは欧米では常識なことです。ドイツやアメリカの原子炉の規制の条件。それから現実にあのー、日本だったらゴミみたいな活断層が問題になって原発が閉鎖された実例を見てもですね、えー、もしフランス人やドイツ人が日本列島に住んでいれば、彼等は絶対にこんなところに原発は作らないであろうという。もう常識的なことです。で日本が異常なんだと思います。」
「で、省略しましたけれども、カッコ1から、レジュメに書いてあります、カッコ1からカッコ4まで、非常に基本的な原発とそれから地震に関する条件というものがありまして、そういう事を考えればですね、その地震列島における原発は制御された安全の範囲で大丈夫だから運転しようというのでは、困る、のです。先程後藤さんの話しにもありましたけども、それでは困る。で本質的な安全でなければ、日本列島に住んでいる人間にとっては、全く不幸であって、で本質的安全というのは、あのー、原発が存在しないことであると思います。」
「で、これに関して一番最後にあります資料5の追加という漫画がありますけれども、えっと、これは昨日思いついて急いで書いたんですけれども、こういうことでも書かなければあまりにもわからない。」
※会場笑い。
「特にですね、その経済、経済界の人、あるいは政治行政、まあそういう話を聞いている一般国民。どうやらまるで分かっていないらしいというので、書きました。」
「で原発というのは本質的には世界中で同じ問題を抱えています。これは小出さん後藤さんがご説明があったようなお、あのー深刻な問題があります。」
「ですけれども、わたくし、地震学をやっている人間として、現実的なことを考えるとですね、日本の原発はフランスやイギリスやドイツとかそういうところの原発とは違うんです。」
「何が違うかというと、日本の原発は、地震付き原発であると。そのフランスやドイツと同じ原発があって、それを日本列島に立てた場合、たまたま近くで近くで地震が怒るかもしれませんよ、なんていうそんな生易しいもんではなくてですね。もう日本の原発は全て、まるでおんぶおばけみたいにですね、こうやって地震がくっついているわけ、地震がセットになってあるわけです。ですから、地震付き原発なんてものはあっては困ると。まあそういう事であります。」
「で、したがいまして、今後、新設増設というのはやめてほしい。で建設計画中のものも、まあやめるべきでしょう。でーえー耐震設計審査指針に不備がある可能性が非常に高いとさっきいいましたけれども。現にまあ不備がある。その基準地震動の策定に不備があったわけですから不備がある。再改定しなければいけないという議論も有りますけれども、その新設増設をしなければですね、その設置許可のための指針というものが要らなくなるわけで。」
「でわたくしとしては、むしろリスク評価のための指針。あるいは安全運転を管理する保安のための指針。というものを厳重に作り直した上で。で早急に第3者機関を設立してですね、日本列島の全原発に関してリスク評価をして順位付けをして、でリスクの高いものから順に、今あるものもですね、閉鎖していく。というようなことを真剣に考えなければいけない、と思います。」
「であの、筆頭は浜岡原発でありますけれども、これはその、津波対策が完了するまでとりあえず閉鎖、なんてものではなくて、永久に閉鎖する必要があります。といいますのは東海地震による地震の揺れ、それから大きな余震の続発、それから地盤の隆起変形、それから大津波、それが全て恐ろしいのでありまして、あの津波対策さえすれば大丈夫というものではありません。」
「えー、でこれ資料6に有りますけれどもわたくし2009年に新政権が誕生したときに、期待を込めて、浜岡を止めて欲しい。で原発震災を回避することが新政権の世界に対する責任であるという事を書きましたけれども。残念ながらそれはやっと、福島第一原発のあの悲劇を経験した後でなければ実現しなかった。」
「で、この資料6の最後に書いてありますが、手をこまねいていれば薬害エイズやBSE問題を超越した不作為の大罪を犯すことになるだろうと、2009年にわたくしは書きましたけれども。結局、その不作為の大罪を犯してしまったことになります。でこれは決して現在の政府の責任だけではなくて27年間の歴代の政府がですね、積み重ねてきた国民に対する、あるいは世界に対する罪であると思います。」
「それからもう1つ。浜岡以外の原発は大丈夫というようなことが言われていますけれども、とんでもないことでありまして。あの、もうこれはちょっと省略しますが、下に1、2、3、4、5つ黒ポツに書いてありますように、いろんな理由があってですね、あの若狭湾の原発群を始めとして日本全国危険な原発はたくさんあります。でそれらについて早急に点検をして、えー順次閉鎖に向かっていくことが必要です。」
「あ、すいません。あと最後に一つだけ、5ポツを追加します。」
「でそうは言いましてもまだ我々は当分原発に付き合っていかなくてはなりません。それから止めたからと言ってそれで安全なわけではなくて、使用済み核燃料が原発に保管されている。それがあと何10年も安全に管理しなければならない。でその間には地震が起こるでしょう。そういうことでですね、その原子力災害対策特別措置法であるとか原子力防災指針、あるいはそれによるEPZの範囲ですね、そういうものは早急に改めなければなりません。」
「で、最後にちょっと紹介したいのは、資料7にあります、えー、ものですけれども。これはアメリカのコネティカット州で出ているこういう冊子ですけれども。これ20ページぐらいのこういう冊子が、コネティカット州、ニューヨークの北東にあるところですが、そこで出ています。コネティカット州原子力発電所非常事態対策ガイドというものです。で平常時からですね、こういうものが近隣住民に漏れなく配られていて、それには非常事態がどんなものであるか、つまり私たちは、安全なように原発を運転していますけれども、それでもなおかつ非常事態が生じるかもしれません、ということで非常事態とはどういうものか。で、屋内退避を指示されたらどうするか。避難移動を指示されたらどうするか。それから子どもが学校保育所に行っている場合はどうするか。そういうことが、簡潔ですがもれなく記されています。でこういうモノが常時配られているわけです。で電話帳に避難場所が出ています。」
「でそういう事を日本では何もしてこなかった。いきなりもう避難しろ。飯舘村なんて40何キロ離れてても急にでていけ。もう牛もおいてけ何もおいてけ。あまりにもひどいわけで、これからは早急にこういうものを全国民に、原発周辺の人々に配る必要があると思います。以上です。」
(文字おこし、ここまで)
(関連エントリー)
下記のエントリーから他の学者の発言を文字と画像で読めます。
【速報・動画まとめ】原発事故の現状を整理できる!小出裕章、後藤政志、石橋克彦、孫正義が参考人の参議院行政監視委員会
小出裕章氏のプルサーマル発電批判がわかりやすすぎる!(文字おこし)
神戸大学名誉教授、石橋克彦。かつて国会にて浜岡原発を始め原発の危険性を述べたこともあります。地震を自然活動の1つと捉え、大きな視野で原発の危険性を説明しました。センセーショナルな「地震付き原発」という言葉で議員に強く訴えました。また、次に危険な地域は、若狭湾だと発言しました。今後国会につくる第3の監視機関に外国人識者を登用するという話に怒りを表明し、国内の優れた識者を用いるべきだと激しく主張しました。
※石橋克彦氏の発言は、以下のリンクから、文字おこしと画像で読めます。
石橋克彦参考人(地震学者)特殊な地震国日本の原発に対し重大な5つの警告(文字おこし)
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65737490.html
参議院行政監視委員会での4人の参考人の地震学者の石橋克彦の意見、特殊な地震国日本の原発に対し 重大な5つの警告
※5月27日、石橋氏が資料として提出したマンガを加筆した。
2011年5月23日参議院行政監視委員会における石橋克彦氏の発言の文字おこしです。石橋氏は大震災の数年前に国会で地震がもたらす原発災害に警鐘を鳴らしており、今回、再び、強く警鐘を鳴らしている。地震学者の見地から、原発政策を否定。福島原発の損傷が、津波ではなく地震によっておきたことを強調。また過去に国が行い「安全」と認めた耐震チェックに誤りがあったことを示唆。また震災後に全原発を検査したことに対し、そもそも国が定めた原発指針に反していると指摘。など、多くの重要な事項を述べている。地震特にの付き合い方を考える際の手本となるだろう。難しい言葉もあるが、ゆっくり読んでいただければ幸い。
(動画34:13から、文字おこし、始め)
「石橋です。どうぞよろしくお願いします。っと、わたくし目の手術をしてから日があまりたってないものですから、ちょっとまだ見るのが不自由でもたもたして、ちょっと時間をオーバーするかもしれません。あらかじめおゆるしください。」
「でえー、であのー、インターネット中継にはこういうスクリーンのほうが良かったのかもしれませんけど、委員会の審議は基本的に紙ベースだとうかがっておりましたので、わたくしの資料は紙だけです。えーお手元にありますダブルクリップでとめたものです。で、えーと、資料1から7までと、それから追加が2点とじてあると思いますけど。時間が限られてると思いますのでこの1枚目のですね、A4のカッコ要点と書いてあるレジュメに沿ってご説明します。それで細かいところは、ご関心があればまたあとで質問していただければと思います。」
「で、えっとまずゼロと書いてあります、あ、すいません……(※メガネをかける)。」
「えっと6年前ですね、2005年の2月の23日の第162回国会の衆議院の予算委員会の公聴会にわたくし出席しまして、原発震災という話もいたしまして警鐘を鳴らしたつもりだったんですけれども、残念ながらこの国会の中ではそれが響かないで、役に立たなかったようで、大変残念に思っております。ということを最初にちょっと言わせていただきます。で今日のわたくしのあの、意見が多少なりともお役に立てばいいと願っております。」
「で、次に1ポツでありますけれども、あの福島第一原発の大事故はですね、その、大津波によって非常用ディーゼル発電機が全部死んでしまった。で、全電源喪失がおこって冷却ができなくなったからである、と言われておりますけれども、実は地震、津波の前にですね地震の揺れ、そのもので重大事故が発生した可能性がかなり大きいと思います。でこれは非常に重要なことなんですけれども、あのー、ことさらなにか、それに触れないように社会の中にはされている感がありますので、ここで強調しておきたいと思います。」
「あの田中三彦さんという方が、すでに4月のはじめに発売されました岩波書店の「世界」の中に書いていらっしゃいます。し、それが4月の末に発売された「科学」の中でも書いていらっしゃいますけれども。要するに、1号機、地震の激しい揺れによってですね、まず1号機では配管の破損がどこかで生じたであろうと。それによって冷却材の喪失がおこった。つまり、冷やすという機能が喪失した。でこれがまあメルトダウンにつながった、という推定です。で田中さんの議論は、あの東京電力から公開されておりますデータ、格納、いや圧力容器の中の水位、圧力、それから格納容器の中の圧力、そういうデーターを詳細に点検されての議論であります。」
「であの2号機ではですね、地震の激しい揺れによって、圧力抑制室に損傷が生じた可能性が大きい。でこれは、閉じ込める機能が喪失されたわけです。でこれでまあ放射能も露出しますし水素が漏れ出て、それが2号機の水素爆発につながったのであろうと、そういうことを田中さんは主張しておられます。」
「でこれはわたくしは地震学が専門でありますけれども、地震学的にも十分ありうることです。で、東京電力から発表、いや公表されております、原子炉建屋の一番下の基礎盤というところの揺れがですね、耐震設計で想定している揺れより、2号機、3号機、5号機、の東西方向の揺れでは、あのそれをオーバーしております。あと確か16日に他の地震のデーターも公表されましたけれども、地下の記録なんかでもですね、耐震設計の基準とする地震動をこれは今後更に分析してみなければ正確なところわかりませんけれども、オーバーしていた可能性があります。」
「で、ただその、想定より超えた度合いはですね、2007年の柏崎刈羽の時と比べると、それほど甚だしくはないんですけれども、超えていること自体、非常に重要です、し、」
「今回地震学的に大変注目すべきことは振動の時間が非常に長かったわけです。M9.0という、えー、地下で地震波を出している時間自体がべらぼうに長くて3分ほど出していたんですけれども、それをうけた福島第一原発の揺れも、あの非常ーーに長時間続いたために、長時間の繰り返しですね、繰返し荷重というものによって損傷を起こしたことは十分考えられるわけです。」
「で一方、非常に重要なことは、5つ目の黒ポツに書いてありますけれども、福島第一原発は、2009年に安全保安院と原子力安全委員会によってですね、耐震安全性が、えー確認されています。つまりえー、止める・冷やす・閉じ込める、という機能が、あのー、ちゃんと備わっていると、そういうふうに、認められたわけです。」
「ですけれども、今回、それは、誤りであった可能性が大きい。これはまだ断定出来ませんけれども、この問題は非常に重要ですから、あのー、厳重に、議論する必要がある。ところが今のところはそこをなんとなく避けているようです。」
「で、なにか訊くところに寄りますと本日東京電力からなんか発表があるみたいで。えー、っとその津波が来るまでは配管の破損なんか生じなかったんだという発表があるようなことをチラッと聞きましたけれども、とにかくこれはもう……こ、公開の場でですね厳重に議論されなければなりません。」
「で、その想定の揺れを既に超えている事自体、改定……2006年に改定された耐震設計審査指針に問題があるということを意味していますし、それからあの、もし重大事故が地震の揺れで起こったとすれば、尚更のことですね、あの全国の原発の耐震バックチェックというのが、2006年以降2007年行なわれておりますけども、それの審議のプロセス及びその結果、それが、の信頼性が失われるわけで、これ全部やり直す必要が出てまいります。」
「それから2番目ですけれども、2ポツ。3月30日に原子力安全保安院が電力会社に指示を出しまして全国の原発について、あの、津波の緊急対策をするように、という指示を出しました。でこれはあの、全国の原発が福島第一原発のような大津波を被って、全電源喪失、全交流電源喪失というような事態になっても大丈夫なように、緊急安全対策をしなさい、ということで。で、全部の電力会社がですね。電源車を用意したり、それから高いところに、応急的な貯水槽を設けたりホースをたくさん用意したり、でまあそれを捜査する訓練をしたり、そういう事をやっていまして。でこれでその安全性がまた格段に上がったということが言われていますけれども。」
「この一連の事態は非常に大きな問題を含んでいます。」
「まず2つ有りまして、1つは先ほど言いました第1点の問題を無視していることです。で津波対策だけすれば大丈夫だなんてことはないわけで、耐震設計審査指針を見なおしてバックチェックもやり直さなければ安心とは言えません。」
「それから2つ目の問題としてはですね、その保安院自らが全国の原発で大津波と全電源喪失ということを想定しなさいといったわけですけども。そういう事を想定すること自体が、原子炉立地審査指針というものに反しています。」
「でこの原子炉立地審査指針というのが資料3に1枚紙でついておりますけれども、えーこれはあの、一連の安全審査指針類の一番元に来るものでありまして。昭和39年に原子力委員会が決定したものです。」
「で、えー、この1枚紙あの、以下を略してあるのですけれども、この最初のところだけが書いてあります。」
「であの原子炉立地審査指針の基本的な考え方として、原則的立地条件としてですね、あのーその、1.1の3行目、2行目の終わりから、万一の事故に備え公衆の安全を確保するためには原則的に次のような立地条件が必要である。でそのカッコ1ですね。大きな事故の誘引となるような事象が過去においてなかったことはもちろんであるが、将来においてあるとは考えられないこと、また災害を拡大するような事象も少ないこと、こう言うことが原則的に立地条件として必要であると謳っているわけです。」
「ところがですね、その大津波、とそれによって全電源喪失というその大きな事故ですね、これをその全国の原発で想定しましょう、というわけですから、あのこれは、驚くべきことです。そんなものはその立地の条件に反しているわけです。」
「で、そもそもこの、人間の良識というか常識から考えてですね、大津波をかぶるようなおそれのある場所で原発を運転するということ事態、わたくしは正気の沙汰ではないと思います。」
「えーこれはあたかも、真冬にですね暴風雪警報が出ている北アルプスで、67年、60歳70歳代の熟年ツアー登山をやろうと行ってるようなもので、えー、と、とてもおかしい。」
「で原発、たかが原発です。たかが発電所なわけです。えーその、例えば、遭難した漁船を救うための巡視船なんてのはどんな荒波でも公開しなきゃなんないでしょうけれども、発電するためになにも、こんな危ないものをですね、その大津波のあるところで頑張って運転することはないとわたくしは思います。」
「それから3番目。原子力安全保安院と原子力安全委員会というものが、現状では、残念ながら、これは原発擁護機関になっています。で、えー、福島第一原発の事故3.11以降を見ていてもそうですけれども、これまで、お二人の参考人からもそういう話有りましたけれども。」
「わたくしが直接関わった例としてはですね、2007年柏崎刈羽原発が新潟県中越沖地震で被害を受けて全7基が止まったということがありまして。その時、ですね、わたくしは新潟県のあの、非常任?委員会の委員として議論に加わっていたんですけれども。あの、運転再開に向けてですね、何人かの研究者から存在が指摘されている柏崎刈羽原発の沖合の海底活断層、あの非常に長大な海底活断層。これを無視しました。」
「で、あの、東京電力は長さ36キロの断層だけ、一部分だけを取り上げてそこにM7.0の地震を想定したんですけれども。可能性としてはもっと長大な60キロくらいの長いものがある可能性がある。で、そういうものはですね、原発の場合は安全サイドに立って当然考慮しなくてはいけないんですけれども、それを無視しました。でこれは、ある意味、もう原発耐震偽装と言ってもいいことでありまして、これは詳細は資料4に書いてあります。で、そういう事を保安院、安全委員会も率先してというか、組織的に行なったわけです。」
「で、これに関しては資料4の補足という、資料、資料4の追加という別の後ろのところにあると思いますけれども。まあわたくしはそのことを、この資料4のように岩波の科学という雑誌に書いたんですけれども、さらに、毎日新聞に一般向けに投稿しました。」
「でところが、それに対して原子力安全委員会は、毎日新聞社にですね、わたくしが書いたその発言責という原稿、だから書いた責任は私にあるわけですけれども、毎日新聞社に、わたくしには何も言ってこないで、毎日新聞社にあの記事はおかしいから訂正しろ、なんか取り消せなんかいうことを言っていった。そういう事までありまして、非常に問題であると思います。」
「で、えー、実はこういう原発を擁護する、についてはですね、あのー非常に多くの地震地質の専門家、ま、研究者ですね、それがあの、加担しています。そのー、改訂活断層を無視する、ことに加担している。えーー、これは日本活断層研究会という学会のシンポジウムの時の議論なんかでもあからさまにそういうことが出てまいりました。ちょっと詳細は省略しますけれども。でこれは、こういう、状況はですね、研究者の倫理ということもありますけども。あのー、もっと根深くはですね、政府系の研究機関あるいは国立大、有名旧国立大学そういうところの研究者が加担せざるを得ないような構造的な問題があります。でそのー、反対意見があっても、良心的な人はせめて黙ってるくらい、のことしかできないという構造があります。これは国民にとって非常な不幸であります。」
「それから4番目。でそもそも日本列島は地球上が最も原発建設に適さない場所です。えーと資料5というのに1枚紙で地図がありますけれども。これは世界中の地震をプロットしますと、まあ地球上では地震というのは線上またはベルト上に起こっているわけですけども。非常に活発な地震活動のベルトの中に日本列島は全域がすっぽりはいってしまう、わけです。えーこれが面積でいいますと、日本の国土とそれから領海と排他的経済水域の一部、合計した場合、地球の総面積の0.3パーセント弱ですけれども、その範囲内にですね。実に地球の地震、全地震の約10%が集中しています。で、こういう所にはそもそも原発はつくるべきではないのです。」
「でそれは欧米では常識なことです。ドイツやアメリカの原子炉の規制の条件。それから現実にあのー、日本だったらゴミみたいな活断層が問題になって原発が閉鎖された実例を見てもですね、えー、もしフランス人やドイツ人が日本列島に住んでいれば、彼等は絶対にこんなところに原発は作らないであろうという。もう常識的なことです。で日本が異常なんだと思います。」
「で、省略しましたけれども、カッコ1から、レジュメに書いてあります、カッコ1からカッコ4まで、非常に基本的な原発とそれから地震に関する条件というものがありまして、そういう事を考えればですね、その地震列島における原発は制御された安全の範囲で大丈夫だから運転しようというのでは、困る、のです。先程後藤さんの話しにもありましたけども、それでは困る。で本質的な安全でなければ、日本列島に住んでいる人間にとっては、全く不幸であって、で本質的安全というのは、あのー、原発が存在しないことであると思います。」
「で、これに関して一番最後にあります資料5の追加という漫画がありますけれども、えっと、これは昨日思いついて急いで書いたんですけれども、こういうことでも書かなければあまりにもわからない。」
※会場笑い。
「特にですね、その経済、経済界の人、あるいは政治行政、まあそういう話を聞いている一般国民。どうやらまるで分かっていないらしいというので、書きました。」
「で原発というのは本質的には世界中で同じ問題を抱えています。これは小出さん後藤さんがご説明があったようなお、あのー深刻な問題があります。」
「ですけれども、わたくし、地震学をやっている人間として、現実的なことを考えるとですね、日本の原発はフランスやイギリスやドイツとかそういうところの原発とは違うんです。」
「何が違うかというと、日本の原発は、地震付き原発であると。そのフランスやドイツと同じ原発があって、それを日本列島に立てた場合、たまたま近くで近くで地震が怒るかもしれませんよ、なんていうそんな生易しいもんではなくてですね。もう日本の原発は全て、まるでおんぶおばけみたいにですね、こうやって地震がくっついているわけ、地震がセットになってあるわけです。ですから、地震付き原発なんてものはあっては困ると。まあそういう事であります。」
「で、したがいまして、今後、新設増設というのはやめてほしい。で建設計画中のものも、まあやめるべきでしょう。でーえー耐震設計審査指針に不備がある可能性が非常に高いとさっきいいましたけれども。現にまあ不備がある。その基準地震動の策定に不備があったわけですから不備がある。再改定しなければいけないという議論も有りますけれども、その新設増設をしなければですね、その設置許可のための指針というものが要らなくなるわけで。」
「でわたくしとしては、むしろリスク評価のための指針。あるいは安全運転を管理する保安のための指針。というものを厳重に作り直した上で。で早急に第3者機関を設立してですね、日本列島の全原発に関してリスク評価をして順位付けをして、でリスクの高いものから順に、今あるものもですね、閉鎖していく。というようなことを真剣に考えなければいけない、と思います。」
「であの、筆頭は浜岡原発でありますけれども、これはその、津波対策が完了するまでとりあえず閉鎖、なんてものではなくて、永久に閉鎖する必要があります。といいますのは東海地震による地震の揺れ、それから大きな余震の続発、それから地盤の隆起変形、それから大津波、それが全て恐ろしいのでありまして、あの津波対策さえすれば大丈夫というものではありません。」
「えー、でこれ資料6に有りますけれどもわたくし2009年に新政権が誕生したときに、期待を込めて、浜岡を止めて欲しい。で原発震災を回避することが新政権の世界に対する責任であるという事を書きましたけれども。残念ながらそれはやっと、福島第一原発のあの悲劇を経験した後でなければ実現しなかった。」
「で、この資料6の最後に書いてありますが、手をこまねいていれば薬害エイズやBSE問題を超越した不作為の大罪を犯すことになるだろうと、2009年にわたくしは書きましたけれども。結局、その不作為の大罪を犯してしまったことになります。でこれは決して現在の政府の責任だけではなくて27年間の歴代の政府がですね、積み重ねてきた国民に対する、あるいは世界に対する罪であると思います。」
「それからもう1つ。浜岡以外の原発は大丈夫というようなことが言われていますけれども、とんでもないことでありまして。あの、もうこれはちょっと省略しますが、下に1、2、3、4、5つ黒ポツに書いてありますように、いろんな理由があってですね、あの若狭湾の原発群を始めとして日本全国危険な原発はたくさんあります。でそれらについて早急に点検をして、えー順次閉鎖に向かっていくことが必要です。」
「あ、すいません。あと最後に一つだけ、5ポツを追加します。」
「でそうは言いましてもまだ我々は当分原発に付き合っていかなくてはなりません。それから止めたからと言ってそれで安全なわけではなくて、使用済み核燃料が原発に保管されている。それがあと何10年も安全に管理しなければならない。でその間には地震が起こるでしょう。そういうことでですね、その原子力災害対策特別措置法であるとか原子力防災指針、あるいはそれによるEPZの範囲ですね、そういうものは早急に改めなければなりません。」
「で、最後にちょっと紹介したいのは、資料7にあります、えー、ものですけれども。これはアメリカのコネティカット州で出ているこういう冊子ですけれども。これ20ページぐらいのこういう冊子が、コネティカット州、ニューヨークの北東にあるところですが、そこで出ています。コネティカット州原子力発電所非常事態対策ガイドというものです。で平常時からですね、こういうものが近隣住民に漏れなく配られていて、それには非常事態がどんなものであるか、つまり私たちは、安全なように原発を運転していますけれども、それでもなおかつ非常事態が生じるかもしれません、ということで非常事態とはどういうものか。で、屋内退避を指示されたらどうするか。避難移動を指示されたらどうするか。それから子どもが学校保育所に行っている場合はどうするか。そういうことが、簡潔ですがもれなく記されています。でこういうモノが常時配られているわけです。で電話帳に避難場所が出ています。」
「でそういう事を日本では何もしてこなかった。いきなりもう避難しろ。飯舘村なんて40何キロ離れてても急にでていけ。もう牛もおいてけ何もおいてけ。あまりにもひどいわけで、これからは早急にこういうものを全国民に、原発周辺の人々に配る必要があると思います。以上です。」
(文字おこし、ここまで)
(関連エントリー)
下記のエントリーから他の学者の発言を文字と画像で読めます。
【速報・動画まとめ】原発事故の現状を整理できる!小出裕章、後藤政志、石橋克彦、孫正義が参考人の参議院行政監視委員会
小出裕章氏のプルサーマル発電批判がわかりやすすぎる!(文字おこし)
参議院行政監視委員会での4人の参考人の後藤政志の意見
参議院行政監視委員会での4人の参考人の後藤政志の意見
芝浦工業大学非常勤講師、後藤政志。格納容器の設計者として、格納容器のもつ一般的なリスクを踏まえた上で福島事故を捉えて説明しました。語り口は決して饒舌ではありませんが、誠実かつ細やかな説明で、私たちと原発技術の架け橋的存在です。
※後藤政志氏の発言は、以下のリンクから、文字おこしと画像で読めます。
後藤政志(原子炉格納容器設計者)の原発批判。シビアアクシデントは原子炉の特性(文字おこし)
後藤政志氏は、元東芝の原子炉格納容器設計者だ。今回の震災のおり、その直後からUstream中継で、連日数度にわたり、リアルタイムに事故の様子を説明し続けてきた。氏の言葉は専門的な言葉が多く、またその喋り方は決してなめらかではない。しかし、氏の技術的な視点は、私たちの理解を別の視点から深めてくれる。原発のデザイン設計の段階から、事故の対処まで、技術的に容認できない欠陥があることを鋭く指摘している。文字に起こしたものは、ひょっとしたら読みにくいかもしれない。だが動画と補完して読めば、必ずあなたの理解を深めるだろう。
芝浦工業大学非常勤講師、後藤政志。格納容器の設計者として、格納容器のもつ一般的なリスクを踏まえた上で福島事故を捉えて説明しました。語り口は決して饒舌ではありませんが、誠実かつ細やかな説明で、私たちと原発技術の架け橋的存在です。
※後藤政志氏の発言は、以下のリンクから、文字おこしと画像で読めます。
後藤政志(原子炉格納容器設計者)の原発批判。シビアアクシデントは原子炉の特性(文字おこし)
後藤政志氏は、元東芝の原子炉格納容器設計者だ。今回の震災のおり、その直後からUstream中継で、連日数度にわたり、リアルタイムに事故の様子を説明し続けてきた。氏の言葉は専門的な言葉が多く、またその喋り方は決してなめらかではない。しかし、氏の技術的な視点は、私たちの理解を別の視点から深めてくれる。原発のデザイン設計の段階から、事故の対処まで、技術的に容認できない欠陥があることを鋭く指摘している。文字に起こしたものは、ひょっとしたら読みにくいかもしれない。だが動画と補完して読めば、必ずあなたの理解を深めるだろう。
(動画16:50から、文字おこし、はじめ)
「え、後藤でございます。よろしくお願い致します。わたくしあの、10数年間にわたって1989年からなんですが、10数年にわたって東芝で原子力プラント、特に原子炉格納容器の設計に携わってまいりました。で原子炉格納容器と申しますのは放射性物質を外に出さない。事故の時に閉じ込めると、いう容器でございます。その設計を担当してました。その立場からですね、原子力事故、今回の事故、および原子力事故というのはどのようなものであるかということを若干おはなしをさせていただきます。」
「原子力安全のシステム、がまあ考えますとですね、福島第一原発に限らないんですけれども。よく言われますように原子炉を止める、止めるってのは核反応を止めるっていう意味です。で、制御棒って言うのがありまして、それが燃料棒の間に入りますと核反応が止まります。」
「でしかしですね、今回止まったわけです。福島の第一、1号から3号全部ですね。ですけどこれはですね、実は止まったというのは運がいいという面があるんです。既に何回も制御棒の事故を起こしてる。地震で制御棒が必ず入るとは断言できなかった。今回は良かったということなんです。
「でそれは福島第一原発の3号だとか志賀1号で臨界事故というのを起こしてます。」ちょっと先に回しますと、次のページにリストがあるんですけど、10数件にわたって制御棒が脱落あるいはご挿入、つまり制御棒がコントロールを失った事故があって、しかもは、それは20年以上にわたって隠されてた。そのうち2件は臨界に達してる。臨界というのは予期せずに核反応が進むわけです。原子炉の中で。」
「こりゃとんでもない話なんですね。私は原子力の仕事に携わったときにですね、制御棒だけは絶対事故を起こさない、って言うふうに確信、確信って言うより周りからそう言われてましたし、設計者もそう言ってましたから、これだけはないだろうと思ってたんですね。ところが2000年代になってきたらこれだけわかってきたわけです。」
「この段階で私は、格納容器の問題もありましたけど、制御棒で、これだけの事故を起こすってことは、こりゃ原子力成立しない、技術的に。という風に思いました。」
「さて次ですが、今回は制御棒はうまく入ったわけです。で、冷やす、閉じ込める、ということになりますが。冷やすという意味は、原子炉を止めましても、その後、崩壊熱と申しまして、ずーっと長期にわたって、1年オーダーにあたって、冷やし続けないと燃料が溶けてしまいます。で今回は冷やそうとしたんですけど、地震で電源がこう、無くなって、津波あるいはその他の原因もあると思いますけれども、機器類、ポンプ類が動かなくなった。それで、特に水没したものもございますけれども、それによって多重、つまりいっぱいつけてある機械類が全部ポンプ類が動かなくなって冷却ができなくなった。こういう事になります。」
「それで炉心、つまり燃料がだんだん水面に出てきて溶けてくるわけですね。中からすごく熱が出てますんで。その熱で水蒸気と反応して、その被覆管って言うんですけど、管があって。そこから水素が出て、ま、今回、爆発等も起こりました。」
「でこの事故の経緯で、最近メルトダウンとか言う話、初めて出しましたけど、これはもう、11日か12日の段階ですね、3月の12日の段階で、炉心の損傷、炉心の冷却ができなくなっていて、格納容器の圧力も相当に上がって、この段階でほぼ、こういう道に行くのは間違いないという形だったわけですね。」
「でまあ、炉心、つまり圧力容器も壊れ、非常に不安定な状態でそれでもずーっとなんとか作業を通じて冷却を維持してきた。今でもですね、不安定なんです。原子力プラントの中のシステムで冷やしてるんじゃない。外から付け足して、一部回復したところもございますけれども、基本的には装置が駄目になったので、外から人海戦術でなんとか維持してきてここにきてると。そう言う不安定な状態だということです。しかも閉じ込め機能も失ってる。になります。」
「でこれをですね、設計の方から申しますと、こういうふうに大きく見ましてですね。設計の想定の範囲と、それから制御不能な範囲というふうに考えますと、通常状態とか過渡状態とか事故って書いてますけど、要はある事故ですね、冷却材喪失事故ってのはまあ水が出ちゃうとかですね。それから電源がなくなるとか、そういう事も原子力プラントは当然考えてるんです。」
「そこでこういうふうに設計してるんですが、今回のように更に止める、冷やす、閉じ込める、という機能をですね、ある地震、津波、その他の、多分これは危機の故障、それから人為的なミスも絡むと思います。それでここに書いてあるシビアアクシデントという、いわゆる制御不能の状態になる。これが今回の事故なんですね。」
「こうなりますと水素爆発とか、水蒸気爆発とか、再臨海とか非常に危機的な問題を生みます。」
「で、図で、えーご説明申し上げますと、炉心が溶けて落ちますと、そこがそれが圧力容器、厚さ10数センチの厚い容器の中に落ちます。ここで冷却ができなければ、そのまま溶けて下に落ちます。更にここで冷却できないと、そのままコンクリートを侵食してどこまでも行く。これをまあブラックジョークですけれども、チャイナ・シンドロームって言ってるわけなんですね。」
「でこの段階で冷却をするために水を入れます。水を入れますと溶融物、非常に高温の溶融物に水が接触すると、水蒸気爆発の危険性が極めて高いんです。」
「これは火山。火山においてマグマが水と接触した沖に爆発です。こういう現象を起こします。」
「さらに冷却に、をしていきますとですね、その段階で、ま、冷却にうまくいけばいいんですけれども、ここにありますように、流れてきますと、格納容器の後半、鉄板ですね、だいたい厚さ2、30ミリなんですが、それを溶かしてしまいます。そういう壊れ方もあると。」
「でこれは事故ですから、どのプロセスに行くかは、その経過とですね、よってかわります、当然。ですが、どれを行ってもおかしくはなかった。今回はここの少なくとも、水蒸気爆発ですね、これは起こってない。」
「水素爆発は起こりました。何かといいますと、中の水素が格納容器のあるところから出まして上で爆発した。これがもし格納容器の中で爆発現象を起こしてて、そのまま格納容器が破壊してたときには、今のケタ違いの被害になります。」
「今回の格納容器は、まだ一部損傷してますけど爆発的に全部出たんじゃないんですね。爆発は建物、つまり格納容器の上、で爆発して一部出ちゃった放射能が飛んだだけなんです。そういう関係になります。」
「で原子力技術の特徴について、申し上げます。」
「ま私の、えー、理解では、非常に技術が細分化している。これはあの、全般の原子力にかかわんない、あの限らない面もあるんですけれども。特に原子力においては全体像が把握しにくい。技術者はなかなか周囲の仕事を知らない、形になってしまう。」
「そうしますとですね、設計の段階での管理、これはあの、設計をどういうふうに変更するかとか、設計したものがこれでいいのかっていう、デザインレビューとか言うんですけど、いろんな分野の人間が審査したりする。」
「そういう事をやってきてるんですけど、どうしても技術というのは、非常に危機感を持って、例えば、事故が起こるとか安全はどうだということを考えながらデザインレビューしてれば意味がありますけれども。こんな事故が起こるはずがないと思ったデザインレビューというものは形骸化します。形式的にやるだけなんです。」
「私の経験してるとこでも、当初、最初の頃はかなりデザインレビューがしっかりしてた。それから5年、10年たつに従って非常に形骸化して言った。そういうふうに思います。これは安全審査についても言えます。そういう形でどうも見ていますと、技術のわかる専門技術者が本当にいるのかと審査に。という印象を受けます。」
「それから、更にですね、事故が、まあ多発してるということです。これはですね、軽水炉、つまり今回の福島の事故に限らない、軽水炉と申しますのは、沸騰水型と加圧水型の2種類ございますけども、今日本で使われている通常の発電所の原子炉で、今回の事故だけではなくて、いろんなところで事故が多発している。細かいことは省略しますけれども、同じく高速増殖炉もんじゅも実用がしてない。どころかトラブルの連続。」
「一部、燃料棒をこう、交換するためにですね、燃料交換するために入れた装置が、ちょっと引っかかちゃった。それでおっこっちゃったんですね。ちょっと傷ついたわけです。でそれを持ち上げようと思ったら、引っかかって上がらない。普通、機械ではよくあることです、そんなものは。1週間もあればなおります。ですけどそれはナトリウムがあるから見えない。出そうと思うと、燃料出せばいいんですけれども、燃料はナトリウムの中にないと危ないんで。そうすっと、それを出すための装置が壊れてる。なにも出来ないっていう状態が、半年、1年続くんです。こんなの技術じゃないんです。設計の立場からいうと、何を考えてるのか。そんなことを、1つのものが壊れてですね、何も出来ないのは技術じゃありません。設計の立場からそういうふうに言えます。ということなんですね。」
「それからも1つはやはり安全設計と被曝労働。これは問題がある。被曝を前提とした安全設計というのは私は非人間的だと思います。5分で行ってきて入ってこうやるわけですね。その時に仮にそれがね、そういうやり方がいいとしても、難しいのはですね、コントール出来ないんですよ。確実にね、被曝をぜ、あの、ある???なんてそんなこと私は信じられません。人間ってのはどうしてもミスもありますし。そういう事を考えますとこれは、とても私は人間的な労働だと思いません。」
「それから処分ができない大量の放射性物質。これも良くトイレなきマンションと言われてます。」
「さて、現在の事故をどう見るかといいますと、炉心が冷却、炉心の冷却を続けてます。たしかに現在全体の温度はですね100何度とか100数10度オーダーまで降りてき、落ちてきています。ですけどまだ依然として、もし冷やすことをやめればそのまま進むわけですね。そういう関係になってる。」
「しかもですね、溶けた溶融物が、メルトダウンしたっていいましたね、そうしますと圧力容器の中にあんのか格納容器の中にあるかすらはっきりしない。全く中はわかってないんです。ただし水を入れたらなんか冷えてるらしい。」
「つまり技術的に見ますと、ちゃんとした、わかってコントロール出来てるわけじゃないんです。そうであろうといって推測でやってる。これは最初のメルトダウンといったのがよくわかりますよね。最初に全く、炉心一部燃料損傷って言ってたのがメルトダウンだった。これだけ違うわけですから、今の状態に対してどれだけ責任を終えるんですか。中を見れるんですが。圧力温度は正しいんですか。どれ1つ、私は疑って見ざるをえないという状態にあるんですね。もちろん今の状態が以前よりはだいぶ、少し楽になってきてんのは明らかです。ですけど事故というのは、そういうところから思わぬところから発展して大きな事故になるわけです。そうしますとこれからも安定させてやることが以下に難しいかということを、まあ言ってるわけです。」
「あと、同時にですね、1号機、2号機、3号機とも、格納容器が損傷してます。格納容器が損傷してることは、そのまま放射能が外にでてるってことです。で、外に出てます、既にたまった10万トンに近い放射性物質を帯びた水がですね、海や地下水に漏れ続けてるんです。これは今大量に滅茶苦茶に漏れてるとは申しません。もちろんそのコンクリがありますからね。ですけど容器じゃないんです。格納容器のように閉じ込め機能を持ってないんです。ですからコンクリートが割れたらそこから行きますし、すじ?のところから行く。流れてくわけです。そうすっと、現在は大なり小なり放射性物質を垂れ流している状態が続いていると。そういう認識です。」
「それはなんとか既存の陸上タンクなりメガフロートや???でもいいです。格納機能を持ったところに入れる、ほうが先決だと思います。その上で処理をする。思います。」
「で、原子力の技術について考えますと、どれも究極な選択になってる。先ほど申しましたように、冷却しようとする。冷却に失敗すると、失敗するといいますか、水を入れると水蒸気をおこす。あるいは格納容器がそうなんですが、今回、圧力が上がりすぎたんでベントすると。どういう事かって申しますと、格納容器は放射能を閉じ込めるための容器ですから、それをベントするという意味は、放射能を撒き散らすということを意味してる。つまりですね、このままほおっておくと、格納容器が爆発しちゃう。最悪だと。」
「だけど漏らすってことは逆に放射能を出すんですよ、そのまま。人に向けて放射能を出してるんですよ、これは。なんでその認識がないかってことなんだ。その時に格納容器のベントするということの意味をどれだけみんなが分かっていたかってことになる。そこは非常に重たい問題なんです。」
「特にこの問題は、説明がですね、非常に私は間違っていると思います。きちんとした説明してないと思います。また安全をどう見るかですが、まあ、状況が把握できない、ということは非常に問題だということ。」
「もう1つはですね、安全性の哲学といいますかですね、安全の考え方が不在だというように思います。確実でないことを安全とは言えませんので、多分大丈夫だとか危険な徴候がないからいいだろ、こういうグレーゾーン問題と呼んでるのですが、こういう問題が論理的に起こりうることは、いつ、かつ、起こるかわからないわけですから、そうすると、そう言う理屈の上でですね、ある形で起こりうる事故というのは論理的に起こりうるんですね。これはその上に安全技術を築くのは砂上の楼閣だと、いう風に思います。ええ、これグレーゾーン問題ともうしますけれども、これはちょっと省略させていただきます。」
「で、福島の原発事故はですね、直接的には地震と津波でした。ですけど、これに危機のトラブルだとかあるいは人為的なミスが重なってるだろうと思います。でそういうことから、最終的には事故解析やるわけですけど。基本的には自然条件の設定が間違っていたこと。で津波が例えば何メートル、間違ったとして、仮に対策をこれからするとしてもどれだけまでやればいいかってことは非常に問題です。地震も同じです。また、例えば津波や地震、一部対策をしてもですね、それで、こういうシビアアクシデントが起こらないかっていうと、そんなことはないんです。」
「落雷でも台風でも竜巻でも、ある多重に何処かをやられてしまえば、あるいはそんな外的条件なしで、危機が故障して、それに人為的なミスが重なると、シビアアクシデントになります。つまりシビアアクシデントはですね、発生確率が小さいとして無視してきたんです、これまで。これが最大の問題です。これは原子力安全委員会の責任が重大というふうに私は思ってます。」
「またシビアアクシデントは原子炉の特性であって、不可避であると。つまり地震津波はその入口であると理解しております。」
「でこれはあの規制のことで細かくは省略していただきますが、1992年に既に原子力案是認委員会で対策を取ることは言ってた。ただ、しかしそれは、法的な規制をしない、民間の自主的な規制によると、こういう話でした。」
「で、えー、図の上でちょっと概念を申し上げますと、横に時間、縦に出力と申しますか通常のものは他のエネルギーシステムの場合には横にだんだん寝てきますけれども、原子力は赤のように立ち上がってくるわけです。それを途中で安全装置を働かせて、抑えこむんです。その安全装置は何重にもなってます、たしかに。4重にも5重にも。でもそれが全部突破されると自然とですね、原子力は……だ、ダメな方向に行ってしまうんですね、制御不能な状態になる。これが特性なんですね。これが原子力の特徴だと思います。」
「それを事故防止ができるかどうかって言うことで、事故の発生防止とか事故の影響緩和とかを考えまして、どういう対策をしても、事故、ある確率ですね、確率は小さいけども、そういう事故が起きてしまうっていう場合には、それは受任できない技術だと。」
「つまり技術をですね、ある技術だったら全部使っていいわけじゃなくて、その技術はほんとに大事故を防げんのか。防げないとしたら、起きたときの影響とはどの程度か。それが受任できない技術はやめるべきだとそういう意味です。」
「従いまして我々の、我々はですね、最悪の事故の可能性を考慮する必要がある。今度原子力の事故を起こせば、日本は壊滅すると私は思います。原子力をこれ以上進めるというのであればですね、絶対にシビアアクシデントを起こさない事を証明する必要があります。工学的には、そのようなことは私は不可能だと考えています。つまり危険な原発からは、段階的に止めるなり、するなりしかない。そうしますと完璧な事故対策を模索するというよりも、新たな分野でのエネルギーシフト、が、ほうが遥かに容易であろうと考えます。」
「まあ膨大な原子力予算をですね、他の技術へ向ければ解決可能ではないか。あらゆる原子力関連の利権、そういうものを許してはいけない。そういうものからもう一度全体を見なおして、エネルギー政策全体、を見なおして、原子力から脱却してくことが、現実的だと思います。以上です。ありがとうございました。」
(文字おこし、ここまで)
(関連エントリー)
下記のエントリーから、他の学者の発言を文字と画像で読めます。
【速報・動画まとめ】原発事故の現状を整理できる!小出裕章、後藤政志、石橋克彦、孫正義が参考人の参議院行政監視委員会
小出裕章氏のプルサーマル発電批判がわかりやすすぎる!(文字おこし)
「え、後藤でございます。よろしくお願い致します。わたくしあの、10数年間にわたって1989年からなんですが、10数年にわたって東芝で原子力プラント、特に原子炉格納容器の設計に携わってまいりました。で原子炉格納容器と申しますのは放射性物質を外に出さない。事故の時に閉じ込めると、いう容器でございます。その設計を担当してました。その立場からですね、原子力事故、今回の事故、および原子力事故というのはどのようなものであるかということを若干おはなしをさせていただきます。」
「原子力安全のシステム、がまあ考えますとですね、福島第一原発に限らないんですけれども。よく言われますように原子炉を止める、止めるってのは核反応を止めるっていう意味です。で、制御棒って言うのがありまして、それが燃料棒の間に入りますと核反応が止まります。」
「でしかしですね、今回止まったわけです。福島の第一、1号から3号全部ですね。ですけどこれはですね、実は止まったというのは運がいいという面があるんです。既に何回も制御棒の事故を起こしてる。地震で制御棒が必ず入るとは断言できなかった。今回は良かったということなんです。
「でそれは福島第一原発の3号だとか志賀1号で臨界事故というのを起こしてます。」ちょっと先に回しますと、次のページにリストがあるんですけど、10数件にわたって制御棒が脱落あるいはご挿入、つまり制御棒がコントロールを失った事故があって、しかもは、それは20年以上にわたって隠されてた。そのうち2件は臨界に達してる。臨界というのは予期せずに核反応が進むわけです。原子炉の中で。」
「こりゃとんでもない話なんですね。私は原子力の仕事に携わったときにですね、制御棒だけは絶対事故を起こさない、って言うふうに確信、確信って言うより周りからそう言われてましたし、設計者もそう言ってましたから、これだけはないだろうと思ってたんですね。ところが2000年代になってきたらこれだけわかってきたわけです。」
「この段階で私は、格納容器の問題もありましたけど、制御棒で、これだけの事故を起こすってことは、こりゃ原子力成立しない、技術的に。という風に思いました。」
「さて次ですが、今回は制御棒はうまく入ったわけです。で、冷やす、閉じ込める、ということになりますが。冷やすという意味は、原子炉を止めましても、その後、崩壊熱と申しまして、ずーっと長期にわたって、1年オーダーにあたって、冷やし続けないと燃料が溶けてしまいます。で今回は冷やそうとしたんですけど、地震で電源がこう、無くなって、津波あるいはその他の原因もあると思いますけれども、機器類、ポンプ類が動かなくなった。それで、特に水没したものもございますけれども、それによって多重、つまりいっぱいつけてある機械類が全部ポンプ類が動かなくなって冷却ができなくなった。こういう事になります。」
「それで炉心、つまり燃料がだんだん水面に出てきて溶けてくるわけですね。中からすごく熱が出てますんで。その熱で水蒸気と反応して、その被覆管って言うんですけど、管があって。そこから水素が出て、ま、今回、爆発等も起こりました。」
「でこの事故の経緯で、最近メルトダウンとか言う話、初めて出しましたけど、これはもう、11日か12日の段階ですね、3月の12日の段階で、炉心の損傷、炉心の冷却ができなくなっていて、格納容器の圧力も相当に上がって、この段階でほぼ、こういう道に行くのは間違いないという形だったわけですね。」
「でまあ、炉心、つまり圧力容器も壊れ、非常に不安定な状態でそれでもずーっとなんとか作業を通じて冷却を維持してきた。今でもですね、不安定なんです。原子力プラントの中のシステムで冷やしてるんじゃない。外から付け足して、一部回復したところもございますけれども、基本的には装置が駄目になったので、外から人海戦術でなんとか維持してきてここにきてると。そう言う不安定な状態だということです。しかも閉じ込め機能も失ってる。になります。」
「でこれをですね、設計の方から申しますと、こういうふうに大きく見ましてですね。設計の想定の範囲と、それから制御不能な範囲というふうに考えますと、通常状態とか過渡状態とか事故って書いてますけど、要はある事故ですね、冷却材喪失事故ってのはまあ水が出ちゃうとかですね。それから電源がなくなるとか、そういう事も原子力プラントは当然考えてるんです。」
「そこでこういうふうに設計してるんですが、今回のように更に止める、冷やす、閉じ込める、という機能をですね、ある地震、津波、その他の、多分これは危機の故障、それから人為的なミスも絡むと思います。それでここに書いてあるシビアアクシデントという、いわゆる制御不能の状態になる。これが今回の事故なんですね。」
「こうなりますと水素爆発とか、水蒸気爆発とか、再臨海とか非常に危機的な問題を生みます。」
「で、図で、えーご説明申し上げますと、炉心が溶けて落ちますと、そこがそれが圧力容器、厚さ10数センチの厚い容器の中に落ちます。ここで冷却ができなければ、そのまま溶けて下に落ちます。更にここで冷却できないと、そのままコンクリートを侵食してどこまでも行く。これをまあブラックジョークですけれども、チャイナ・シンドロームって言ってるわけなんですね。」
「でこの段階で冷却をするために水を入れます。水を入れますと溶融物、非常に高温の溶融物に水が接触すると、水蒸気爆発の危険性が極めて高いんです。」
「これは火山。火山においてマグマが水と接触した沖に爆発です。こういう現象を起こします。」
「さらに冷却に、をしていきますとですね、その段階で、ま、冷却にうまくいけばいいんですけれども、ここにありますように、流れてきますと、格納容器の後半、鉄板ですね、だいたい厚さ2、30ミリなんですが、それを溶かしてしまいます。そういう壊れ方もあると。」
「でこれは事故ですから、どのプロセスに行くかは、その経過とですね、よってかわります、当然。ですが、どれを行ってもおかしくはなかった。今回はここの少なくとも、水蒸気爆発ですね、これは起こってない。」
「水素爆発は起こりました。何かといいますと、中の水素が格納容器のあるところから出まして上で爆発した。これがもし格納容器の中で爆発現象を起こしてて、そのまま格納容器が破壊してたときには、今のケタ違いの被害になります。」
「今回の格納容器は、まだ一部損傷してますけど爆発的に全部出たんじゃないんですね。爆発は建物、つまり格納容器の上、で爆発して一部出ちゃった放射能が飛んだだけなんです。そういう関係になります。」
「で原子力技術の特徴について、申し上げます。」
「ま私の、えー、理解では、非常に技術が細分化している。これはあの、全般の原子力にかかわんない、あの限らない面もあるんですけれども。特に原子力においては全体像が把握しにくい。技術者はなかなか周囲の仕事を知らない、形になってしまう。」
「そうしますとですね、設計の段階での管理、これはあの、設計をどういうふうに変更するかとか、設計したものがこれでいいのかっていう、デザインレビューとか言うんですけど、いろんな分野の人間が審査したりする。」
「そういう事をやってきてるんですけど、どうしても技術というのは、非常に危機感を持って、例えば、事故が起こるとか安全はどうだということを考えながらデザインレビューしてれば意味がありますけれども。こんな事故が起こるはずがないと思ったデザインレビューというものは形骸化します。形式的にやるだけなんです。」
「私の経験してるとこでも、当初、最初の頃はかなりデザインレビューがしっかりしてた。それから5年、10年たつに従って非常に形骸化して言った。そういうふうに思います。これは安全審査についても言えます。そういう形でどうも見ていますと、技術のわかる専門技術者が本当にいるのかと審査に。という印象を受けます。」
「それから、更にですね、事故が、まあ多発してるということです。これはですね、軽水炉、つまり今回の福島の事故に限らない、軽水炉と申しますのは、沸騰水型と加圧水型の2種類ございますけども、今日本で使われている通常の発電所の原子炉で、今回の事故だけではなくて、いろんなところで事故が多発している。細かいことは省略しますけれども、同じく高速増殖炉もんじゅも実用がしてない。どころかトラブルの連続。」
「一部、燃料棒をこう、交換するためにですね、燃料交換するために入れた装置が、ちょっと引っかかちゃった。それでおっこっちゃったんですね。ちょっと傷ついたわけです。でそれを持ち上げようと思ったら、引っかかって上がらない。普通、機械ではよくあることです、そんなものは。1週間もあればなおります。ですけどそれはナトリウムがあるから見えない。出そうと思うと、燃料出せばいいんですけれども、燃料はナトリウムの中にないと危ないんで。そうすっと、それを出すための装置が壊れてる。なにも出来ないっていう状態が、半年、1年続くんです。こんなの技術じゃないんです。設計の立場からいうと、何を考えてるのか。そんなことを、1つのものが壊れてですね、何も出来ないのは技術じゃありません。設計の立場からそういうふうに言えます。ということなんですね。」
「それからも1つはやはり安全設計と被曝労働。これは問題がある。被曝を前提とした安全設計というのは私は非人間的だと思います。5分で行ってきて入ってこうやるわけですね。その時に仮にそれがね、そういうやり方がいいとしても、難しいのはですね、コントール出来ないんですよ。確実にね、被曝をぜ、あの、ある???なんてそんなこと私は信じられません。人間ってのはどうしてもミスもありますし。そういう事を考えますとこれは、とても私は人間的な労働だと思いません。」
「それから処分ができない大量の放射性物質。これも良くトイレなきマンションと言われてます。」
「さて、現在の事故をどう見るかといいますと、炉心が冷却、炉心の冷却を続けてます。たしかに現在全体の温度はですね100何度とか100数10度オーダーまで降りてき、落ちてきています。ですけどまだ依然として、もし冷やすことをやめればそのまま進むわけですね。そういう関係になってる。」
「しかもですね、溶けた溶融物が、メルトダウンしたっていいましたね、そうしますと圧力容器の中にあんのか格納容器の中にあるかすらはっきりしない。全く中はわかってないんです。ただし水を入れたらなんか冷えてるらしい。」
「つまり技術的に見ますと、ちゃんとした、わかってコントロール出来てるわけじゃないんです。そうであろうといって推測でやってる。これは最初のメルトダウンといったのがよくわかりますよね。最初に全く、炉心一部燃料損傷って言ってたのがメルトダウンだった。これだけ違うわけですから、今の状態に対してどれだけ責任を終えるんですか。中を見れるんですが。圧力温度は正しいんですか。どれ1つ、私は疑って見ざるをえないという状態にあるんですね。もちろん今の状態が以前よりはだいぶ、少し楽になってきてんのは明らかです。ですけど事故というのは、そういうところから思わぬところから発展して大きな事故になるわけです。そうしますとこれからも安定させてやることが以下に難しいかということを、まあ言ってるわけです。」
「あと、同時にですね、1号機、2号機、3号機とも、格納容器が損傷してます。格納容器が損傷してることは、そのまま放射能が外にでてるってことです。で、外に出てます、既にたまった10万トンに近い放射性物質を帯びた水がですね、海や地下水に漏れ続けてるんです。これは今大量に滅茶苦茶に漏れてるとは申しません。もちろんそのコンクリがありますからね。ですけど容器じゃないんです。格納容器のように閉じ込め機能を持ってないんです。ですからコンクリートが割れたらそこから行きますし、すじ?のところから行く。流れてくわけです。そうすっと、現在は大なり小なり放射性物質を垂れ流している状態が続いていると。そういう認識です。」
「それはなんとか既存の陸上タンクなりメガフロートや???でもいいです。格納機能を持ったところに入れる、ほうが先決だと思います。その上で処理をする。思います。」
「で、原子力の技術について考えますと、どれも究極な選択になってる。先ほど申しましたように、冷却しようとする。冷却に失敗すると、失敗するといいますか、水を入れると水蒸気をおこす。あるいは格納容器がそうなんですが、今回、圧力が上がりすぎたんでベントすると。どういう事かって申しますと、格納容器は放射能を閉じ込めるための容器ですから、それをベントするという意味は、放射能を撒き散らすということを意味してる。つまりですね、このままほおっておくと、格納容器が爆発しちゃう。最悪だと。」
「だけど漏らすってことは逆に放射能を出すんですよ、そのまま。人に向けて放射能を出してるんですよ、これは。なんでその認識がないかってことなんだ。その時に格納容器のベントするということの意味をどれだけみんなが分かっていたかってことになる。そこは非常に重たい問題なんです。」
「特にこの問題は、説明がですね、非常に私は間違っていると思います。きちんとした説明してないと思います。また安全をどう見るかですが、まあ、状況が把握できない、ということは非常に問題だということ。」
「もう1つはですね、安全性の哲学といいますかですね、安全の考え方が不在だというように思います。確実でないことを安全とは言えませんので、多分大丈夫だとか危険な徴候がないからいいだろ、こういうグレーゾーン問題と呼んでるのですが、こういう問題が論理的に起こりうることは、いつ、かつ、起こるかわからないわけですから、そうすると、そう言う理屈の上でですね、ある形で起こりうる事故というのは論理的に起こりうるんですね。これはその上に安全技術を築くのは砂上の楼閣だと、いう風に思います。ええ、これグレーゾーン問題ともうしますけれども、これはちょっと省略させていただきます。」
「で、福島の原発事故はですね、直接的には地震と津波でした。ですけど、これに危機のトラブルだとかあるいは人為的なミスが重なってるだろうと思います。でそういうことから、最終的には事故解析やるわけですけど。基本的には自然条件の設定が間違っていたこと。で津波が例えば何メートル、間違ったとして、仮に対策をこれからするとしてもどれだけまでやればいいかってことは非常に問題です。地震も同じです。また、例えば津波や地震、一部対策をしてもですね、それで、こういうシビアアクシデントが起こらないかっていうと、そんなことはないんです。」
「落雷でも台風でも竜巻でも、ある多重に何処かをやられてしまえば、あるいはそんな外的条件なしで、危機が故障して、それに人為的なミスが重なると、シビアアクシデントになります。つまりシビアアクシデントはですね、発生確率が小さいとして無視してきたんです、これまで。これが最大の問題です。これは原子力安全委員会の責任が重大というふうに私は思ってます。」
「またシビアアクシデントは原子炉の特性であって、不可避であると。つまり地震津波はその入口であると理解しております。」
「でこれはあの規制のことで細かくは省略していただきますが、1992年に既に原子力案是認委員会で対策を取ることは言ってた。ただ、しかしそれは、法的な規制をしない、民間の自主的な規制によると、こういう話でした。」
「で、えー、図の上でちょっと概念を申し上げますと、横に時間、縦に出力と申しますか通常のものは他のエネルギーシステムの場合には横にだんだん寝てきますけれども、原子力は赤のように立ち上がってくるわけです。それを途中で安全装置を働かせて、抑えこむんです。その安全装置は何重にもなってます、たしかに。4重にも5重にも。でもそれが全部突破されると自然とですね、原子力は……だ、ダメな方向に行ってしまうんですね、制御不能な状態になる。これが特性なんですね。これが原子力の特徴だと思います。」
「それを事故防止ができるかどうかって言うことで、事故の発生防止とか事故の影響緩和とかを考えまして、どういう対策をしても、事故、ある確率ですね、確率は小さいけども、そういう事故が起きてしまうっていう場合には、それは受任できない技術だと。」
「つまり技術をですね、ある技術だったら全部使っていいわけじゃなくて、その技術はほんとに大事故を防げんのか。防げないとしたら、起きたときの影響とはどの程度か。それが受任できない技術はやめるべきだとそういう意味です。」
「従いまして我々の、我々はですね、最悪の事故の可能性を考慮する必要がある。今度原子力の事故を起こせば、日本は壊滅すると私は思います。原子力をこれ以上進めるというのであればですね、絶対にシビアアクシデントを起こさない事を証明する必要があります。工学的には、そのようなことは私は不可能だと考えています。つまり危険な原発からは、段階的に止めるなり、するなりしかない。そうしますと完璧な事故対策を模索するというよりも、新たな分野でのエネルギーシフト、が、ほうが遥かに容易であろうと考えます。」
「まあ膨大な原子力予算をですね、他の技術へ向ければ解決可能ではないか。あらゆる原子力関連の利権、そういうものを許してはいけない。そういうものからもう一度全体を見なおして、エネルギー政策全体、を見なおして、原子力から脱却してくことが、現実的だと思います。以上です。ありがとうございました。」
(文字おこし、ここまで)
(関連エントリー)
下記のエントリーから、他の学者の発言を文字と画像で読めます。
【速報・動画まとめ】原発事故の現状を整理できる!小出裕章、後藤政志、石橋克彦、孫正義が参考人の参議院行政監視委員会
小出裕章氏のプルサーマル発電批判がわかりやすすぎる!(文字おこし)
参議院行政監視委員会での4人の参考人の小出裕章、後藤政志、石橋克彦、孫正義の意見
参議院行政監視委員会での4人の参考人の小出裕章、後藤政志、石橋克彦、孫正義の意見
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65737041.html
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65737041.html
参議院行政監視委員会の参考人の小出裕章の原発批判証言
参議院行政監視委員会の参考人の小出裕章の原発批判証言
2011年05月24日12:04
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65737210.html
2011年5月23日参議院行政監視委員会における小出裕章氏の発言の文字おこしです。委員会の冒頭での発言です。エネルギー政策としての問題点、高速増殖炉が絶対にできない理由、福島原発事故の政府の不適当な対応、もんじゅに1兆円つぎ込んだ責任者は詐欺罪として1万年の刑期に相当するなど、舌鋒鋭く鮮やかに原子力政策を否定しています。
2011年05月24日12:04
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65737210.html
2011年5月23日参議院行政監視委員会における小出裕章氏の発言の文字おこしです。委員会の冒頭での発言です。エネルギー政策としての問題点、高速増殖炉が絶対にできない理由、福島原発事故の政府の不適当な対応、もんじゅに1兆円つぎ込んだ責任者は詐欺罪として1万年の刑期に相当するなど、舌鋒鋭く鮮やかに原子力政策を否定しています。
このエントリーの小出裕章氏の発言の文字おこしの部分は、読者からの情報提供を受け、以下のURLを参考にしました。その上で、再度動画を確認して、言葉遣いや言い回しなどを正確に改めたものです。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=260093&page=3&id=62504878
(文字おこし、始め)
「今日はこれまで原子力をすすめてきた行政に一言いいたいと思ってうかがいました。私は原子力に夢を持って原子核工学科に入った人間です。なぜそうなったかというと原子力こそ未来のエネルギー源だと思ったからです。原子力は無尽蔵にあるが、石炭や石油は枯渇してしまうから将来は原子力だと信じて入ったのです。」
「しかし、入ってみて分かったのは原子力は大変貧弱なエネルギーだと気が付きました。今このスライドに再生不能エネルギーというものの量を順番にあげていこうとおもいます。」
「まず1番多い資源は、石炭です。大変膨大に地球上に大変たくさんあることがわかっています。ただし今書いた四角は、究極埋蔵量です。実際に経済的に掘れるとわかっているのは確認埋蔵量と言われてるものなわけですが。この青い部分だけだということになっています。」
ではこの四角がいったいどれくらいのことを意味しているかというと、右の上に今、ちいちゃな四角を書きましたが、これは世界が一年ごとに使ってるエネルギーの総量です。ということは石油(※石炭の言い間違いかと思われる)の現在の確認埋蔵量だけで言っても、あそうですね、数字で書きますとこんなことになりますが、60~70年はあるし、究極埋蔵量が全て使えるとすれば、800年ちかくあると。いうほど石炭はたくさんあると。いうことがすでにわかっている、わけです」
「その次に天然ガスもあることがわかっている。石油もある。そして、オイルシエール、タールサンドといった現在はあまり使ってない資源もあるということがすでにわかっている、わけです。」
「そして私自身は、はこういう化石燃料と呼ばれているものが、いずれ枯渇してしまうから原子力だと思ったわけですが、原子力の資源であるウランは実はこれしかない、のです。石油に比べても数分の一、石炭に比べたら数十分の一しかないという大変貧弱な資源であった、わけです。」
「ただ私がこれを言うと原子力を進めてきた行政サイドの方々は、いやそれはちょっと違うんだと。そこに書いたのは核分裂製のウランの資源量だけを書いたろうと。実は、自分たちが原子力で使おうと思ってるのは、核分裂性のウランではなくて、プルトニウムなんだと、言うわけです。」
「つまり非核分裂性のウランをプルトニウムに変換して使うから、エネルギーとして意味があることになると。いうことを言っているわけです。」
「どういう事かというとこういうことです。」
「まず、ウランを掘ってくるということはどんな意味でも必要です。それを濃縮とか加工とかいう作業を行って、原子力発電所で燃やすと。これが現在やっていることなわけです。しかしこれをいくらやったところで、今聞いていただいたように、原子力はエネルギー資源にならない、のです。
「そこで原子力を推進している人たちは、実はこんなことではないと言っているわけですね。」
「ウランはもちろん掘ってくるわけですけれども、あるところからプルトニウムというものにして、高速増殖炉と言う特殊な原子炉を作ってプルトニウムをどんどん増殖していくと。でそれを再処理とかしながら、ぐるぐる核燃料サイクルで回しながらエネルギー源にするんだ、と言ったわけですね。で最後は高レベル放射線廃物と言う大変厄介なゴミがでてきますので、それをいつか処分しなければいけないと、いう仕事を描いた、わけです。」
「ただプルトニウムという物質は地球上には一滴もありませんので、しかたないので、現在の原子力発電所から出てくるプルトニウムというのを再処理して、高速増殖炉を中心とする核燃料サイクルに引き渡すという、こういう構想をねった、わけです。」
「しかし、この構想の一番中心は高速増殖炉にあるわけですが、この高速増殖炉御は実はできない、のです。」
「日本の高速増殖炉計画がどのように、計画されて破綻して行ったこと言うことを今からこの図に示そうと思います。」
「横軸は1960から2010まで書いてありますが西暦です。何をこれから書くかというと原子力開発利用長期計画というものができた年度を横軸にしようと思います。縦軸の方は1980から2060まで数字が書いてありますが、これはそれぞれの原子力開発利用長期計画で高速増殖炉がいつ実用化できるかというふうに考えたかというその見通しの年度を書きます。」
「原子力開発利用長期計画で一番初めに高速増殖炉に触れられたのは第3回の長期計画1968年でした。その時の長期計画では高速増殖炉は1980年代の前半に実用化すると書いてあります。」
「ところがしばらくしましたらそれは難しいと、ということになりまして、次の原子力開発利用長期計画では1990年前後にならないと実用化出来ないというように書き換えました。」
「それもまたできなくて5年経って改訂されたときには高速増殖炉は、2000年前後に実用化すると書き換えたわけです。ところがこれも出来ませんでした。」
「次の改訂では、2010年に実用化すると、書きました。これも出来ませんでした。」
「次は2020年台に、もう実用化ではありません、技術体系を確立したい、というような目標に変わりました。ところがこれも出来ませんでした。」
「次には2030年には技術体系を確立したい、ということになった。」
「では次の長期計画でどうなったか、というと実は2000年に長期計画の改訂があったのですが、とうとうこの時には年度を示すこともできなくなりました。私はしかたないのでここにバッテンをつけました。」
「そしてまた5年後に長期計画が改定されまして、今度は原子力政策大綱というような大仰な名前に改定されましたが、その改訂では2050年に1機目の高速増殖炉をとにかく作りたいというような計画になってきた、わけです。」
「みなさん、この図をどのようにご覧になる、でしょうか。私はここに1本の線を引きました。どんどんどんどん目標が逃げていく、ことが分かっていただけると思います。」
「横軸も縦軸も1マスが10年。で、この線は何を示しているかというと、10年経つと、目標が20年先に逃げるということ、なのです。」
「10年経って目標が10年先に逃げたら、絶対にたどり着けません。それ以上にひどくて、10年経つと20年先に目標が逃げているわけですから、永遠にこんなモノには辿りつけないと、いう事を分からなければいけないと、私は思います。」
「ところがこういう長期計画を作ってきた原子力委員会というところ、あるいはそれを支えてきた行政は一切責任を取らない、いうことで今日まで来ている、わけです。」
「日本はもんじゅという高速増殖炉の原型炉だけでも、既に1兆円以上のカネを捨ててしまい、ました。現在の裁判制度で行くと1億円の詐欺をすると1年実刑になるんだそうです。では1兆円の詐欺をしたら何年の実刑を喰らわなければいけない、でしょうか。1万年、です。原子力委員会、原子力安全委員会、あるいは経産省、通産省、等々、行政に関わった人のなかでもんじゅに責任のある人はいったいなんにんいるのか、私はよく知りません。でも仮に100人だとすれば一人ひとり100年間実刑を処さなければいけないという、それほどのことをやってきて、結局誰も未だに何の責任もとらないままいるという、そういう事になっている、わけです。」
「えー、原子力というばというのは大変異常な世界だと私には思えます。」
「次は、今、現在進行中の福島の事故のことを一言申し上げます。」
「皆さんご存知だろうと思いますけれども、原子力発電というのは、大変膨大な放射能を取り扱うというそういう技術です。いまここに真っ白なスライドがありますが、左の下の方に今私はちいちゃい四角を書こうと思います。」
「書きました。これは何かというと、広島の原爆が爆発したときに燃えたウランの量です。800グラムです。みなさんどなたでも手で持てるというそのくらいのウランが燃えて広島の町が壊滅した、わけです。」
「では、原子力発電。この電気も原子力発電所から来てるわけですけれども、これをやるためにいったいどのくらいのウランを燃やすかというと、」
「1つの原子力発電所が1年動くたびに、1トンのウランを燃やすと、それほどのことをやっている、わけです。つまり、それだけの核分裂生成物という放射性物質をつくりだしながらやってるということに、なります。」
「原発は機械です。機会がときどき故障をおこしたり事故を起こしたりするのは当たり前、のことです。動かすのは人間、です。人間は神ではありません。時には誤りをおかすと。当たり前のこと、なわけです。」
「私たちがどんなに事故が起きてほしくないと願ったところで、破局的事故の可能性は常に残ります。いつか起きるかもしれないと言うことになっている、わけです。そこでじゃあ、原子力を推進する人たちはどういう対策をとったかというと。破局的事故はめったに起きない、そんなものを想定することはおかしいと。」
「だから想定不適当という烙印を押して無視してしまうということにした、わけです。」
「どうやって破局的事故が起きないかと言うと、これは中部電力のホームページからとってきた、説明の図ですけれども、たくさんの壁があると。放射能を外部に漏らさないための壁があると言っているのですが。」
「このうちで特に重要なのは、第4の壁というところに書いてある原子炉格納容器というものです。巨大な鋼鉄性の容器ですけども、これが、いついかなる時でも放射能をとじこめるというそういう考え方にした。わけです。」
「原子炉立地審査指針というものがあって、その指針に基づいて重大仮想事故という、ま、ま、かなり厳しい事故を考えてると彼らはいうわけですけれども、そういう事故では、格納容器という放射能を閉じ込める最後の防壁は、ゼッッタイ(※かなり大きな声で発言)に壊れないという、そういう仮定になってしまっている、のです。絶対に壊れないなら放射能は出るはずがない、いうことになってしまいますので、原子力発電所はいついかなる場合も安全だと。放射能が漏れてくるような事故を考えるのは、想定不適当と。そして想定不適当事故という烙印を押して無視することにした、わけです。」
「ところが実際に、破局的事故はおきて、今現在進行中です。たいへんな悲惨なことが、今、福島を中心に起きているということは、多分みなさんも御承知頂いていることだろうと思います。ただ、その現在進行中の事故にどうやって行政が向き合ってきているかと、言う事についても、大変不適切な対応が、わたくしはたくさんあったと思います。」
「防災というものの原則は。危険を大きめに評価してあらかじめ対策をとっていく。住民を守ると。もし危険を過大に評価していたのだとすれば、あ、これは課題だった。でも住人に被害を与えないで良かったと胸をなでおろすという、それが防災の原則だとおもいますが。」
「実は日本の政府がやってきたことは、一貫して事故を過小評価して楽観な見通しで行動してきました。国際事故評価尺度で、当初レベル4だとか、いうようなことを言って、ずーっとその評価を変えない、まぁレベル5といったことは有りましたけれども、最後の最後になって、レベル7だと。あまりにも遅い対応の仕方をする。」
「それから避難区域に関しても、一番初めは3キロの住人を避難指示だす。これは万一のことを考えての指示です、と言ったのです。しかししばらくすると今度、10キロメートルの人たちに避難指示を出しました。その時も、これは万一の時を考えての処置ですと、言ったのです。ところがそれからしばらくしたら20キロメートルの人たちに避難の指示を出す。その時も、これは万一を考えての指示です、と。いうようなことを言いながらどんどんどん後手後手に対策がなっていった。いう経過をだどりました。」
「私は、パニックを避ける唯一の手段は正確な情報を常に公開するという態度、だろうと思います。そうして初めて、行政や国が住民から信頼をうける。そしてパニックを回避するのだと、私はおもってきたのですが、残念ながら日本の行政はそうではありませんでした。常に情報を隠して危機的な状況でないということを、常に言いたがるということでした。」
「えー、SPEEDIという100億円以上のお金をかけて、25年もかけて築きあげてきた事故時の計算コード、それすらも隠してしまって住民には知らせないというようなことをやった、わけです。」
「それから現在、まだ続いていますが、誰の責任かを明確にしないまま労働者や住民に、犠牲を強制しています。福島の原発で働く労働者の被ばくの限度量をひきあげてしまったり、あるいは住民に対して強制避難をさせる基準を現在の立法府が決めた基準とは全く違ってまた引きあげてしまうと、言うようなことをやろうとしている。」
「本当にこんなことをやっていていいのだろうかと、私は思います。」
「現在進行中の福島の、原発事故の本当の被害って、いったいどれだけになるんだろうかと私は考えてしまうと、途方に暮れます。」
「失われる土地というのは、もし現在の日本の法律を厳密に適応するなら、福島県全域といってもいい位の広大な土地を放棄しなければならなく、なるとおもいます。それを避けようとすれば、住民の被ばく限度を引き上げるしかなくなりますけれども。そうすれば住民たちは被ばくを強要させるということになります。」
「一次産業は、多分これからものすごい苦難に陥るだろうと思います。農業漁業を中心として商品が売れないということになるだろうと思います。」
「そして住民たちは故郷を追われて、生活が崩壊してくことになるはずだと私は思っています。」
「東京電力に賠償をきちっとさせるという話もありますけれども、東京電力がいくら賠償したところで足りないのです。何度倒産しても多分足りないだろうと思います。日本国が倒産しても、多分あがないきれないほどの被害が、私は出るのだろうと思っています。」
「本当に賠償するなら。ということです。」
「最後になりますが、ガンジーが7つの社会的罪ということを言っていて、彼のお墓にこれが碑文で残っている、のだそうです。」
「1番始めは「理念なき政治」です。この場にお集まりの方々は政治に携わっている方ですので、えー、十分にこの言葉をかみしめて頂きたいとおもいます。」
「そのほかたくさん、『労働なき富』、『良心なき快楽』、『人格なき知識』」
「『道徳なき商業』。これは多分、東京電力始めとする電力会社に私は当てはまると思います。」
「そして『人間性なき科学』と。これは私も含めたアカデミズムの世界がこれまで原子力に丸ごと加担してきたと、いうことを私はこれで問いたいと思います。」
「最後は献身なき崇拝。宗教お持ちの方はこの言葉もかみしめて頂きたいと思います。えー終りにしますありがとうございました。」
(文字おこしここまで)
(参考エントリー)
----------------
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=260093&page=3&id=62504878
(文字おこし、始め)
「今日はこれまで原子力をすすめてきた行政に一言いいたいと思ってうかがいました。私は原子力に夢を持って原子核工学科に入った人間です。なぜそうなったかというと原子力こそ未来のエネルギー源だと思ったからです。原子力は無尽蔵にあるが、石炭や石油は枯渇してしまうから将来は原子力だと信じて入ったのです。」
「しかし、入ってみて分かったのは原子力は大変貧弱なエネルギーだと気が付きました。今このスライドに再生不能エネルギーというものの量を順番にあげていこうとおもいます。」
「まず1番多い資源は、石炭です。大変膨大に地球上に大変たくさんあることがわかっています。ただし今書いた四角は、究極埋蔵量です。実際に経済的に掘れるとわかっているのは確認埋蔵量と言われてるものなわけですが。この青い部分だけだということになっています。」
ではこの四角がいったいどれくらいのことを意味しているかというと、右の上に今、ちいちゃな四角を書きましたが、これは世界が一年ごとに使ってるエネルギーの総量です。ということは石油(※石炭の言い間違いかと思われる)の現在の確認埋蔵量だけで言っても、あそうですね、数字で書きますとこんなことになりますが、60~70年はあるし、究極埋蔵量が全て使えるとすれば、800年ちかくあると。いうほど石炭はたくさんあると。いうことがすでにわかっている、わけです」
「その次に天然ガスもあることがわかっている。石油もある。そして、オイルシエール、タールサンドといった現在はあまり使ってない資源もあるということがすでにわかっている、わけです。」
「そして私自身は、はこういう化石燃料と呼ばれているものが、いずれ枯渇してしまうから原子力だと思ったわけですが、原子力の資源であるウランは実はこれしかない、のです。石油に比べても数分の一、石炭に比べたら数十分の一しかないという大変貧弱な資源であった、わけです。」
「ただ私がこれを言うと原子力を進めてきた行政サイドの方々は、いやそれはちょっと違うんだと。そこに書いたのは核分裂製のウランの資源量だけを書いたろうと。実は、自分たちが原子力で使おうと思ってるのは、核分裂性のウランではなくて、プルトニウムなんだと、言うわけです。」
「つまり非核分裂性のウランをプルトニウムに変換して使うから、エネルギーとして意味があることになると。いうことを言っているわけです。」
「どういう事かというとこういうことです。」
「まず、ウランを掘ってくるということはどんな意味でも必要です。それを濃縮とか加工とかいう作業を行って、原子力発電所で燃やすと。これが現在やっていることなわけです。しかしこれをいくらやったところで、今聞いていただいたように、原子力はエネルギー資源にならない、のです。
「そこで原子力を推進している人たちは、実はこんなことではないと言っているわけですね。」
「ウランはもちろん掘ってくるわけですけれども、あるところからプルトニウムというものにして、高速増殖炉と言う特殊な原子炉を作ってプルトニウムをどんどん増殖していくと。でそれを再処理とかしながら、ぐるぐる核燃料サイクルで回しながらエネルギー源にするんだ、と言ったわけですね。で最後は高レベル放射線廃物と言う大変厄介なゴミがでてきますので、それをいつか処分しなければいけないと、いう仕事を描いた、わけです。」
「ただプルトニウムという物質は地球上には一滴もありませんので、しかたないので、現在の原子力発電所から出てくるプルトニウムというのを再処理して、高速増殖炉を中心とする核燃料サイクルに引き渡すという、こういう構想をねった、わけです。」
「しかし、この構想の一番中心は高速増殖炉にあるわけですが、この高速増殖炉御は実はできない、のです。」
「日本の高速増殖炉計画がどのように、計画されて破綻して行ったこと言うことを今からこの図に示そうと思います。」
「横軸は1960から2010まで書いてありますが西暦です。何をこれから書くかというと原子力開発利用長期計画というものができた年度を横軸にしようと思います。縦軸の方は1980から2060まで数字が書いてありますが、これはそれぞれの原子力開発利用長期計画で高速増殖炉がいつ実用化できるかというふうに考えたかというその見通しの年度を書きます。」
「原子力開発利用長期計画で一番初めに高速増殖炉に触れられたのは第3回の長期計画1968年でした。その時の長期計画では高速増殖炉は1980年代の前半に実用化すると書いてあります。」
「ところがしばらくしましたらそれは難しいと、ということになりまして、次の原子力開発利用長期計画では1990年前後にならないと実用化出来ないというように書き換えました。」
「それもまたできなくて5年経って改訂されたときには高速増殖炉は、2000年前後に実用化すると書き換えたわけです。ところがこれも出来ませんでした。」
「次の改訂では、2010年に実用化すると、書きました。これも出来ませんでした。」
「次は2020年台に、もう実用化ではありません、技術体系を確立したい、というような目標に変わりました。ところがこれも出来ませんでした。」
「次には2030年には技術体系を確立したい、ということになった。」
「では次の長期計画でどうなったか、というと実は2000年に長期計画の改訂があったのですが、とうとうこの時には年度を示すこともできなくなりました。私はしかたないのでここにバッテンをつけました。」
「そしてまた5年後に長期計画が改定されまして、今度は原子力政策大綱というような大仰な名前に改定されましたが、その改訂では2050年に1機目の高速増殖炉をとにかく作りたいというような計画になってきた、わけです。」
「みなさん、この図をどのようにご覧になる、でしょうか。私はここに1本の線を引きました。どんどんどんどん目標が逃げていく、ことが分かっていただけると思います。」
「横軸も縦軸も1マスが10年。で、この線は何を示しているかというと、10年経つと、目標が20年先に逃げるということ、なのです。」
「10年経って目標が10年先に逃げたら、絶対にたどり着けません。それ以上にひどくて、10年経つと20年先に目標が逃げているわけですから、永遠にこんなモノには辿りつけないと、いう事を分からなければいけないと、私は思います。」
「ところがこういう長期計画を作ってきた原子力委員会というところ、あるいはそれを支えてきた行政は一切責任を取らない、いうことで今日まで来ている、わけです。」
「日本はもんじゅという高速増殖炉の原型炉だけでも、既に1兆円以上のカネを捨ててしまい、ました。現在の裁判制度で行くと1億円の詐欺をすると1年実刑になるんだそうです。では1兆円の詐欺をしたら何年の実刑を喰らわなければいけない、でしょうか。1万年、です。原子力委員会、原子力安全委員会、あるいは経産省、通産省、等々、行政に関わった人のなかでもんじゅに責任のある人はいったいなんにんいるのか、私はよく知りません。でも仮に100人だとすれば一人ひとり100年間実刑を処さなければいけないという、それほどのことをやってきて、結局誰も未だに何の責任もとらないままいるという、そういう事になっている、わけです。」
「えー、原子力というばというのは大変異常な世界だと私には思えます。」
「次は、今、現在進行中の福島の事故のことを一言申し上げます。」
「皆さんご存知だろうと思いますけれども、原子力発電というのは、大変膨大な放射能を取り扱うというそういう技術です。いまここに真っ白なスライドがありますが、左の下の方に今私はちいちゃい四角を書こうと思います。」
「書きました。これは何かというと、広島の原爆が爆発したときに燃えたウランの量です。800グラムです。みなさんどなたでも手で持てるというそのくらいのウランが燃えて広島の町が壊滅した、わけです。」
「では、原子力発電。この電気も原子力発電所から来てるわけですけれども、これをやるためにいったいどのくらいのウランを燃やすかというと、」
「1つの原子力発電所が1年動くたびに、1トンのウランを燃やすと、それほどのことをやっている、わけです。つまり、それだけの核分裂生成物という放射性物質をつくりだしながらやってるということに、なります。」
「原発は機械です。機会がときどき故障をおこしたり事故を起こしたりするのは当たり前、のことです。動かすのは人間、です。人間は神ではありません。時には誤りをおかすと。当たり前のこと、なわけです。」
「私たちがどんなに事故が起きてほしくないと願ったところで、破局的事故の可能性は常に残ります。いつか起きるかもしれないと言うことになっている、わけです。そこでじゃあ、原子力を推進する人たちはどういう対策をとったかというと。破局的事故はめったに起きない、そんなものを想定することはおかしいと。」
「だから想定不適当という烙印を押して無視してしまうということにした、わけです。」
「どうやって破局的事故が起きないかと言うと、これは中部電力のホームページからとってきた、説明の図ですけれども、たくさんの壁があると。放射能を外部に漏らさないための壁があると言っているのですが。」
「このうちで特に重要なのは、第4の壁というところに書いてある原子炉格納容器というものです。巨大な鋼鉄性の容器ですけども、これが、いついかなる時でも放射能をとじこめるというそういう考え方にした。わけです。」
「原子炉立地審査指針というものがあって、その指針に基づいて重大仮想事故という、ま、ま、かなり厳しい事故を考えてると彼らはいうわけですけれども、そういう事故では、格納容器という放射能を閉じ込める最後の防壁は、ゼッッタイ(※かなり大きな声で発言)に壊れないという、そういう仮定になってしまっている、のです。絶対に壊れないなら放射能は出るはずがない、いうことになってしまいますので、原子力発電所はいついかなる場合も安全だと。放射能が漏れてくるような事故を考えるのは、想定不適当と。そして想定不適当事故という烙印を押して無視することにした、わけです。」
「ところが実際に、破局的事故はおきて、今現在進行中です。たいへんな悲惨なことが、今、福島を中心に起きているということは、多分みなさんも御承知頂いていることだろうと思います。ただ、その現在進行中の事故にどうやって行政が向き合ってきているかと、言う事についても、大変不適切な対応が、わたくしはたくさんあったと思います。」
「防災というものの原則は。危険を大きめに評価してあらかじめ対策をとっていく。住民を守ると。もし危険を過大に評価していたのだとすれば、あ、これは課題だった。でも住人に被害を与えないで良かったと胸をなでおろすという、それが防災の原則だとおもいますが。」
「実は日本の政府がやってきたことは、一貫して事故を過小評価して楽観な見通しで行動してきました。国際事故評価尺度で、当初レベル4だとか、いうようなことを言って、ずーっとその評価を変えない、まぁレベル5といったことは有りましたけれども、最後の最後になって、レベル7だと。あまりにも遅い対応の仕方をする。」
「それから避難区域に関しても、一番初めは3キロの住人を避難指示だす。これは万一のことを考えての指示です、と言ったのです。しかししばらくすると今度、10キロメートルの人たちに避難指示を出しました。その時も、これは万一の時を考えての処置ですと、言ったのです。ところがそれからしばらくしたら20キロメートルの人たちに避難の指示を出す。その時も、これは万一を考えての指示です、と。いうようなことを言いながらどんどんどん後手後手に対策がなっていった。いう経過をだどりました。」
「私は、パニックを避ける唯一の手段は正確な情報を常に公開するという態度、だろうと思います。そうして初めて、行政や国が住民から信頼をうける。そしてパニックを回避するのだと、私はおもってきたのですが、残念ながら日本の行政はそうではありませんでした。常に情報を隠して危機的な状況でないということを、常に言いたがるということでした。」
「えー、SPEEDIという100億円以上のお金をかけて、25年もかけて築きあげてきた事故時の計算コード、それすらも隠してしまって住民には知らせないというようなことをやった、わけです。」
「それから現在、まだ続いていますが、誰の責任かを明確にしないまま労働者や住民に、犠牲を強制しています。福島の原発で働く労働者の被ばくの限度量をひきあげてしまったり、あるいは住民に対して強制避難をさせる基準を現在の立法府が決めた基準とは全く違ってまた引きあげてしまうと、言うようなことをやろうとしている。」
「本当にこんなことをやっていていいのだろうかと、私は思います。」
「現在進行中の福島の、原発事故の本当の被害って、いったいどれだけになるんだろうかと私は考えてしまうと、途方に暮れます。」
「失われる土地というのは、もし現在の日本の法律を厳密に適応するなら、福島県全域といってもいい位の広大な土地を放棄しなければならなく、なるとおもいます。それを避けようとすれば、住民の被ばく限度を引き上げるしかなくなりますけれども。そうすれば住民たちは被ばくを強要させるということになります。」
「一次産業は、多分これからものすごい苦難に陥るだろうと思います。農業漁業を中心として商品が売れないということになるだろうと思います。」
「そして住民たちは故郷を追われて、生活が崩壊してくことになるはずだと私は思っています。」
「東京電力に賠償をきちっとさせるという話もありますけれども、東京電力がいくら賠償したところで足りないのです。何度倒産しても多分足りないだろうと思います。日本国が倒産しても、多分あがないきれないほどの被害が、私は出るのだろうと思っています。」
「本当に賠償するなら。ということです。」
「最後になりますが、ガンジーが7つの社会的罪ということを言っていて、彼のお墓にこれが碑文で残っている、のだそうです。」
「1番始めは「理念なき政治」です。この場にお集まりの方々は政治に携わっている方ですので、えー、十分にこの言葉をかみしめて頂きたいとおもいます。」
「そのほかたくさん、『労働なき富』、『良心なき快楽』、『人格なき知識』」
「『道徳なき商業』。これは多分、東京電力始めとする電力会社に私は当てはまると思います。」
「そして『人間性なき科学』と。これは私も含めたアカデミズムの世界がこれまで原子力に丸ごと加担してきたと、いうことを私はこれで問いたいと思います。」
「最後は献身なき崇拝。宗教お持ちの方はこの言葉もかみしめて頂きたいと思います。えー終りにしますありがとうございました。」
(文字おこしここまで)
(参考エントリー)
----------------
小出裕章(こいで ひろあき)
小出裕章(こいで ひろあき)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%87%BA%E8%A3%95%E7%AB%A0
当初は「これからは石油・石炭でなく原子力の時代」と考え原子力工学を志すも、現代の原子力工学における放射線被害の実態を知ったことで、所属機関の趣旨と逆の、原子力発電に反対するスタンスをとるようになる。以後現在まで一貫して「原子力をやめることに役に立つ研究」を行なっている[2]。
小出裕章(こいで ひろあき)(京大助教授)非公式まとめ
京都大学原子炉実験所助教授 小出裕章氏による情報
http://hiroakikoide.wordpress.com/
原子力安全研究グループ
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html
ACTIO
http://actio.gr.jp/2007/11/19061359.html
これ以上のエネルギー消費拡大は犯罪
原発がすべて止まっても決して停電は起きない
小出寛裕章さん講演
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%87%BA%E8%A3%95%E7%AB%A0
小出裕章
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
小出裕章(こいで ひろあき、1949年8月- )は日本の工学者(原子力工学)。京都大学原子炉実験所助教、工学研究科都市環境工学専攻助教。研究分野は原子核物理学、原子力学、環境動態解析、原子力安全、放射性物質の環境動態。所属学会は日本保健物理学会、エントロピー学会[1]。東京都台東区上野出身。目次[非表示] |
経歴 [編集]
開成高等学校を経て、1972年に東北大学工学部原子核工学科卒業。1974年、東北大学大学院工学研究科修士課程修了(原子核工学)。1974年、京都大学原子炉実験所助手。当初は「これからは石油・石炭でなく原子力の時代」と考え原子力工学を志すも、現代の原子力工学における放射線被害の実態を知ったことで、所属機関の趣旨と逆の、原子力発電に反対するスタンスをとるようになる。以後現在まで一貫して「原子力をやめることに役に立つ研究」を行なっている[2]。
エピソード [編集]
- 東北大学在学中、当時女川町に建設予定だった原子力発電所に対し地元住民が反対する現状を知る。このとき、彼らが主張する「(原発が)安全ならば、なぜ仙台市に建設しないのか」という問いに対する答えを見出さなければならないと考え、答えを導き出す。その答えとは、「(原子力とは)都会では引き受けられないリスクを持っている。したがって、電力消費地に近い都会では建設が困難なため、こうしたリスクを過疎の街に押し付けようとしている」というものであった。この答えに到達して以降、自らの原子力に対する考えと人生についての選択肢を180度転換させる。「この事実はとても認めることはできない、止めさせよう、これからは原子力を止めさせる方向へ自らの力を注いでいこうと決心した」という。
- 転機となったのは1970年10月23日であり、この日に女川町で第1回の原発反対集会に参加する[3]。
- 福島原発に関して内閣官房参与を辞任した小佐古敏荘は、立場のまるで異なる論争相手であった。小佐古の内閣参与辞任について朝日ニュースターの番組でコメントを求められ、「なぜそうしたのか、いまだに理解できないのですが」と前置きしつつ、今回の行動については支持するとした。
著書 [編集]
単著 [編集]
- 『放射能汚染の現実を超えて』(1992年1月、北斗出版)ISBN 4-938427-57-5
- 『隠される原子力・核の真実 原子力の専門家が原発に反対するわけ』(2010年12月、発行:創史社 発売:八月書館)ISBN 978-4-915970-36-8
- 『放射能汚染の現実を超えて』(2011年5月、河出書房新社)
- 『原発のウソ』(2011年6月、扶桑社新書)
共著 [編集]
- 『原発の安全上欠陥』(1979年、第三書館)共著:小林圭二、久米三四郎、今中哲二ほか
- 『原発事故…その時、あなたは!』(1995年6月、風媒社)共著:瀬尾健
- 『原子力と共存できるか』(1997年11月、かもがわ出版)共著:足立明 ISBN 4-87699-339-4
- 『人形峠ウラン鉱害裁判』(2001年1月、批評社)共著:土井淑平 ISBN 4-8265-03211
- 『知ればなっとく脱原発』(2002年、七つ森書館)共著:高木仁三郎、西尾漠、久米三四郎ほか
脚注 [編集]
[ヘルプ] |
- ^ 京都大学研究者総覧データベース
- ^ googleビデオ「なぜ警告を続けるのか〜京大原子炉実験所・”異端”の研究者たち〜」(2008年10月19日放映、大阪毎日放送)
- ^ 第524回マル激トーク・オン・ディマンド(2011年04月30日)「原子力のこれまでとこれからを問う」の中で、神保哲生(ビデオニュース・ドットコム)代表のインタビューに対する回答。
関連項目 [編集]
外部リンク [編集]
- 小出裕章ブログ(非公式)
- 小出裕章とは(顔写真など)
- 京都大学原子炉実験所原子力安全研究グループ
- 論文一覧
- 「プルサーマル導入-その狙いと危険性 (PDF)」(2004年12月13日 核燃料サイクルとエネルギー政策を考える学習会)
- 「YouTube動画 隠される原子力」(2011年3月20日 山口県柳井市での講演)約1時間46分
- 「YouTube動画 福島第一原子力発電所事故について小出裕章へのインタビュー (2011年4月1日)
- 動画(新着順)
この「小出裕章」は、科学者に関連した書きかけ項目です。 この記事を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:人物伝/Portal:自然科学)。 |
隠しカテゴリ: 科学者関連のスタブ項目
小出裕章(こいで ひろあき)(京大助教授)非公式まとめ
京都大学原子炉実験所助教授 小出裕章氏による情報
http://hiroakikoide.wordpress.com/
原子力安全研究グループ
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/index.html
ACTIO
http://actio.gr.jp/2007/11/19061359.html
これ以上のエネルギー消費拡大は犯罪
原発がすべて止まっても決して停電は起きない
小出寛裕章さん講演
原発で温暖化は止められない
私は1968年に大学に入学しました。エネルギー開発に人生を賭けようと思い、原子力の世界に踏み込んだのです。あれから間もなく40年が経とうとしています。
昨日からこの会場にお邪魔して、山を歩き素晴らしい音楽を聴き、美味しい酒をいっぱい飲ませていただきました。みなさん様々な活動に取り組まれていて、とても心が休まりました。豊かな自然に囲まれたこんなに天国のような場所で、なんでわざわざ原子力の話をしなければいけないのかと思うと申し訳ない気持ちが半分です。
しかし昨夜上映された『六ヶ所村ラプソディー』でも描かれていましたが、今や原子力は皆さんの日常生活そのものを破壊しようとしています。事態はそこまで深刻化しているのです。
<人間は自然の一部でしかない>
昨夜私は、草の上に寝転がって星空を見ました。そして宇宙について考えました。この世界で一番スピードの速い光でも、宇宙の果てに行くには100億年以上かかります。それほど広大無辺な宇宙は、人間の知能を超えて広がっています。この宇宙の中に私たちが暮らしている地球があります。
地球はどうやら46億年前に誕生したようで、当初は火の玉でした。その地球に海と大気ができ生物が生まれたのは40億年ぐらい前。広大無辺な宇宙の中でも、地球は生命が根付ける大変希有な星です。
その後様々な生物が生まれては絶滅し、長い歴史をたどって今日に至っています。人類が誕生したのは400万年前。地球の長い歴史のなかでは、私たち人類は極々新参な生き物です。
昨日私がバスに揺られてきた高尾駅からこのキャンプ場までは、おそらく5キロ弱だと思います。地球の46億年の歴史をこの距離に当てはめると、人類が生まれた400万年前はどの辺りだと思いますか? 私の座っている位置が現在だとすると、人類が生まれたのはわずか4メートル先です。
人類も当初は、自然と一体になって生きていたのですが、狩りを覚え農耕を学び段々に文明を発展させました。人類がエネルギーを大量に使う転換点となったのは産業革命です。それはわずか200年前。私の唇の先ほんの0・2ミリです。
ジェームズワットの発明により、蒸気の力で機械が動くようになりました。奴隷や家畜を使って行われていた様々な仕事は、産業革命後は機械に代わりました。以降人類は、エネルギーを使えば使うほど豊かになると考えてきたのです。
地球上に人類が誕生してから今日までに消費したエネルギーのうち、約6割は産業革命後の200年の間に使われました。僅かな期間にこれほど膨大なエネルギーを使って私たちは今の生活をつくり上げたのです。しかしそのために、他の生物は次々と絶滅に追い込まれています。
高尾山には1300種類以上の植物が生えていて、昆虫等は5000種類以上いるそうです。地球には6000万種類以上の生物が存在すると考えられていますが、環境破壊により毎年50万種類ぐらいは絶滅しています。私たちは他の生物の莫大な犠牲の上に生きているのです。
<日本は先進国ではなく後退国>
私は、日本や米国を先進国と呼びません。ずいぶん前から私は、後退国と呼んでいます。地球環境を破壊し他の多くの生物を絶滅に追いやるような国は、後退しているとしか思えないからです。
しかし多くの後退国では、今以上にもっとエネルギーを使いたいようです。日本もまた莫大なエネルギーを浪費する東京のような異常な街をつくりましたが、まだ足らないと主張する人がいます。この高尾の森にもトンネルを掘り、高速道路を延長する計画がありますね。
私はもともと東京生まれの東京育ちです。上野と浅草の真ん中あたりに地下鉄の稲荷町駅がありますが、その近くで生まれ育ちました。私が生まれた頃は、江戸の下町情緒が溢れ道路は子どもの遊び場でした。それが劇的に変わったのは、東京オリンピックからです。
車が増え、子どもの遊び場はなくなりました。私は失望して東京を離れましたが、それ以降も多くの人々は、エネルギーをたくさん消費する生活が幸せだと思い込んできたのです。
実はかって私自身、人間が豊かに生きるためにはエネルギーが必要だと考えました。だから私は、原子力の世界に足を踏み入れました。しかしそこで目の当たりにした現実は、私の期待を粉々にうち砕いたのです。
私が原子力の世界に入った時、日本の原発は1基だけでした。茨城県東海村に東海1号炉があっただけです。今日では55基の原発がこの狭い日本で稼動しています。しかし最も電気を消費する東京にも、今、私が住んでいる大阪にも原発は1基もありません。
東電の原発は、東北電力の管内である福島県に福島第1、第2原発があります。先日の地震で大きなダメージを受けた新潟県柏崎刈羽原発も同様に東北電力管内です。関西電力は、福井県の若狭湾に原発を11基も林立させて長い送電線で関西圏に電気を送っています。原発で万一重大事故が起きれば大変なことになるから、東京や大阪の大都市には原発を建設しないのです。
その万一の事故は、既に起きています。1986年4月26日、旧ソ連のチェルノブイリ原発で重大事故が起き、広島原爆約800発分の「死の灰」が環境中に放出され、広大な地域が汚染しました。数十万人の人たちが避難を強いられ流浪化しました。
本当はもっとたくさんの人々を避難させなければいけなかったのですが、ソ連邦は崩壊してしまいました。その結果、未だに14万5千平方キロメートル(日本の本州の約6割に相当)もの汚染地域に500万人を超える人たちが生活しています。
<再処理工場は日本全土を汚染する>
原発はウランを燃やして「死の灰」を作ります。100万キロワットの原発は1年間稼動すると1トンのウランを燃やします。広島で何十万もの人々を熱線で焼き殺し被爆させた原爆は、約1キログラムのウランが燃えたものです。それでさえ通常の爆弾に換算したら、約2万トン分に相当します。
私の生まれた頃、東京の下町にはあちこちらに焼け跡が残っていました。1945年3月10日の東京大空襲のつめ跡です。344機の巨大爆撃機B29は東京に1600トンの爆弾を落とし、市街地の40%を焼き尽くして10万人を焼き殺しました。広島、長崎に落とされた1キログラムのウランやプルトニウムは、東京大空襲をはるかに超える破壊力を持っていたのです。
みなさんは原子炉と言えば原発を思い浮かべるでしょうが、原子炉は長崎に落とされた原爆の材料であるプルトニウムを生み出すために考えられた装置です。そして生み出されたプルトニウムを原子炉から取り出すための技術が再処理です。
米国はマンハッタン計画により、世界で最初にこの技術を開発しました。合計10万人を超える科学者、技術者、労働者を秘密都市に閉じ込め、当時の日本の全国家歳出に相当する約20億ドルを投じて原爆を製造したのです。
現在世界で公式に核兵器を保有しているのは、国連常任理事国の米国、フランス、イギリス、ロシア、中国の5カ国です。これ以外に、実際にはインドやパキスタン、イスラエルは既に核を保有しています。
しかしインドは原子炉と再処理の技術を、パキスタンは濃縮の技術を持っているだけです。日本は核兵器を持っていないにも関わらず、原子炉、濃縮、再処理の中心的な3つの技術をすべて持っています。私は、日本が国策として再処理政策を掲げ続ける最大の理由は、核兵器開発にあると思います。
青森県六ヶ所村の再処理工場は、既に稼動しています。昨年3月31日から実際の使用済燃料を使ってアクティブ試験を始めました。なぜ3月31日かと言えば、会計年度の関係で地元に交付金が落とせるからです。日本原燃はこの11月以降本格運転を開始すると公表していますが、なんとしても止めなければいけません。
再処理工場は、万一事故が起きなくても膨大な放射能を環境に放出します。日本はこれまで原発で燃やした使用済燃料の再処理をイギリスとフランスに依頼していました。そのイギリスやフランスでは、再処理工場周辺で深刻な放射能被害が出ています。
イギリスのウィンズケール再処理工場はグレートブリテン島の西海岸にあり、アイリッシュ海をはさんだ対岸にはアイルランド島があります。このウィンズケール再処理工場は今日までに、広島型原爆400発分の「死の灰」をアイリッシュ海に流しました。チェルノブイリ原発事故で放出された「死の灰」の半分に相当する量が、通常の運転によって放出されたのです。
六ヶ所村再処理工場が本格稼動すれば、これと同様の深刻な放射能汚染は日本全国に広がるでしょう。決して稼動させてはならないと思います。
<原発は巨大な「海温め装置」>
7月に柏崎刈羽原発が地震で深刻なダメージを受け、原発の安全性は根本的に問い直されています。国や電力会社は日本の電力の30%を供給している原発が止まったら大変なことになると宣伝していますが、すべての原発が停止しても電力供給には何の問題もありません。
日本の発電設備の量と実績(2005年度)
日本には火力発電所を含めて膨大な数の発電所があります。それらの年間を通しての稼働率(=設備利用率)は5割にも満たない状態です。原発を全部停止して火力発電で代替したとしても、火力発電の稼働率は7割にしかなりません。
こうした事実に対して国や電力会社は、「電気は貯めておけないから、真夏の一番暑い時の電力消費ピークに対応するために原発は必要だ」と反論します。しかし過去のデータを調べれば、火力発電と水力発電だけで十分に最大需要電力量を賄えることが分かります。
確かに90年代初頭の数年だけ、原発がなければ足らなかった年はありますが、それ以降はまったく問題ありません。しかも最大の電力需要は、真夏の一番暑い3日間ぐらい、午後数時間にしか必要とされません。もし、原発がなければ電気が足りないというのであれば、その時間だけみんなが仕事を休めばなんのことはないのです。
国や電力会社はもう一つ、地球温暖化防止=CO2削減のために原発が必要だと主張しています。しかし地球温暖化の原因が炭酸ガスかどうかは科学的には証明されていません。私は可能性はあると思いますが、本当のところを突き詰めていくと未だ不明です。
もし炭酸ガスが温暖化の原因だとしても、原発は解決策にはなりません。少し前まで国や電力会社は、「原発は炭酸ガスを出しません」とPRしていました。しかし現在は、「原発は発電時に炭酸ガスは出しません」と修正しています。
原発を動かすには、ウラン鉱山からウランを採掘し、それを製錬・濃縮・加工して燃料にする工程や、生み出される「死の灰」を100万年にもわたって管理する仕事が必要です。それらすべてのプロセスで膨大な炭酸ガスが発生することは明らかです。
さらに私は、発電時にも炭酸ガスを出していると思います。原発は膨大なコンクリートと鉄の塊です。これを動かすためには膨大なエネルギーを必要としますから、当然炭酸ガスを出しています。科学的には、「核分裂反応は炭酸ガスを出しません」が正しい表現です。
何より温暖化対策を真剣に考えるのならば、膨大な温排水を出している原発こそ真っ先に停止すべきです。100万キロワットの原発の原子炉の中では、300万キロワット分のエネルギーが出ています。電気になっているのはたった3分の1で、残りの200万キロワット分のエネルギーは海に棄てています。
私の恩師である水戸巌さんは、「原子力発電という名前は正しくない。正しい名前は『海温め装置』だ」と指摘されました。私はこれを聞いて、目から鱗が落ちる思いがしました。確かに原発のエネルギーの3分の2は海に棄てられ、海を温めているのですから「海温め装置」と呼ぶのが正当です。
これは海の生物にとっては大迷惑な話です。100万キロワットの原発1基は、1秒間に70トンの海水を7℃温めます。東京の主要河川である荒川でも、1秒間に30〜40トンの流量だと思います。1基の原発は、荒川以上に巨大な川の水を7℃も温めて海に流しているのです。
日本にある55基の原発全体からは、1年間に1000億トンの温かい水が排出されます。日本全土に降る雨の量は1年間で6500億トンで、そのうち川に流れるのは4000億トンです。つまり原発は、毎年日本の川を流れる水の4分の1に相当する量を7℃温めて海に戻しているのです。
温暖化対策を真剣に考えるなら、炭酸ガスを問題にする前に真っ先にこの「海温め装置」を止めるべきです。
<エネルギーで幸福は生み出せない>
私は中学、高校時代に、「石油はあと30年で無くなる」とさんざん聞かされました。しかし歴史を紐解いてみれば、いつの時代にもエネルギー危機は叫ばれていました。
1929年の世界恐慌翌年の30年には、「石油はあと18年で無くなる」と宣伝され、1940年には、「石油はあと23年で無くなる」と危機が煽られました。そして米国、イギリス、中国、オランダによるABCD包囲網で石油の禁輸制裁を受けた日本は、南方の石油資源確保のために太平洋戦争に突入したのです。
1950年には「あと20年」、70年、80年には「あと30年」と言われ、90年には「あと45年」になりました。一番最近の石油可採年数推定値は50年です。勿論石油はいずれ無くなります。この地球の長い歴史のなかで蓄えられた資源を、私たちは湯水のように使っているからです。
だからと言って、原子力は石油の代替エネルギーにはなり得ません。原発の燃料であるウランは、石油と比べても数分の1ぐらいの量しかありません。石炭と比べたら数十分の1です。実に貧弱な資源なのです。ゆえに原子力はどうがんばってもそう長くは持ちません。
図の外枠は1年毎に地球に到達する太陽エネルギー
再生不能エネルギー資源の埋蔵量 単位は10×10の21乗J
根本的な問題は、人類はエネルギーを使い過ぎていることです。一体どのぐらいのエネルギーがあれば、人間は平和で豊かな生活を送れるのかを考えてみましょう。
今から100年前の日本人の平均寿命は50歳未満です。当時は1人1日当り食料を含めて数千キロカロリーのエネルギーしか使えませんでした。人間が生きるためには、1日当たり2000キロカロリーの食料を採る必要があり、それ以外にも様々なエネルギーを使います。1日数千キロカロリーでは食料すら満足にまかなえないので、寿命は短かったのです。
日本は高度経済成長期以降、1日当たり4〜5万キロカロリーのエネルギーが使えるようになり、その結果平均寿命は70歳、80歳と伸びてきました。現在では、1人当たり平均12万キロカロリーのエネルギーを使っています。
私は日本のエネルギー消費を、現在の2分の1にするように提唱しています。12万キロカロリーの半分、6万キロカロリーです。
これはほぼ1970年代の消費レベルです。冷蔵庫、洗濯機、テレビなどほとんどの電化製品は揃っていました。しかも今日の省エネ技術は70年代よりも良くなっています。白熱灯ではなく蛍光灯が普及し、冷蔵庫も10分の1ぐらいのエネルギー消費で動きます。ですから6万キロカロリーでも、70年代よりもはるかに豊かな生活が可能です。贅沢を切り詰めれば十分に命を維持し、人間的な生活をおくれるレベルです。
加えて重要なことは、日本のエネルギー消費を半分に減らしても、まだ世界平均を上回っていることです。現在世界の平均エネルギー消費量は、4〜5万キロカロリーです。
今世界65億の人口のうち、先進国に住んでいる人は4分の1、約16〜17億人です。残りの50億の人たちは、未だにエネルギーをほとんど使えない生活を強いられています。
そのなかでも特に11億の人たちは、「絶対的貧困」と国連が定義する状況に置かれています。1日に1ドル、つまり約120円以下しか使えない人が11億人いて、そのうち5億人は飢餓に直面しています。劣悪な衛生・健康状態のなかで、2〜3秒毎に子どもが死亡しているのです。
未だに多くの人たちが飢えに苦しんでいるにも関わらず、私たちはそれを顧みることなくさらに大量のエネルギーを使って贅沢を享受する社会をつくろうとしているのです。この極めて差別的な世界を一体どうすればいいのでしょうか?
宮澤賢治は、「世界がぜんたい幸福にならないうちは 個人の幸福はありえない」と記しました。私は「世界ぜんたい」とは、人間のみを指すのではないと思います。人間を含めたこの世界全体が幸せになることを、賢治さんは願っていたはずです。またそう考えなければ、この地球という星を守ることはできないところにまで私たちは追い詰められてしまったと思います。
賢治さんは続けてこう記しています。「個性の優れる方面に於て、各々止むなき表現をなせ」。
たまたま原子力の世界に入ってしまった私は、なんとか原発を止めるために自分が持っている力を出し尽くします。みなさんも、それぞれが取り組んでいる場所で、それぞれの力を発揮してください。
私たち誰もがそれぞれに「止むなき表現」をする場所があるはずです。
PROFILE▼こいで・ひろあき
1949年生まれ。京都大学原子炉実験所。被曝や放射能汚染の実証データをもとに日本の原子力行政を鋭く批判。著書に『放射能汚染の現実を超えて 』、共著に『人形峠ウラン鉱害裁判』『原子力と共存できるか 』『浜岡原発の危険 住民の訴え』など。
(1252号 2007年9月25日発行)
------------------------------------------------------------------------------------------------------
8月12日、東京・高尾山エコラボキャンプで京都大学原子炉実験所の小出裕章さんが原発・エネルギー問題について講演。森の中で多くの人が耳を傾けた。
私は1968年に大学に入学しました。エネルギー開発に人生を賭けようと思い、原子力の世界に踏み込んだのです。あれから間もなく40年が経とうとしています。
昨日からこの会場にお邪魔して、山を歩き素晴らしい音楽を聴き、美味しい酒をいっぱい飲ませていただきました。みなさん様々な活動に取り組まれていて、とても心が休まりました。豊かな自然に囲まれたこんなに天国のような場所で、なんでわざわざ原子力の話をしなければいけないのかと思うと申し訳ない気持ちが半分です。
しかし昨夜上映された『六ヶ所村ラプソディー』でも描かれていましたが、今や原子力は皆さんの日常生活そのものを破壊しようとしています。事態はそこまで深刻化しているのです。
<人間は自然の一部でしかない>
昨夜私は、草の上に寝転がって星空を見ました。そして宇宙について考えました。この世界で一番スピードの速い光でも、宇宙の果てに行くには100億年以上かかります。それほど広大無辺な宇宙は、人間の知能を超えて広がっています。この宇宙の中に私たちが暮らしている地球があります。
地球はどうやら46億年前に誕生したようで、当初は火の玉でした。その地球に海と大気ができ生物が生まれたのは40億年ぐらい前。広大無辺な宇宙の中でも、地球は生命が根付ける大変希有な星です。
その後様々な生物が生まれては絶滅し、長い歴史をたどって今日に至っています。人類が誕生したのは400万年前。地球の長い歴史のなかでは、私たち人類は極々新参な生き物です。
昨日私がバスに揺られてきた高尾駅からこのキャンプ場までは、おそらく5キロ弱だと思います。地球の46億年の歴史をこの距離に当てはめると、人類が生まれた400万年前はどの辺りだと思いますか? 私の座っている位置が現在だとすると、人類が生まれたのはわずか4メートル先です。
人類も当初は、自然と一体になって生きていたのですが、狩りを覚え農耕を学び段々に文明を発展させました。人類がエネルギーを大量に使う転換点となったのは産業革命です。それはわずか200年前。私の唇の先ほんの0・2ミリです。
ジェームズワットの発明により、蒸気の力で機械が動くようになりました。奴隷や家畜を使って行われていた様々な仕事は、産業革命後は機械に代わりました。以降人類は、エネルギーを使えば使うほど豊かになると考えてきたのです。
地球上に人類が誕生してから今日までに消費したエネルギーのうち、約6割は産業革命後の200年の間に使われました。僅かな期間にこれほど膨大なエネルギーを使って私たちは今の生活をつくり上げたのです。しかしそのために、他の生物は次々と絶滅に追い込まれています。
高尾山には1300種類以上の植物が生えていて、昆虫等は5000種類以上いるそうです。地球には6000万種類以上の生物が存在すると考えられていますが、環境破壊により毎年50万種類ぐらいは絶滅しています。私たちは他の生物の莫大な犠牲の上に生きているのです。
<日本は先進国ではなく後退国>
私は、日本や米国を先進国と呼びません。ずいぶん前から私は、後退国と呼んでいます。地球環境を破壊し他の多くの生物を絶滅に追いやるような国は、後退しているとしか思えないからです。
しかし多くの後退国では、今以上にもっとエネルギーを使いたいようです。日本もまた莫大なエネルギーを浪費する東京のような異常な街をつくりましたが、まだ足らないと主張する人がいます。この高尾の森にもトンネルを掘り、高速道路を延長する計画がありますね。
私はもともと東京生まれの東京育ちです。上野と浅草の真ん中あたりに地下鉄の稲荷町駅がありますが、その近くで生まれ育ちました。私が生まれた頃は、江戸の下町情緒が溢れ道路は子どもの遊び場でした。それが劇的に変わったのは、東京オリンピックからです。
車が増え、子どもの遊び場はなくなりました。私は失望して東京を離れましたが、それ以降も多くの人々は、エネルギーをたくさん消費する生活が幸せだと思い込んできたのです。
実はかって私自身、人間が豊かに生きるためにはエネルギーが必要だと考えました。だから私は、原子力の世界に足を踏み入れました。しかしそこで目の当たりにした現実は、私の期待を粉々にうち砕いたのです。
私が原子力の世界に入った時、日本の原発は1基だけでした。茨城県東海村に東海1号炉があっただけです。今日では55基の原発がこの狭い日本で稼動しています。しかし最も電気を消費する東京にも、今、私が住んでいる大阪にも原発は1基もありません。
東電の原発は、東北電力の管内である福島県に福島第1、第2原発があります。先日の地震で大きなダメージを受けた新潟県柏崎刈羽原発も同様に東北電力管内です。関西電力は、福井県の若狭湾に原発を11基も林立させて長い送電線で関西圏に電気を送っています。原発で万一重大事故が起きれば大変なことになるから、東京や大阪の大都市には原発を建設しないのです。
その万一の事故は、既に起きています。1986年4月26日、旧ソ連のチェルノブイリ原発で重大事故が起き、広島原爆約800発分の「死の灰」が環境中に放出され、広大な地域が汚染しました。数十万人の人たちが避難を強いられ流浪化しました。
本当はもっとたくさんの人々を避難させなければいけなかったのですが、ソ連邦は崩壊してしまいました。その結果、未だに14万5千平方キロメートル(日本の本州の約6割に相当)もの汚染地域に500万人を超える人たちが生活しています。
<再処理工場は日本全土を汚染する>
原発はウランを燃やして「死の灰」を作ります。100万キロワットの原発は1年間稼動すると1トンのウランを燃やします。広島で何十万もの人々を熱線で焼き殺し被爆させた原爆は、約1キログラムのウランが燃えたものです。それでさえ通常の爆弾に換算したら、約2万トン分に相当します。
私の生まれた頃、東京の下町にはあちこちらに焼け跡が残っていました。1945年3月10日の東京大空襲のつめ跡です。344機の巨大爆撃機B29は東京に1600トンの爆弾を落とし、市街地の40%を焼き尽くして10万人を焼き殺しました。広島、長崎に落とされた1キログラムのウランやプルトニウムは、東京大空襲をはるかに超える破壊力を持っていたのです。
みなさんは原子炉と言えば原発を思い浮かべるでしょうが、原子炉は長崎に落とされた原爆の材料であるプルトニウムを生み出すために考えられた装置です。そして生み出されたプルトニウムを原子炉から取り出すための技術が再処理です。
米国はマンハッタン計画により、世界で最初にこの技術を開発しました。合計10万人を超える科学者、技術者、労働者を秘密都市に閉じ込め、当時の日本の全国家歳出に相当する約20億ドルを投じて原爆を製造したのです。
現在世界で公式に核兵器を保有しているのは、国連常任理事国の米国、フランス、イギリス、ロシア、中国の5カ国です。これ以外に、実際にはインドやパキスタン、イスラエルは既に核を保有しています。
しかしインドは原子炉と再処理の技術を、パキスタンは濃縮の技術を持っているだけです。日本は核兵器を持っていないにも関わらず、原子炉、濃縮、再処理の中心的な3つの技術をすべて持っています。私は、日本が国策として再処理政策を掲げ続ける最大の理由は、核兵器開発にあると思います。
青森県六ヶ所村の再処理工場は、既に稼動しています。昨年3月31日から実際の使用済燃料を使ってアクティブ試験を始めました。なぜ3月31日かと言えば、会計年度の関係で地元に交付金が落とせるからです。日本原燃はこの11月以降本格運転を開始すると公表していますが、なんとしても止めなければいけません。
再処理工場は、万一事故が起きなくても膨大な放射能を環境に放出します。日本はこれまで原発で燃やした使用済燃料の再処理をイギリスとフランスに依頼していました。そのイギリスやフランスでは、再処理工場周辺で深刻な放射能被害が出ています。
イギリスのウィンズケール再処理工場はグレートブリテン島の西海岸にあり、アイリッシュ海をはさんだ対岸にはアイルランド島があります。このウィンズケール再処理工場は今日までに、広島型原爆400発分の「死の灰」をアイリッシュ海に流しました。チェルノブイリ原発事故で放出された「死の灰」の半分に相当する量が、通常の運転によって放出されたのです。
六ヶ所村再処理工場が本格稼動すれば、これと同様の深刻な放射能汚染は日本全国に広がるでしょう。決して稼動させてはならないと思います。
<原発は巨大な「海温め装置」>
7月に柏崎刈羽原発が地震で深刻なダメージを受け、原発の安全性は根本的に問い直されています。国や電力会社は日本の電力の30%を供給している原発が止まったら大変なことになると宣伝していますが、すべての原発が停止しても電力供給には何の問題もありません。
日本の発電設備の量と実績(2005年度)
日本には火力発電所を含めて膨大な数の発電所があります。それらの年間を通しての稼働率(=設備利用率)は5割にも満たない状態です。原発を全部停止して火力発電で代替したとしても、火力発電の稼働率は7割にしかなりません。
こうした事実に対して国や電力会社は、「電気は貯めておけないから、真夏の一番暑い時の電力消費ピークに対応するために原発は必要だ」と反論します。しかし過去のデータを調べれば、火力発電と水力発電だけで十分に最大需要電力量を賄えることが分かります。
確かに90年代初頭の数年だけ、原発がなければ足らなかった年はありますが、それ以降はまったく問題ありません。しかも最大の電力需要は、真夏の一番暑い3日間ぐらい、午後数時間にしか必要とされません。もし、原発がなければ電気が足りないというのであれば、その時間だけみんなが仕事を休めばなんのことはないのです。
国や電力会社はもう一つ、地球温暖化防止=CO2削減のために原発が必要だと主張しています。しかし地球温暖化の原因が炭酸ガスかどうかは科学的には証明されていません。私は可能性はあると思いますが、本当のところを突き詰めていくと未だ不明です。
もし炭酸ガスが温暖化の原因だとしても、原発は解決策にはなりません。少し前まで国や電力会社は、「原発は炭酸ガスを出しません」とPRしていました。しかし現在は、「原発は発電時に炭酸ガスは出しません」と修正しています。
原発を動かすには、ウラン鉱山からウランを採掘し、それを製錬・濃縮・加工して燃料にする工程や、生み出される「死の灰」を100万年にもわたって管理する仕事が必要です。それらすべてのプロセスで膨大な炭酸ガスが発生することは明らかです。
さらに私は、発電時にも炭酸ガスを出していると思います。原発は膨大なコンクリートと鉄の塊です。これを動かすためには膨大なエネルギーを必要としますから、当然炭酸ガスを出しています。科学的には、「核分裂反応は炭酸ガスを出しません」が正しい表現です。
何より温暖化対策を真剣に考えるのならば、膨大な温排水を出している原発こそ真っ先に停止すべきです。100万キロワットの原発の原子炉の中では、300万キロワット分のエネルギーが出ています。電気になっているのはたった3分の1で、残りの200万キロワット分のエネルギーは海に棄てています。
私の恩師である水戸巌さんは、「原子力発電という名前は正しくない。正しい名前は『海温め装置』だ」と指摘されました。私はこれを聞いて、目から鱗が落ちる思いがしました。確かに原発のエネルギーの3分の2は海に棄てられ、海を温めているのですから「海温め装置」と呼ぶのが正当です。
これは海の生物にとっては大迷惑な話です。100万キロワットの原発1基は、1秒間に70トンの海水を7℃温めます。東京の主要河川である荒川でも、1秒間に30〜40トンの流量だと思います。1基の原発は、荒川以上に巨大な川の水を7℃も温めて海に流しているのです。
日本にある55基の原発全体からは、1年間に1000億トンの温かい水が排出されます。日本全土に降る雨の量は1年間で6500億トンで、そのうち川に流れるのは4000億トンです。つまり原発は、毎年日本の川を流れる水の4分の1に相当する量を7℃温めて海に戻しているのです。
温暖化対策を真剣に考えるなら、炭酸ガスを問題にする前に真っ先にこの「海温め装置」を止めるべきです。
<エネルギーで幸福は生み出せない>
私は中学、高校時代に、「石油はあと30年で無くなる」とさんざん聞かされました。しかし歴史を紐解いてみれば、いつの時代にもエネルギー危機は叫ばれていました。
1929年の世界恐慌翌年の30年には、「石油はあと18年で無くなる」と宣伝され、1940年には、「石油はあと23年で無くなる」と危機が煽られました。そして米国、イギリス、中国、オランダによるABCD包囲網で石油の禁輸制裁を受けた日本は、南方の石油資源確保のために太平洋戦争に突入したのです。
1950年には「あと20年」、70年、80年には「あと30年」と言われ、90年には「あと45年」になりました。一番最近の石油可採年数推定値は50年です。勿論石油はいずれ無くなります。この地球の長い歴史のなかで蓄えられた資源を、私たちは湯水のように使っているからです。
だからと言って、原子力は石油の代替エネルギーにはなり得ません。原発の燃料であるウランは、石油と比べても数分の1ぐらいの量しかありません。石炭と比べたら数十分の1です。実に貧弱な資源なのです。ゆえに原子力はどうがんばってもそう長くは持ちません。
図の外枠は1年毎に地球に到達する太陽エネルギー
再生不能エネルギー資源の埋蔵量 単位は10×10の21乗J
根本的な問題は、人類はエネルギーを使い過ぎていることです。一体どのぐらいのエネルギーがあれば、人間は平和で豊かな生活を送れるのかを考えてみましょう。
今から100年前の日本人の平均寿命は50歳未満です。当時は1人1日当り食料を含めて数千キロカロリーのエネルギーしか使えませんでした。人間が生きるためには、1日当たり2000キロカロリーの食料を採る必要があり、それ以外にも様々なエネルギーを使います。1日数千キロカロリーでは食料すら満足にまかなえないので、寿命は短かったのです。
日本は高度経済成長期以降、1日当たり4〜5万キロカロリーのエネルギーが使えるようになり、その結果平均寿命は70歳、80歳と伸びてきました。現在では、1人当たり平均12万キロカロリーのエネルギーを使っています。
私は日本のエネルギー消費を、現在の2分の1にするように提唱しています。12万キロカロリーの半分、6万キロカロリーです。
これはほぼ1970年代の消費レベルです。冷蔵庫、洗濯機、テレビなどほとんどの電化製品は揃っていました。しかも今日の省エネ技術は70年代よりも良くなっています。白熱灯ではなく蛍光灯が普及し、冷蔵庫も10分の1ぐらいのエネルギー消費で動きます。ですから6万キロカロリーでも、70年代よりもはるかに豊かな生活が可能です。贅沢を切り詰めれば十分に命を維持し、人間的な生活をおくれるレベルです。
加えて重要なことは、日本のエネルギー消費を半分に減らしても、まだ世界平均を上回っていることです。現在世界の平均エネルギー消費量は、4〜5万キロカロリーです。
今世界65億の人口のうち、先進国に住んでいる人は4分の1、約16〜17億人です。残りの50億の人たちは、未だにエネルギーをほとんど使えない生活を強いられています。
そのなかでも特に11億の人たちは、「絶対的貧困」と国連が定義する状況に置かれています。1日に1ドル、つまり約120円以下しか使えない人が11億人いて、そのうち5億人は飢餓に直面しています。劣悪な衛生・健康状態のなかで、2〜3秒毎に子どもが死亡しているのです。
未だに多くの人たちが飢えに苦しんでいるにも関わらず、私たちはそれを顧みることなくさらに大量のエネルギーを使って贅沢を享受する社会をつくろうとしているのです。この極めて差別的な世界を一体どうすればいいのでしょうか?
宮澤賢治は、「世界がぜんたい幸福にならないうちは 個人の幸福はありえない」と記しました。私は「世界ぜんたい」とは、人間のみを指すのではないと思います。人間を含めたこの世界全体が幸せになることを、賢治さんは願っていたはずです。またそう考えなければ、この地球という星を守ることはできないところにまで私たちは追い詰められてしまったと思います。
賢治さんは続けてこう記しています。「個性の優れる方面に於て、各々止むなき表現をなせ」。
たまたま原子力の世界に入ってしまった私は、なんとか原発を止めるために自分が持っている力を出し尽くします。みなさんも、それぞれが取り組んでいる場所で、それぞれの力を発揮してください。
私たち誰もがそれぞれに「止むなき表現」をする場所があるはずです。
PROFILE▼こいで・ひろあき
1949年生まれ。京都大学原子炉実験所。被曝や放射能汚染の実証データをもとに日本の原子力行政を鋭く批判。著書に『放射能汚染の現実を超えて 』、共著に『人形峠ウラン鉱害裁判』『原子力と共存できるか 』『浜岡原発の危険 住民の訴え』など。
(1252号 2007年9月25日発行)
------------------------------------------------------------------------------------------------------
小出寛裕章 参考人の全身全霊をかけた凄まじい原発批判が わかりやすすぎる!(文字おこし)
2011年5月23日参議院行政監視委員会における小出裕章氏の発言の文字おこしです。委員会の冒頭での発言です。エネルギー政策としての問題点、高速増殖炉が絶対にできない理由、福島原発事故の政府の不適当な対応、もんじゅに1兆円つぎ込んだ責任者は詐欺罪として1万年の刑期に相当するなど、舌鋒鋭く鮮やかに原子力政策を否定しています。
このエントリーの小出裕章氏の発言の文字おこしの部分は、読者からの情報提供を受け、以下のURLを参考にしました。その上で、再度動画を確認して、言葉遣いや言い回しなどを正確に改めたものです。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=260093&page=3&id=62504878
(文字おこし、始め)
「今日はこれまで原子力をすすめてきた行政に一言いいたいと思ってうかがいました。私は原子力に夢を持って原子核工学科に入った人間です。なぜそうなったかというと原子力こそ未来のエネルギー源だと思ったからです。原子力は無尽蔵にあるが、石炭や石油は枯渇してしまうから将来は原子力だと信じて入ったのです。」
「しかし、入ってみて分かったのは原子力は大変貧弱なエネルギーだと気が付きました。今このスライドに再生不能エネルギーというものの量を順番にあげていこうとおもいます。」
「まず1番多い資源は、石炭です。大変膨大に地球上に大変たくさんあることがわかっています。ただし今書いた四角は、究極埋蔵量です。実際に経済的に掘れるとわかっているのは確認埋蔵量と言われてるものなわけですが。この青い部分だけだということになっています。」
ではこの四角がいったいどれくらいのことを意味しているかというと、右の上に今、ちいちゃな四角を書きましたが、これは世界が一年ごとに使ってるエネルギーの総量です。ということは石油(※石炭の言い間違いかと思われる)の現在の確認埋蔵量だけで言っても、あそうですね、数字で書きますとこんなことになりますが、60~70年はあるし、究極埋蔵量が全て使えるとすれば、800年ちかくあると。いうほど石炭はたくさんあると。いうことがすでにわかっている、わけです」
「その次に天然ガスもあることがわかっている。石油もある。そして、オイルシエール、タールサンドといった現在はあまり使ってない資源もあるということがすでにわかっている、わけです。」
「そして私自身は、はこういう化石燃料と呼ばれているものが、いずれ枯渇してしまうから原子力だと思ったわけですが、原子力の資源であるウランは実はこれしかない、のです。石油に比べても数分の一、石炭に比べたら数十分の一しかないという大変貧弱な資源であった、わけです。」
「ただ私がこれを言うと原子力を進めてきた行政サイドの方々は、いやそれはちょっと違うんだと。そこに書いたのは核分裂製のウランの資源量だけを書いたろうと。実は、自分たちが原子力で使おうと思ってるのは、核分裂性のウランではなくて、プルトニウムなんだと、言うわけです。」
「つまり非核分裂性のウランをプルトニウムに変換して使うから、エネルギーとして意味があることになると。いうことを言っているわけです。」
「どういう事かというとこういうことです。」
「まず、ウランを掘ってくるということはどんな意味でも必要です。それを濃縮とか加工とかいう作業を行って、原子力発電所で燃やすと。これが現在やっていることなわけです。しかしこれをいくらやったところで、今聞いていただいたように、原子力はエネルギー資源にならない、のです。
「そこで原子力を推進している人たちは、実はこんなことではないと言っているわけですね。」
「ウランはもちろん掘ってくるわけですけれども、あるところからプルトニウムというものにして、高速増殖炉と言う特殊な原子炉を作ってプルトニウムをどんどん増殖していくと。でそれを再処理とかしながら、ぐるぐる核燃料サイクルで回しながらエネルギー源にするんだ、と言ったわけですね。で最後は高レベル放射線廃物と言う大変厄介なゴミがでてきますので、それをいつか処分しなければいけないと、いう仕事を描いた、わけです。」
「ただプルトニウムという物質は地球上には一滴もありませんので、しかたないので、現在の原子力発電所から出てくるプルトニウムというのを再処理して、高速増殖炉を中心とする核燃料サイクルに引き渡すという、こういう構想をねった、わけです。」
「しかし、この構想の一番中心は高速増殖炉にあるわけですが、この高速増殖炉御は実はできない、のです。」
「日本の高速増殖炉計画がどのように、計画されて破綻して行ったこと言うことを今からこの図に示そうと思います。」
「横軸は1960から2010まで書いてありますが西暦です。何をこれから書くかというと原子力開発利用長期計画というものができた年度を横軸にしようと思います。縦軸の方は1980から2060まで数字が書いてありますが、これはそれぞれの原子力開発利用長期計画で高速増殖炉がいつ実用化できるかというふうに考えたかというその見通しの年度を書きます。」
「原子力開発利用長期計画で一番初めに高速増殖炉に触れられたのは第3回の長期計画1968年でした。その時の長期計画では高速増殖炉は1980年代の前半に実用化すると書いてあります。」
「ところがしばらくしましたらそれは難しいと、ということになりまして、次の原子力開発利用長期計画では1990年前後にならないと実用化出来ないというように書き換えました。」
「それもまたできなくて5年経って改訂されたときには高速増殖炉は、2000年前後に実用化すると書き換えたわけです。ところがこれも出来ませんでした。」
「次の改訂では、2010年に実用化すると、書きました。これも出来ませんでした。」
「次は2020年台に、もう実用化ではありません、技術体系を確立したい、というような目標に変わりました。ところがこれも出来ませんでした。」
「次には2030年には技術体系を確立したい、ということになった。」
「では次の長期計画でどうなったか、というと実は2000年に長期計画の改訂があったのですが、とうとうこの時には年度を示すこともできなくなりました。私はしかたないのでここにバッテンをつけました。」
「そしてまた5年後に長期計画が改定されまして、今度は原子力政策大綱というような大仰な名前に改定されましたが、その改訂では2050年に1機目の高速増殖炉をとにかく作りたいというような計画になってきた、わけです。」
「みなさん、この図をどのようにご覧になる、でしょうか。私はここに1本の線を引きました。どんどんどんどん目標が逃げていく、ことが分かっていただけると思います。」
「横軸も縦軸も1マスが10年。で、この線は何を示しているかというと、10年経つと、目標が20年先に逃げるということ、なのです。」
「10年経って目標が10年先に逃げたら、絶対にたどり着けません。それ以上にひどくて、10年経つと20年先に目標が逃げているわけですから、永遠にこんなモノには辿りつけないと、いう事を分からなければいけないと、私は思います。」
「ところがこういう長期計画を作ってきた原子力委員会というところ、あるいはそれを支えてきた行政は一切責任を取らない、いうことで今日まで来ている、わけです。」
「日本はもんじゅという高速増殖炉の原型炉だけでも、既に1兆円以上のカネを捨ててしまい、ました。現在の裁判制度で行くと1億円の詐欺をすると1年実刑になるんだそうです。では1兆円の詐欺をしたら何年の実刑を喰らわなければいけない、でしょうか。1万年、です。原子力委員会、原子力安全委員会、あるいは経産省、通産省、等々、行政に関わった人のなかでもんじゅに責任のある人はいったいなんにんいるのか、私はよく知りません。でも仮に100人だとすれば一人ひとり100年間実刑を処さなければいけないという、それほどのことをやってきて、結局誰も未だに何の責任もとらないままいるという、そういう事になっている、わけです。」
「えー、原子力というばというのは大変異常な世界だと私には思えます。」
「次は、今、現在進行中の福島の事故のことを一言申し上げます。」
「皆さんご存知だろうと思いますけれども、原子力発電というのは、大変膨大な放射能を取り扱うというそういう技術です。いまここに真っ白なスライドがありますが、左の下の方に今私はちいちゃい四角を書こうと思います。」
「書きました。これは何かというと、広島の原爆が爆発したときに燃えたウランの量です。800グラムです。みなさんどなたでも手で持てるというそのくらいのウランが燃えて広島の町が壊滅した、わけです。」
「では、原子力発電。この電気も原子力発電所から来てるわけですけれども、これをやるためにいったいどのくらいのウランを燃やすかというと、」
「1つの原子力発電所が1年動くたびに、1トンのウランを燃やすと、それほどのことをやっている、わけです。つまり、それだけの核分裂生成物という放射性物質をつくりだしながらやってるということに、なります。」
「原発は機械です。機会がときどき故障をおこしたり事故を起こしたりするのは当たり前、のことです。動かすのは人間、です。人間は神ではありません。時には誤りをおかすと。当たり前のこと、なわけです。」
「私たちがどんなに事故が起きてほしくないと願ったところで、破局的事故の可能性は常に残ります。いつか起きるかもしれないと言うことになっている、わけです。そこでじゃあ、原子力を推進する人たちはどういう対策をとったかというと。破局的事故はめったに起きない、そんなものを想定することはおかしいと。」
「だから想定不適当という烙印を押して無視してしまうということにした、わけです。」
「どうやって破局的事故が起きないかと言うと、これは中部電力のホームページからとってきた、説明の図ですけれども、たくさんの壁があると。放射能を外部に漏らさないための壁があると言っているのですが。」
「このうちで特に重要なのは、第4の壁というところに書いてある原子炉格納容器というものです。巨大な鋼鉄性の容器ですけども、これが、いついかなる時でも放射能をとじこめるというそういう考え方にした。わけです。」
「原子炉立地審査指針というものがあって、その指針に基づいて重大仮想事故という、ま、ま、かなり厳しい事故を考えてると彼らはいうわけですけれども、そういう事故では、格納容器という放射能を閉じ込める最後の防壁は、ゼッッタイ(※かなり大きな声で発言)に壊れないという、そういう仮定になってしまっている、のです。絶対に壊れないなら放射能は出るはずがない、いうことになってしまいますので、原子力発電所はいついかなる場合も安全だと。放射能が漏れてくるような事故を考えるのは、想定不適当と。そして想定不適当事故という烙印を押して無視することにした、わけです。」
「ところが実際に、破局的事故はおきて、今現在進行中です。たいへんな悲惨なことが、今、福島を中心に起きているということは、多分みなさんも御承知頂いていることだろうと思います。ただ、その現在進行中の事故にどうやって行政が向き合ってきているかと、言う事についても、大変不適切な対応が、わたくしはたくさんあったと思います。」
「防災というものの原則は。危険を大きめに評価してあらかじめ対策をとっていく。住民を守ると。もし危険を過大に評価していたのだとすれば、あ、これは課題だった。でも住人に被害を与えないで良かったと胸をなでおろすという、それが防災の原則だとおもいますが。」
「実は日本の政府がやってきたことは、一貫して事故を過小評価して楽観な見通しで行動してきました。国際事故評価尺度で、当初レベル4だとか、いうようなことを言って、ずーっとその評価を変えない、まぁレベル5といったことは有りましたけれども、最後の最後になって、レベル7だと。あまりにも遅い対応の仕方をする。」
「それから避難区域に関しても、一番初めは3キロの住人を避難指示だす。これは万一のことを考えての指示です、と言ったのです。しかししばらくすると今度、10キロメートルの人たちに避難指示を出しました。その時も、これは万一の時を考えての処置ですと、言ったのです。ところがそれからしばらくしたら20キロメートルの人たちに避難の指示を出す。その時も、これは万一を考えての指示です、と。いうようなことを言いながらどんどんどん後手後手に対策がなっていった。いう経過をだどりました。」
「私は、パニックを避ける唯一の手段は正確な情報を常に公開するという態度、だろうと思います。そうして初めて、行政や国が住民から信頼をうける。そしてパニックを回避するのだと、私はおもってきたのですが、残念ながら日本の行政はそうではありませんでした。常に情報を隠して危機的な状況でないということを、常に言いたがるということでした。」
「えー、SPEEDIという100億円以上のお金をかけて、25年もかけて築きあげてきた事故時の計算コード、それすらも隠してしまって住民には知らせないというようなことをやった、わけです。」
「それから現在、まだ続いていますが、誰の責任かを明確にしないまま労働者や住民に、犠牲を強制しています。福島の原発で働く労働者の被ばくの限度量をひきあげてしまったり、あるいは住民に対して強制避難をさせる基準を現在の立法府が決めた基準とは全く違ってまた引きあげてしまうと、言うようなことをやろうとしている。」
「本当にこんなことをやっていていいのだろうかと、私は思います。」
「現在進行中の福島の、原発事故の本当の被害って、いったいどれだけになるんだろうかと私は考えてしまうと、途方に暮れます。」
「失われる土地というのは、もし現在の日本の法律を厳密に適応するなら、福島県全域といってもいい位の広大な土地を放棄しなければならなく、なるとおもいます。それを避けようとすれば、住民の被ばく限度を引き上げるしかなくなりますけれども。そうすれば住民たちは被ばくを強要させるということになります。」
「一次産業は、多分これからものすごい苦難に陥るだろうと思います。農業漁業を中心として商品が売れないということになるだろうと思います。」
「そして住民たちは故郷を追われて、生活が崩壊してくことになるはずだと私は思っています。」
「東京電力に賠償をきちっとさせるという話もありますけれども、東京電力がいくら賠償したところで足りないのです。何度倒産しても多分足りないだろうと思います。日本国が倒産しても、多分あがないきれないほどの被害が、私は出るのだろうと思っています。」
「本当に賠償するなら。ということです。」
「最後になりますが、ガンジーが7つの社会的罪ということを言っていて、彼のお墓にこれが碑文で残っている、のだそうです。」
「1番始めは「理念なき政治」です。この場にお集まりの方々は政治に携わっている方ですので、えー、十分にこの言葉をかみしめて頂きたいとおもいます。」
「そのほかたくさん、『労働なき富』、『良心なき快楽』、『人格なき知識』」
「『道徳なき商業』。これは多分、東京電力始めとする電力会社に私は当てはまると思います。」
「そして『人間性なき科学』と。これは私も含めたアカデミズムの世界がこれまで原子力に丸ごと加担してきたと、いうことを私はこれで問いたいと思います。」
「最後は献身なき崇拝。宗教お持ちの方はこの言葉もかみしめて頂きたいと思います。えー終りにしますありがとうございました。」
(文字おこしここまで)
(参考エントリー)
----------------
http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=260093&page=3&id=62504878
(文字おこし、始め)
「今日はこれまで原子力をすすめてきた行政に一言いいたいと思ってうかがいました。私は原子力に夢を持って原子核工学科に入った人間です。なぜそうなったかというと原子力こそ未来のエネルギー源だと思ったからです。原子力は無尽蔵にあるが、石炭や石油は枯渇してしまうから将来は原子力だと信じて入ったのです。」
「しかし、入ってみて分かったのは原子力は大変貧弱なエネルギーだと気が付きました。今このスライドに再生不能エネルギーというものの量を順番にあげていこうとおもいます。」
「まず1番多い資源は、石炭です。大変膨大に地球上に大変たくさんあることがわかっています。ただし今書いた四角は、究極埋蔵量です。実際に経済的に掘れるとわかっているのは確認埋蔵量と言われてるものなわけですが。この青い部分だけだということになっています。」
ではこの四角がいったいどれくらいのことを意味しているかというと、右の上に今、ちいちゃな四角を書きましたが、これは世界が一年ごとに使ってるエネルギーの総量です。ということは石油(※石炭の言い間違いかと思われる)の現在の確認埋蔵量だけで言っても、あそうですね、数字で書きますとこんなことになりますが、60~70年はあるし、究極埋蔵量が全て使えるとすれば、800年ちかくあると。いうほど石炭はたくさんあると。いうことがすでにわかっている、わけです」
「その次に天然ガスもあることがわかっている。石油もある。そして、オイルシエール、タールサンドといった現在はあまり使ってない資源もあるということがすでにわかっている、わけです。」
「そして私自身は、はこういう化石燃料と呼ばれているものが、いずれ枯渇してしまうから原子力だと思ったわけですが、原子力の資源であるウランは実はこれしかない、のです。石油に比べても数分の一、石炭に比べたら数十分の一しかないという大変貧弱な資源であった、わけです。」
「ただ私がこれを言うと原子力を進めてきた行政サイドの方々は、いやそれはちょっと違うんだと。そこに書いたのは核分裂製のウランの資源量だけを書いたろうと。実は、自分たちが原子力で使おうと思ってるのは、核分裂性のウランではなくて、プルトニウムなんだと、言うわけです。」
「つまり非核分裂性のウランをプルトニウムに変換して使うから、エネルギーとして意味があることになると。いうことを言っているわけです。」
「どういう事かというとこういうことです。」
「まず、ウランを掘ってくるということはどんな意味でも必要です。それを濃縮とか加工とかいう作業を行って、原子力発電所で燃やすと。これが現在やっていることなわけです。しかしこれをいくらやったところで、今聞いていただいたように、原子力はエネルギー資源にならない、のです。
「そこで原子力を推進している人たちは、実はこんなことではないと言っているわけですね。」
「ウランはもちろん掘ってくるわけですけれども、あるところからプルトニウムというものにして、高速増殖炉と言う特殊な原子炉を作ってプルトニウムをどんどん増殖していくと。でそれを再処理とかしながら、ぐるぐる核燃料サイクルで回しながらエネルギー源にするんだ、と言ったわけですね。で最後は高レベル放射線廃物と言う大変厄介なゴミがでてきますので、それをいつか処分しなければいけないと、いう仕事を描いた、わけです。」
「ただプルトニウムという物質は地球上には一滴もありませんので、しかたないので、現在の原子力発電所から出てくるプルトニウムというのを再処理して、高速増殖炉を中心とする核燃料サイクルに引き渡すという、こういう構想をねった、わけです。」
「しかし、この構想の一番中心は高速増殖炉にあるわけですが、この高速増殖炉御は実はできない、のです。」
「日本の高速増殖炉計画がどのように、計画されて破綻して行ったこと言うことを今からこの図に示そうと思います。」
「横軸は1960から2010まで書いてありますが西暦です。何をこれから書くかというと原子力開発利用長期計画というものができた年度を横軸にしようと思います。縦軸の方は1980から2060まで数字が書いてありますが、これはそれぞれの原子力開発利用長期計画で高速増殖炉がいつ実用化できるかというふうに考えたかというその見通しの年度を書きます。」
「原子力開発利用長期計画で一番初めに高速増殖炉に触れられたのは第3回の長期計画1968年でした。その時の長期計画では高速増殖炉は1980年代の前半に実用化すると書いてあります。」
「ところがしばらくしましたらそれは難しいと、ということになりまして、次の原子力開発利用長期計画では1990年前後にならないと実用化出来ないというように書き換えました。」
「それもまたできなくて5年経って改訂されたときには高速増殖炉は、2000年前後に実用化すると書き換えたわけです。ところがこれも出来ませんでした。」
「次の改訂では、2010年に実用化すると、書きました。これも出来ませんでした。」
「次は2020年台に、もう実用化ではありません、技術体系を確立したい、というような目標に変わりました。ところがこれも出来ませんでした。」
「次には2030年には技術体系を確立したい、ということになった。」
「では次の長期計画でどうなったか、というと実は2000年に長期計画の改訂があったのですが、とうとうこの時には年度を示すこともできなくなりました。私はしかたないのでここにバッテンをつけました。」
「そしてまた5年後に長期計画が改定されまして、今度は原子力政策大綱というような大仰な名前に改定されましたが、その改訂では2050年に1機目の高速増殖炉をとにかく作りたいというような計画になってきた、わけです。」
「みなさん、この図をどのようにご覧になる、でしょうか。私はここに1本の線を引きました。どんどんどんどん目標が逃げていく、ことが分かっていただけると思います。」
「横軸も縦軸も1マスが10年。で、この線は何を示しているかというと、10年経つと、目標が20年先に逃げるということ、なのです。」
「10年経って目標が10年先に逃げたら、絶対にたどり着けません。それ以上にひどくて、10年経つと20年先に目標が逃げているわけですから、永遠にこんなモノには辿りつけないと、いう事を分からなければいけないと、私は思います。」
「ところがこういう長期計画を作ってきた原子力委員会というところ、あるいはそれを支えてきた行政は一切責任を取らない、いうことで今日まで来ている、わけです。」
「日本はもんじゅという高速増殖炉の原型炉だけでも、既に1兆円以上のカネを捨ててしまい、ました。現在の裁判制度で行くと1億円の詐欺をすると1年実刑になるんだそうです。では1兆円の詐欺をしたら何年の実刑を喰らわなければいけない、でしょうか。1万年、です。原子力委員会、原子力安全委員会、あるいは経産省、通産省、等々、行政に関わった人のなかでもんじゅに責任のある人はいったいなんにんいるのか、私はよく知りません。でも仮に100人だとすれば一人ひとり100年間実刑を処さなければいけないという、それほどのことをやってきて、結局誰も未だに何の責任もとらないままいるという、そういう事になっている、わけです。」
「えー、原子力というばというのは大変異常な世界だと私には思えます。」
「次は、今、現在進行中の福島の事故のことを一言申し上げます。」
「皆さんご存知だろうと思いますけれども、原子力発電というのは、大変膨大な放射能を取り扱うというそういう技術です。いまここに真っ白なスライドがありますが、左の下の方に今私はちいちゃい四角を書こうと思います。」
「書きました。これは何かというと、広島の原爆が爆発したときに燃えたウランの量です。800グラムです。みなさんどなたでも手で持てるというそのくらいのウランが燃えて広島の町が壊滅した、わけです。」
「では、原子力発電。この電気も原子力発電所から来てるわけですけれども、これをやるためにいったいどのくらいのウランを燃やすかというと、」
「1つの原子力発電所が1年動くたびに、1トンのウランを燃やすと、それほどのことをやっている、わけです。つまり、それだけの核分裂生成物という放射性物質をつくりだしながらやってるということに、なります。」
「原発は機械です。機会がときどき故障をおこしたり事故を起こしたりするのは当たり前、のことです。動かすのは人間、です。人間は神ではありません。時には誤りをおかすと。当たり前のこと、なわけです。」
「私たちがどんなに事故が起きてほしくないと願ったところで、破局的事故の可能性は常に残ります。いつか起きるかもしれないと言うことになっている、わけです。そこでじゃあ、原子力を推進する人たちはどういう対策をとったかというと。破局的事故はめったに起きない、そんなものを想定することはおかしいと。」
「だから想定不適当という烙印を押して無視してしまうということにした、わけです。」
「どうやって破局的事故が起きないかと言うと、これは中部電力のホームページからとってきた、説明の図ですけれども、たくさんの壁があると。放射能を外部に漏らさないための壁があると言っているのですが。」
「このうちで特に重要なのは、第4の壁というところに書いてある原子炉格納容器というものです。巨大な鋼鉄性の容器ですけども、これが、いついかなる時でも放射能をとじこめるというそういう考え方にした。わけです。」
「原子炉立地審査指針というものがあって、その指針に基づいて重大仮想事故という、ま、ま、かなり厳しい事故を考えてると彼らはいうわけですけれども、そういう事故では、格納容器という放射能を閉じ込める最後の防壁は、ゼッッタイ(※かなり大きな声で発言)に壊れないという、そういう仮定になってしまっている、のです。絶対に壊れないなら放射能は出るはずがない、いうことになってしまいますので、原子力発電所はいついかなる場合も安全だと。放射能が漏れてくるような事故を考えるのは、想定不適当と。そして想定不適当事故という烙印を押して無視することにした、わけです。」
「ところが実際に、破局的事故はおきて、今現在進行中です。たいへんな悲惨なことが、今、福島を中心に起きているということは、多分みなさんも御承知頂いていることだろうと思います。ただ、その現在進行中の事故にどうやって行政が向き合ってきているかと、言う事についても、大変不適切な対応が、わたくしはたくさんあったと思います。」
「防災というものの原則は。危険を大きめに評価してあらかじめ対策をとっていく。住民を守ると。もし危険を過大に評価していたのだとすれば、あ、これは課題だった。でも住人に被害を与えないで良かったと胸をなでおろすという、それが防災の原則だとおもいますが。」
「実は日本の政府がやってきたことは、一貫して事故を過小評価して楽観な見通しで行動してきました。国際事故評価尺度で、当初レベル4だとか、いうようなことを言って、ずーっとその評価を変えない、まぁレベル5といったことは有りましたけれども、最後の最後になって、レベル7だと。あまりにも遅い対応の仕方をする。」
「それから避難区域に関しても、一番初めは3キロの住人を避難指示だす。これは万一のことを考えての指示です、と言ったのです。しかししばらくすると今度、10キロメートルの人たちに避難指示を出しました。その時も、これは万一の時を考えての処置ですと、言ったのです。ところがそれからしばらくしたら20キロメートルの人たちに避難の指示を出す。その時も、これは万一を考えての指示です、と。いうようなことを言いながらどんどんどん後手後手に対策がなっていった。いう経過をだどりました。」
「私は、パニックを避ける唯一の手段は正確な情報を常に公開するという態度、だろうと思います。そうして初めて、行政や国が住民から信頼をうける。そしてパニックを回避するのだと、私はおもってきたのですが、残念ながら日本の行政はそうではありませんでした。常に情報を隠して危機的な状況でないということを、常に言いたがるということでした。」
「えー、SPEEDIという100億円以上のお金をかけて、25年もかけて築きあげてきた事故時の計算コード、それすらも隠してしまって住民には知らせないというようなことをやった、わけです。」
「それから現在、まだ続いていますが、誰の責任かを明確にしないまま労働者や住民に、犠牲を強制しています。福島の原発で働く労働者の被ばくの限度量をひきあげてしまったり、あるいは住民に対して強制避難をさせる基準を現在の立法府が決めた基準とは全く違ってまた引きあげてしまうと、言うようなことをやろうとしている。」
「本当にこんなことをやっていていいのだろうかと、私は思います。」
「現在進行中の福島の、原発事故の本当の被害って、いったいどれだけになるんだろうかと私は考えてしまうと、途方に暮れます。」
「失われる土地というのは、もし現在の日本の法律を厳密に適応するなら、福島県全域といってもいい位の広大な土地を放棄しなければならなく、なるとおもいます。それを避けようとすれば、住民の被ばく限度を引き上げるしかなくなりますけれども。そうすれば住民たちは被ばくを強要させるということになります。」
「一次産業は、多分これからものすごい苦難に陥るだろうと思います。農業漁業を中心として商品が売れないということになるだろうと思います。」
「そして住民たちは故郷を追われて、生活が崩壊してくことになるはずだと私は思っています。」
「東京電力に賠償をきちっとさせるという話もありますけれども、東京電力がいくら賠償したところで足りないのです。何度倒産しても多分足りないだろうと思います。日本国が倒産しても、多分あがないきれないほどの被害が、私は出るのだろうと思っています。」
「本当に賠償するなら。ということです。」
「最後になりますが、ガンジーが7つの社会的罪ということを言っていて、彼のお墓にこれが碑文で残っている、のだそうです。」
「1番始めは「理念なき政治」です。この場にお集まりの方々は政治に携わっている方ですので、えー、十分にこの言葉をかみしめて頂きたいとおもいます。」
「そのほかたくさん、『労働なき富』、『良心なき快楽』、『人格なき知識』」
「『道徳なき商業』。これは多分、東京電力始めとする電力会社に私は当てはまると思います。」
「そして『人間性なき科学』と。これは私も含めたアカデミズムの世界がこれまで原子力に丸ごと加担してきたと、いうことを私はこれで問いたいと思います。」
「最後は献身なき崇拝。宗教お持ちの方はこの言葉もかみしめて頂きたいと思います。えー終りにしますありがとうございました。」
(文字おこしここまで)
(参考エントリー)
----------------
登録:
投稿 (Atom)